23.支援者➂
PV80000超を致しました。
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「現状把握としてまず確認なんだが……」
手塚くんは室内にあったホワイトボードを引きながら持ってきた。
そして、黒いマジックで模式図を書き始めた。
「こちらの勢力としては俺とあゆむと白木さん。
しかしながらつい最近までは結構な人気があったあゆむは今の段階での人気は地に落ちているだろう……。
そうすると残るのは白木さんと俺の二人が集められる支持者がそのままあゆむの支持者に代替される訳だ」
手塚くんは三原色を巧みに使っていた。
それはとても見やすく現状を把握するには十分だった。
「手塚くんはどのぐらい集められるのかしら?」
白木さんが勢い良く聞いた。
確かにボクも分からない。
白木さんはおそらく菊間でもない程の支持者が集まるかもしれない。
だけれど手塚くんってそもそも支持者とかいるのかなぁ……。
「俺はざっとパソコン全部員150名ってところかな」
意外だった。
手塚くんがそんなに集められるなんて……。
ボクは精々集められて10人くらいかなと踏んでいた。
しかしそれをも凌駕するとは……、手塚くんってたまに凄いって思う時がある。
「手塚くんって部長だったっけ?」
白木さんは不思議そうな顔をして手塚くんに問い掛けた。
手塚くんは持っていたゆっくりとマジックのキャップを被せた。
「俺は部長じゃないよ」
驚愕の回答だった。
部長でもなんでもない、ただの部員の一人が何故にもそんなに、しかも全部員など集められることが可能なのか……。
まさか、ボクが賄賂でも渡さなきゃいけない感じになるのだろうか。
ボクはそんな非合法なやり口で当選したいとは思わないよ……。
ボクは心配そうな面持ちで手塚くんを見つめていた。
「部長じゃないのに全員の部員が集まるの?」
さり気なくもサラリと白木さんがそう尋ねる。
ボクと全く同じ意見。
「まぁ、集まるよ。
部長には皆嫉妬してるから実質、副部長の俺の支持率が100%なんだ。
そのため部長が何か指示する事は皆無視。
しかし、それでは部長が可哀相だろ!?
だから俺が部長と同じ指示を皆にするわけ。
って事は実質部長は自分のいう事を聞いてると錯覚するだろうな」
手塚くんはホワイトボードの脇にあった椅子に座りこんだ。
「そんなに支持率を失墜させてる部長って一体誰なの?」
白木さんがいよいよ核に触れるかという質問をした。
「あぁ、言ってなかったっけ?
それはあゆむの対抗勢力である木野城 晴紀だよ」
『えっ!?』
ボクと白木さんは思わずそろえて驚きの声を上げた。
木野城くんがパソコン部部長??
しかもパソコン部内で支持率が0%って!?
「木野城くんがなんで嫉妬されてるの?」
ボクは手塚くんにそう聞いてみる。
「あゆむ・・・・・・分からないのか??
まぁいい。あゆむも見たことがあるだろう、アイツは女子に手を出しすぎていた。
今こそ”雪穂さん、雪穂さん”と言っているがそれ以前が問題だ。
故に男子の獲得票は見込めないハズだった。
しかし、そこを補正するべくか否か知らんが詩条 雪穂を支援者に抜擢してきた。
カバーされてしまったんだよ。
けれどもな、こちらには白木 爾菜様がいる。
それにアイツ開票日当日になったらパソコン部の男子が傘下に入ってない事ぶったまげるぜ・・・・・・。
そのことが露呈した時点でパソコン部はいよいよ俺の・・・・・・」
手塚くんが不気味に笑い始めた。恐ろしい画策。まさに策士なのかもしれない・・・・・・。
瞼が落ちている。これはもう今まで見たことのない表情だった。
対して白木さんは若干顔が赤く見えた。
「様なんてつけないでよ・・・・・・恥ずかしい・・・・・・」
時を待ってボクは口を開いた。
「ねぇ、気になったんだけど詩条さんと白木さんで男子の票がきっかり真っ二つに割れてるの?」
すると手塚くんは座っていた椅子から立ち上がった。
そしていつもの表層に戻った。
そして再びペンのキャップを外してボードにまたしても何か模式図らしきものを書き始めた。
「こちらがあゆむに齎されるであろう現段階での票数。
んでこっちが木野城側に齎されるであろう票数。
なににしろこちらの勢力がまだまだ足りない。
このままではあゆむは負けてしまう」
手塚くんは双方の勢力図を模式していた。
そしてボクの勢力の周りには青色で囲われていた。
ボクは顔を落とした。
それを見てか手塚くんが
「大丈夫だと何回言わせるんだ、あゆむは??
こちらにはもう一人支援者がつく事になっている」
ボクにもう一人ついてくれる??
ボクは回想し始めた。
しかしボクに味方してくれる人なんてもう心辺りが無かった。
「一体誰なの?」
そう志倉さんが怪訝そうに尋ねると
「まぁ、とりあえずその人が待ってる所まで行こうか・・・・・・」
そう言ってホワイトボードや椅子を元に戻してボク達は部屋を後にした。
そのボクの支持者になってくれる人の存在でボクは救われるのだろうか。
それよりも、その人って一体誰なんだろう??
色々な気持ちを馳せながら歩みを進めていた。
その時授業開始のチャイムが鳴り響いた。
多分3時間目が始まったのだろう。
ボク達は授業をサボってしまった・・・・・・
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