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HP1の最弱勇者  作者: 黒宮祐助
4/6

鬼の始まり


人間を裏切り魔王の手先になった者達の事をみなそう呼ぶ

特徴は額から角が生えている事


「なぁラト、角本当に大丈夫なのか?」 


翌日もう一度宿で聞いてみると意外な事実がまた1つ


「角なんて無くても生きてられる、それにまた生える」

「生えるの?!」


アカメが鬼の角について説明してくれる


鬼の角は魔力の塊のような物で全体の役8割は角に貯蔵されているらしい

それに加えてラトが補足する


「じゃが妾は特殊で全体の魔力の9.8割が角にある」

「と言う事は………どういう事?」


アカメが間抜けを見るような目で見てくる

仕方ないだろ、まだこっちに来たばかりなんだから、とは言えずに解説を再び求める


それに答えてラトが詳しく説明してくれた


訳すと魔力のほとんどが失われた為戦力が大幅低下冒険者として仲間になっても力を使えるのは一瞬だけと言う事

他にも細々と説明してくれたが覚えていないのでまた今度にしよう

 

「そんな事より祭りじゃ!」

「その前にギルドだな」


ギルド内は今日も、いや昨日以上に賑わっている

昨日はまだ席が埋まる程度だったが今日は席など関係ないかのように、立って飲んだり自由にしている、そのせいかウエイトレイス達の間でも混乱が起きて居るようだ

だがそんな中俺達が居たのは冒険者専用カウンターの中の端っこの方にポツンとカウンターのお姉さんと右から順にアカメ、ラト、俺の順番に座り辛辣な顔でこれから大事な話をしようとしていた


「あの~どうかなされたんですか。私も忙しいのですが」


申し訳程度に聞いてくるがこちらからしたら今後に関わる真剣な問題なんだ


「もし弱った鬼が仲間になったって言ったらどうなります?」


お姉さんはラトを一目見てめんどくさそうな顔をし


「もしその子が鬼で角が折れていたとしたら、見た目は人間なので隠し通せればなんら問題ありません。ですがもし周りに気づかれるような事があれば、その時は死を覚悟してください」


予想通りの回答ありがとうございます


「じゃあ大丈夫なんですね?」


お姉さんは頷いた


「一応冒険者登録しますか?」

「「勿論」」


2人同時に答える


これでひとまず鬼の子問題は解決した。角は生えてきたらまた折ればなんとかなるし今日も祭りを頼むしかないな!


「ではその前にこちらのクエストをご覧ください」


依頼内容

鬼神の調査

報酬

20000J

鬼の角


「「お断りします」」


アカメと同時に答える

そもそも前回の森の調査だって奇跡が重なって達成できた物であって、俺はあの時点で既に死んだ回数が20は超えている。なのにまたこれか?、俺に何回死ねと?!結構痛いんだよ?


お姉さんがそんな事を知るはずも無く、「じゃあこちらのクエストを」と別の物を差し出す


依頼内容

鬼の生態調査

報酬

5000J


まぁこれならラトが居るので簡単に出来そうだと思い受ける事にした


「ラトさん以外の鬼の調査をお願いしまうよ」


それは手続きを済ませた直後の事、ウィンクしながらわざとらしい顔で「ラトさん以外の鬼の調査をお願いしますよ」と言ってくる

どこの世界にもこういう人居るんだなと身にしみた出来事だった


騒がしいギルドの中央に場違い感がありないほど漂っている集団がぽつり


「別にこれラトが鬼の生態教えてくれればそれで終わりじゃね?」

「妾は構わんが良いのか?」

「良かろう構う必要などない、良い機会でもあろう、鬼の事を教えてくれ」


ラトはなにから話そうか迷った末に鬼の原点について話してくれた


「元々鬼は人間だったのじゃ」


隣の席に聞こえていたのであろう全方向の席から鬼の話が聞こえてくる


鬼は人が強さを求めた成れの果て、そして人の欲望が作り出した改造人間だと言うことが分かった


「これ大丈夫なの?」

「そんな訳無かろう!世紀の大発見だぞ!」


ラトは話を続ける


「鬼が人を裏切った訳では無い、人が鬼を裏切ったのじゃ」

「それで魔王の手先になったのか?」


ラトは大きく首を降った


「鬼は魔王の手先になんか一度もなった事はない」


ギルド中から騒がしさが自然と無くなり始めている


「原初の鬼は今人間から鬼神と呼ばれておるらしいの?」

「もしかして原初の鬼が鬼神というのか?!」


アカメが驚愕した表情で聞き返す、それにラトは当然の様に首を縦に降った


「鬼神様は人間に無理矢理人体改造を強いられ、そして裏切れた」


恐らく俺達が中央に居なかったらこんな事にはならなかっただろう、既にギルド中は静まり返り皆がラトの話に釘付けになっていた


「その後次々に鬼が生まれ1つの種族になった、そして鬼神様は鬼のリーダーとなり、村を作り里を作った」


【そして悲劇は起きた】


「人々の手により鬼たちの住んでいた里は燃やされ破壊された」


泣き叫ぶ子供、人間に対抗する鬼たち、燃え盛る里の姿、容易に想像出来しまう、当たり前の事かも知れない、俺はその状況をどこかで見た事ある故に俺は悲しさよりも、助けられなかったあの日の虚しさが蘇る


「鬼たちは対抗した、だがその時の魔道士達は鬼たちの1歩先を行っていたそれだけだった」


「それを見た原初の鬼は怒り、荒れ果てた、そして修練を重ね鬼が行き着く果てに辿りつき、鬼神と呼ばれる様になった」


ギルドに居る人々は皆、鬼が良い者か悪い者か判断を損ねていた


「そして鬼神は人々襲う様になった訳か?」


ラトは再び顔を横に降った


「鬼神様は復讐には徹しなかった」


「鬼神様の器はとても広くそれでも人間には復讐せずに再び里を作った」


そして鬼たちに誓ったのだ


【もう仲間を!家族を!殺させはしない‼】


「その日鬼神様は守りに撤した、そしてそれから人間は幾度となく鬼の里を襲撃しては、全滅した」


「それを繰り返した果てに鬼神様は語ったのだ」


【人と争いに決着を付ける時が来る】


「昔、鬼神様と話した事がある、その時言っていた……必ず来る……そう………願っている」


ラトの目から大粒の涙がポツリと1滴、2滴と落ちていく


「そして……鬼神様は私を里から追い出し……二度と里の門を潜る事を……出来なくなった」


ラトの涙に冒険者や客達もがつられて泣いている

中には泣き崩れる人も居る


「このくらいにしておこう、これ以上はラトが辛い」


アカメの提案に俺は頷き、ラトにメニュー表を差し出す


「好きな物食べていいから、俺が払う」


自慢気に言うと、ラトは泣きながら次々に注文していく

待っている間冒険者達がラトを少しでも楽しませようと賑わせていた

その日この町の冒険者達には鬼に対する敵対意識が消えていた


1日中祭りを楽しみ沢山の人と交流したあと、再びギルドに戻りもう一度鬼の生態について聞くことになった

その話を聞き付け、町中から人がギルドに集まっていた


「それじゃあラト、鬼の特徴、習慣、できれば鬼神の居場所が分かると嬉しいんだが」

「そのくらいお安い御所じゃ‼」


正直言うと追加情報を増やして報酬を上げるのが目的だ、1日で既に所持金が底を尽きている

俺はラトの宿代等も払っているので出費が大きいんだよ


「まず鬼の特徴はなんと言っても角じゃ!」


皆が聞く耳を持ち、メモを取り始めている者も居る


「鬼の角は魔力の貯蔵しておく場所であり、年月が経てば経つ程長くなる、故に産まれたての鬼に角は無い」


「じゃあもしかして角の長さで年齢とかって分かるの?」


ラトは首を縦に振り、俺とアカメはラトの折った角をポーチから出した


「これでどのくらいなんだ?」


純粋に気になったので聞いてみると意外な事実が判明した


「そのくらいで大体80年程じゃな」


「「「えっ……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」」」


人間と比べると人の子と同じサイズをしており皆子供だとばかり思っていた為町中にラトの話を聞いていた者皆の声が響き渡る


「もしかしてロリババアっ?!」


言った瞬間胸倉を掴まれた


「お主今ババアつったろ?ひき肉にすんぞ?」

「はひぃ……すいませんっ!」


恐るべし鬼、どうやらババアは禁句らしい、近くでメモを取っている冒険者から「ババアは禁句」とメモをしているのが聞こえた


「お前も今ババアって言ったな?血祭りにしてやろうか?」


地獄耳の用でまた掴み掛かる


「まぁまぁラト落ち着け、キャラが壊れてるから」

「全く失礼な!鬼の寿命はおよそ500年じゃ、だから妾は若い方じゃ」


疑問に思い鬼神の年齢を聞いてみるとこれもまた人間離れ……嫌鬼離れしていた


「5000年じゃ‼」


そんなに昔から人間と対立し、鬼たちを守っていたと考えると鬼神は良き里のリーダーなのだろう


「とりあえず話を進まなくなる前に次に行こう」


半笑いで次に促す


「では鬼の習慣について話そう」


「これもまた角に関連する話になるのじゃが」


「鬼の角が年々が伸びると同時に魔力の量が増える、じゃが鬼は魔力の量が増加する方が速い故に魔力オーバーする前に角の魔力を全部使い切る習慣がある」


「どんな事をするだ?」


「簡単な事じゃ、とりあえず威力の大きい魔法をぶっぱなす、それだけじゃ」


「と言いますと?」


「もうやる必要は無いが妾の場合はランダムで亜空間を創る事じゃ」


それを聞いた冒険者が思い出した様に話しだした


「そういえば数年前、隣国の王都に亜空間が現れて国が滅んだって噂話を聞いたことがあるぞ」


ラトに視線が集まる


「場所は指定しておらぬ故なんとも言えぬ、それに角なき妾に出来る事など魔王城の結界に割れ目を入れる程度じゃ」


チーターとはこう言う奴の事を言うのだろうか


「他はなんら人間と代わらぬ」


その一言が皆の価値観を揺らがせ、同時に鬼神と言う恐怖を思い出す


「で、でも鬼神はバケモンじゃねぇか!なにが人と同じだよ」


彼の一言に更に激しく価値観が揺れる


「鬼神様は……鬼神……様は……心配せずとも、もう少しでお亡くなりになる」


その一言にギルドは困惑の声が飛び通い始める


「どういう事ラト?」


「鬼神様はもう余命わずかの命なのじゃ」


ラトが話始めると自然とまた静かになる


「皆にお願いがある、どうか鬼神様に最後だけでも人の温もりを伝えられぬか……」


ノリの良さそうな冒険者が最初に言葉を発した


「嬢ちゃんの願いなら仕方ねぇ、やるぞぉぉぉぉ」


それを筆頭に皆が段々やる気になっていく


「アカメ、俺達もやるしかないな!」

「あぁ仲間の頼みを断れる訳なかろう‼」


「作戦会議、始めるぞぉぉぉ」


一人の掛け声が冒険者だけではなく、町中の住人をも巻き込み、祭りの活気が再び町中に訪れる

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