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HP1の最弱勇者  作者: 黒宮祐助
5/6

曇り空

鬼神

寿命と言う概念を捨て、仲間を守る事に撤した鬼達の統率者


あれから数日が経ち、その間に作戦が練られ準備を進め、鬼神の為にも、将来の為にもと町中の皆が祭りが終わった後も活気がどんどん増していった


「運べ運べー!!」


準備の途中だろうか、掛け声が聞こえてくる

そんな中3人は今日もまた暗いジメジメした雰囲気を漂わせていた


「お前らがしっかりしねぇと意味ねぇだろ」


鍛冶屋の店主が気を利かせて、話しかけてくれるが俺達は良い返事が出来ないまま宿屋に帰る


「どうしたものか」


アカメが口ずさむと落ち込んだ表情でラトが続く


「すまぬ、妾じゃどうにも出来ぬのだ」

「ラトが悪い訳じゃない心配するな」


一応慰めてみるも、ラトの表情は一向に明るくならない

作戦会議の末に鬼神の為、他の鬼たちとも交流をすると言う目的の為に宴会をする事が決まった

費用なども町の酒屋やギルドが連携して行う形となり、ラトの在籍する俺達のパーティーを中心とした

準備が進められていた


そして作戦は壁に突き当たり、再び作戦会議が開かれる事になった



「第3回鬼神宴会(仮)会議を始めます」


パーティーのリーダーである俺を中心に会議を進める

因みに第1回、第2回はラトを中心に会議が進められた、理由は鬼神、その他鬼の情報について最も詳しいからだ


「俺達人間が鬼たちのいる里に入れない」


聞いていた皆は困惑した表情で理由を聞いてくる、俺の代わりにラトが続ける


「結界が張ってあったのじゃ、それも鬼神様が張られた物で、並の術者では歯が立たん」

「それでこの町の魔術師に協力をお願いしたい」

「でもそんな魔術師なんざ、この町にゃぁいねぇよ」


そこに居る誰もが諦め掛けていた時、一人の魔法使いが怯えながら提案をする


「あ……あ……あのっ!もっ!もしかしたら……あの子なら…………」


それを聞いていた全員が【あの子なら】と次々に連呼していく


「あの子って言うのは」

「カムナ・ブルウェーン、町で……いやこの国で最強いかも知れない魔術師だ」


町の皆の素振りから察するに実力は本物だろう、だけど何故、そんなに強い魔術師がこんな魔王と無縁の最初の町に居るのか


「あいつでも結界の解除位なら手伝ってくれる!」


少年の一言に押されて町の皆は再び活気を取り戻し、準備が再開される


「行くぞ、お前等」


鍛冶屋の店主に案内されてカムナ・ブルウェーンの家に案内される


「魔法ってどんなだろう」


純粋な好奇心が俺の子供心をくすぐる、独り言のつもりだったが、ラトが道中説明してくれた


魔法とは、火、土、風、生(光)、死(闇)、の5つに別れており、魔術師はどれか1つの特性を生まれ持ち、それ以外の属性の魔法は全く使えないとされる


鍛冶屋の店主がそれに補足を加えて説明する


だが稀に複数と特性を持った文字通りの天才が存在する

そしてカムナ・ブルウェーン彼女が世界でも2人しか居ないとされる全ての特性を持った、事実上最強の魔術師


「でもなんでそんな魔術師がこんな辺境に居るんですか?」

「そりゃあ本人と家の周りに居るアンデッドにでも聞きな、もしかしたらぁ教えてくれるかもな」


そして数分後俺は予想以上に異様な風景を見る事になった、沢山の墓の中央に立派な西洋風の一軒家が建っており、周りはどこを見渡しても墓と備えられた花だけで、とても人が住むような場所には見えない


「変わってんだろ……」


店主は同情するような口振りで一言言うとそのまま彼女の家と思われる場所に向かった


「コンコンッ」


カランカランッと鐘の音と同時に彼女が姿を見せる


「なにか御用でしょうか……」


小さくて繊細で今にも消えてしまうような声、とても墓場に住んでいるとは思えない様な容姿をしている、髪はショートカットで所々がはねあがり毛先が白く、目は全てを見ているような透き通った青い瞳、身長はラトより少し大きい位だろうか


一瞬の出来事だったが彼女の瞳の色が一瞬にして蒼から黒色になった


「お前さんに頼みがあるんだが」

「お断りします」


そのまま事情も聞かずにドアを閉められ、俺達はドアの前に立ち残される


「また今度にするか」



「あれは説得するのに時間かかるだろう、明日からはお前等で行きな」


次の日町の皆には事情を話し、彼女の協力を得られるまで準備は中断する事になった、幸いな事に鬼神の寿命は後数年らしく、まだ時間はある


コンコンッ


「お帰りください」


コンコンッ


「お帰りください」


コンコンッ


「もうこの場所に来ないでください」


あれから数日が経ちやっといつもと違う返事が帰ってくる


「理由だけでも!」

「お断りします」


それからも毎日、毎日、雨が降ろうと雷が鳴ろうと毎日彼女の家に行き続けていた


「もう諦めて他の魔術師に助けを求めたらどうだ?」


ラトも同意見の様で首を縦に降っている、それでも俺は諦められなかった


「あの子の変わりはいないと思うんだ」


2人はお互いの顔を合わせ、仕方なさそうに納得した


「仕方ないリーダーの頼みだからのぉ」

「リーダーの頼みなら断れる訳なかろう」


それから1週間が過ぎた、まだ先は遠く彼女は理由も聞いてくれない

今日もまた彼女の家でコンコンッと音が鳴る


「お願いします!」


今日の彼女はいつもと違い、髪はボサボサで、服装もシワだらけになっていた


「理由……だけですよ……」


2週間近く経ち、やっとの思いでほんの少しだけ気持ちが届いたのかもしれない

そのまま彼女の家にお邪魔する事になった、外見通り、内装も西洋風に統一されており、家の周りとは違い、明るく、カワイイぬいぐるみなどや小物が置いてあり、女の子らしい部屋をしていた


「紅茶しかありませんが」

「お気になさらず」


一度落ち着いて紅茶を飲み、彼女を再び見てみると、また蒼から黒に瞳の色が変わる


「魔術師は瞳の色とか変えられるんですか?」

「そんな訳なかろう、瞳の色を変える魔術など聞いたことないぞ」


ラトはそう言うが実際に俺は二度この現象を見ているので、気になって仕方なかった


「カ厶…………ナ……ブル……ウェーン…………です………」

「失礼、聞こえなかったのでもう一度よろしいか」


アカメが聞き返すと、今度は大きく息を吸い家中に響く大きな声で話す


「カムナ・ブルウェーンです!!!!」


俺達3人が耳を塞いでいると、今度は小さめの声で自己紹介を始めた


「カムナ・ブルウェーンです、ごめんなさい、しばらく人と話してなかったから……」


3人は微妙な表情のまま内容に入る


「実は…………」


彼女に鬼神とその事情について話す


「それなら私では無くとも……」

「俺は君が、良いんだよ!」


身を乗り出しハジメの顔がカムナの目の前で止まった


「あ…………あの……」

「落ち着けハジメ殿、カムナ殿が困ってるであろう」


アカメに言われ自分が身を乗り出していた事に気づく


「あの……やっぱり……今日は帰ってください……」


俺達3人は追い出されるように家から出て行き、最後に「また来る」とだけ言った


「やっぱり私にはそんな資格………」





あれから3日が経った、空は黒色に染まり今にも不吉な者がどこかに襲来する様な雰囲気が漂っていた


「一魔来るやもしれん」


アカメに一魔は何かと尋ねると呆れた顔で教えてくれる


「特定の魔物が集まると空が曇り初め、どこかの町や村が襲われる事に決まっているだろう」


勿論俺がそんなこと知るわけ無いので子供が勉強しているような顔で納得した


「それでどこが襲われるんだ?」

「それが分からぬから困っているのであろう」


また呆れた顔をして教えてくれる


「町を良く見てみろ、騒がしいだろ、皆もしもの為に準備しているのだ」


周りを見回してみると、ゲームなどでよく見かけたバリスタや大砲など、ありとあらゆる武器が町を囲み、まるで砦を編んでいる様に見える


「カムナは大丈夫なのか?」

「あそこはアンデッドしかおらぬ故、他のモンスターが近寄ることは少ない」


何をしたら良いのかも分からず只時間だけが過ぎていく、あれから2時間程経ち要約ギルドの姉さんから見張り頼まれた

この町は冒険者が少なく魔物の集団などに弱く、もしもの時は冒険者だけではなく動ける者全員が町を固め陣形を作るらしい、俺達はまだ何も知らない為、現在壁の前で何もない平原を見回していた


「暇じゃ~暇じゃ~♪」


ラトが変な歌を歌い初めて数十分、頭から歌が離れなくなってきた

いつになったら次のクエストに行けるだろう、金欠どうしよう、とか考えて居ると急に空が白く光り、また直ぐにいつもの青空に戻った


「やっと終わったの」

「なんだ今の?!」

「一魔が去るときに起きる現象だ、事は去ったと言う事わけだ」


アカメがいつもの用に淡々と説明してくれた

去ったと言う事はどこかで誰かが魔物に襲われたのだろうか

俺の考えている事を察したアカメは優しく声をかけてくれる


「一魔は人だけではなくモンスターなど食事の為に襲う事もあるから心配するな」


俺はその場で納得し、何もしなかった事を後悔する事となる


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