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死獣神~血の書~  作者: 天馬光
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殺し屋 青龍 (1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋の物語。

 平成17年4月8日。朝のニュース番組が大阪で起きた殺人事件を報じていた。

 その独特の殺され方から警察は、今、世間を騒がせてる連続殺人犯の仕業とみていた。


 そのニュースを自宅のテレビで見ていたその犯人は、深いため息をつき、


「失礼だなぁ、人を連続殺人鬼みたいに言うなんて。まぁ、でも、そう思われても仕方ないか。それにしても……あーぁ。僕って本当に救いようがないなぁ……」

 と、言って、黄昏た。

 そんな彼の元に、殺人依頼のメールが一件届いた。

 そう、彼は殺人鬼ではない。殺し屋である。



 午前8時半頃。東大阪市の綱手中学校に通う2年生・井川芹(いがわせり)は、新学期早々、入学当初からいじめてくる男子生徒6人にからまれていた。芹はおどおどしながらも、その場を去ろうとしたが、逃がしてもらえず、逆上した彼らによってどこかへ連れて行かれそうになった。


 と、そこへ、芹のクラスメートが声をかけてきた。


「そこの人達。先生が呼んでたよ」


「あ? 今、忙しいんだよ」


「でも、早く行かないとこっぴどく叱られるよ」

 彼にそう言われて男子生徒らは、舌打ちして渋々去っていった。

 彼らがいなくなると芹は礼を言い、この少年が今日から同じクラスで勉強する同級生・青山龍(あおやまりゅう)と知った。龍は芹の心を案じ、


「さっきのこと。かなり深刻そうだね」

 龍の言葉に芹は頷いた。


「もう我慢できない。あんな人達、消えてほしい……」


 思い詰めた顔をする芹を見て、龍は心配していたが、その悲壮な目からある存在の影に気付いた。


「まさか、『青龍の逆鱗』に?」

 そう尋ねられて、芹は小さく頷いた。


 『青龍の逆鱗』とはネットの影で運営しているいわゆる闇サイトで、依頼を出せば、ターゲットを100%殺してくれるサイトである。


 彼女がそこに依頼を出すほど追い詰められていたことに、龍は同情した。


「あ、今の、誰にも言わないでね。そんなの学校に広まったら、私……」

 彼らからの報復や周囲の人からの白い目に対する恐怖から涙を流す芹を見て、龍は慰めつつ助けてやりたいと思った。


 だが、彼の想いも虚しく、最悪の事態が起こってしまった。

 下校途中の芹が、男子生徒らに拉致られてしまったのである。

 いよいよ始まりました。今後、なかなかグロいシーンが出てきますので、想像し過ぎないことをおすすめします。

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