血塗れの聖天使(5)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。
とはいえ、交渉決裂した今、次は自分が何かしらされるかもしれない。そう思った青龍は臨戦態勢をとった。
が、何故か、ペガサスにその気は無く、待ったといった感じで手を前に突き出した。
「君達は交渉に来たんだろう? なら普通、こっちの条件も呑むべきなんじゃないかな?」
「条件?」
そう聞かれてペガサスは頷き、彼らが思ってもみなかった提案をした。
「僕達、組まない?」
ペガサスからの突然の提案に、青龍は驚きを隠せなかった。
ペガサスの提案はこうだ。
彼にはある大金持ちの友人がおり、その人の管理の下で3人のサイトを統合して、殺し屋チームを結成するというものだ。
依頼の受注システムとしては、依頼者がサイトに登録されている殺し屋を1人指名し、その仕事を指名された殺し屋がこなす。
その際、指名の偏りによる報酬の格差を無くすために、依頼報酬は全てチーム全員に分配する。
さらに、チームが結成されれば、ペガサスは一切の報酬を受け取らず、その上で青龍らの新武器開発に着手し、これまでしてきた残虐なことも、解散までの間ストップすることを約束した。
2人にとってこれ以上ないおいしい話だったが、青龍は罠の可能性もあったため即決できず、深く悩んだ。
一方で、光のセレナーデを受けていた朱雀はあまり悩まず、快諾した。
青龍とペガサスは魅了されてるせいかと思ったが、表情や態度から彼女はいつもの自分に戻っていた。
「驚いた。光のセレナーデがここまで早く解けるなんて」
「生憎やったな。うちは殺した奴とのディープキスでしか、己を虜にでけへんねん」
朱雀の言葉でペガサスは彼女のイカレた癖を知った。
その会話の間も考えていた青龍は、ビジネスライクで警戒心が強い朱雀が入って安心したのか、ペガサスの提案を呑んだ。
「交渉成立、だね」
ペガサスはそう言うと、翔馬と入れ替わり、
「んじゃ、これからは同志としてよろしくな」
と、言って、握手を求め、青龍と朱雀はそれに応えた。
こうして青龍、朱雀、ペガサスは殺し屋チームを結成した。史上最強にして最凶の死の獣が、この瞬間、産声を上げたのである…………
これまではフリーの殺し屋だった龍でしたが、次回からはチームとして初めての仕事が舞い込んできます。




