20.理由
お待たせしました。
最近は非常に執筆しにくくて。
やっぱり小説って難しいものだと改めて思いました。
今はスランプ期なんでしょうかね・・・・・・。
私がこんな作者でも、応援して戴けるのなら嬉しい限りです。どうぞ、これからもお付き合い下さい・・・・・・。
「何で・・・・・・」
後ろから志倉さんが何か囁く。
周りの歓喜の声を受けているせいか、よく聞こえなかった。
ボクは振り返って志倉さんの方を向く。
「余計な事しないでって言ったでしょっ!
なんで余計なことするのよっ!!
こっ、こんな奴らなんかあたし一人で倒せたんだからっ。
あアンタの手なんか借りなくても倒せた」
「そうだね。
ボクは志倉さんの頼んでもいない事をした。
それは余計な事。
そう、ただボクがやりたくてやった事なんだ」
「そ、そうよ・・・・・・。
アンタが勝手にやった事・・・・・・、でっ、でもアンタのせいであたしの立場がなくなった・・・・・・。
それは余計な事では済まない。だから・・・・・・」
志倉さんは腰に付けていた竹刀を抜き取って構えた。
辺りの空気はざわめく。
こんな事になるとは思わなかった。
ボクが良かれと思ってやった事が、返って志倉さんを傷つけてしまったらしい。
志倉さんはボクと間合いを取る。
「アンタはあたしが倒すっ」
志倉さんが一呼吸置いてから・・・・・・
「イヤァー!!」
そう叫んでボクに襲い掛かってくる。
「そこまでーいっ!!」
誰かが群集の後方で叫んだ。
声が低く迫力のある声だった。
少なくとも生徒ではないとは分かった。
一体誰が・・・・・・。
群集の一部が開けてゆく。
そこから出で来たのは
「おっ、おとうさんっ!」
ボクは思わず声を上げてしまった。
いつものお父さんの性格からは想像が出来なかった程だった。
お父さんは一瞬ボクの方を見てから、志倉さんの方に目を移した。
「そろそろ終わりにしてくれないか?」
お父さんが優しく志倉さんに声を掛ける。
「ゆっ、雄司おじさんッ!!」
志倉さんが畏まって一礼する。
何でボクのお父さんに頭を下げてるんだろう・・・・・・。
「息子に過失は確かにあった、余計な事をしたという事については私からも謝罪する。
季節君の面目が丸潰れだ、すまなかった」
そう言って、お父さんは志倉さんに頭を下げる。
「息子って、もしかして雄司おじさんの・・・・・・ですか」
志倉さんは慎重にお父さんに聞いた。
志倉さんはお父さんと知り合いなんだろうか・・・・・・。
よく分からないけれども、白木さんともなんか交わりがあるのかなぁ。
ボクの知らないところでお父さんは・・・・・・。
「その通り、私の息子はそこにいる源 あゆむだよ」
「・・・・・・」
志倉さんは俯いて押し黙っていた。
(源 あゆむって次期理事長の息子かよ・・・・・・)
(次期理事長って朱鷺等理事長からこの学校を買収したんでしょう?その息子って・・・・・・)
周りから色々な事が聞こえてきた。
それはボクにとって良くない事ばかり。
しかもボクが一番核心をつきたい問いだった。
「さぁ、諸君は早く下校するか自分の成すべき事をしてくれ!」
お父さんは両手を叩いて皆を促す。
皆はそれに従うように群集が分散されてゆく。
間髪を入れてから
「ゆっ、雄司おじさんの息子さんなら・・・・・・仕方ないですね」
「ありがとう」
普段の性格から鑑みてもこんなにしおらしくなっている志倉さんは始めてだった。
志倉さんはお父さんに向けていた目を今度はボクに向けた。
「勘違いしないでよね!雄司おじさんがここまで言ってくれるから今回は放免・不問にしてあげる。
でももし今後アンタがあたしの邪魔をするのなら容赦はしないんだからっ」
志倉さんはそう言って前方に歩きだした。
ボクが振り返るとお父さんはもういなくなっていた。
「みなもと君っ」
ボクに声を掛けたのは白木さんだった。
白木さんはボクの手を両手で握って笑みを浮かべた。
「ありがとう・・・・・・。
あの子、あんな態度だけどみなもと君には感謝してると思う。
いつも素直じゃないの」
「ぼっ、ボクは感謝される程、大した事はしてないよ。
でも、ボクがした事は返って志倉さんを傷つけて・・・・・・」
すると白木さんは人差指でボクの頬っぺたを突付いた。
「ううん、大したことだよ。
それが例え季節をの心を傷つけていたとしても、身の安全の方が何よりも大事な事。
”いのちあってのものだね”って諺あるでしょっ!
それは多分、季節もその内分かるはず。
傷はそれが分かれば癒えていくと思う。
大丈夫、大丈夫だよっ!」
なんだろう・・・・・・。
白木さんに言われると安心できる。
自分に少し自信が湧いてくる。
「そう・・・・・・かな」
ボクは白木さんに向かって微笑んだ。
ありがとう・・・・・。
心の中でモヤモヤしていた部分が晴れたみたい。
でも何れ志倉さんには・・・・・・。
「あゆむさんっ、御取り込みのところすみません」
雪穂さんがいつの間にかボクの背後に立っていた。
ボクは驚きつつも後ずさり。
いつの間に・・・・・・。
さっきは誰もいなかったのに。
「はいっ?」
「おじ様は校門の方に行かれたようです」
っあ!?忘れてた。
お父さんに聞きたいことがあったんだ。
ボクは急いで校門まで駆けてゆく。
すると校門の真ん前に黒塗りの車が止まっていた。
よく見ると丁度お父さんが乗り込んでいる最中だった。
「お父さ〜んっ!」
ボクは遠くからそう呼びかける。
お父さんはボクの方を見やって、乗り込むのをやめた。
そしてやっと追いついた。
思いっきり走ってきたせいで息が切れていた。
ボクは両膝に手をやって息を整える。
「どうした、そんなに急いできて」
お父さんは心配そうにそう問いかけた。
「あっ、あの、そのっ、はぁ・・・・・・。
えっと、まず、あっ、はぁ、ありがとうっ!」
「礼を言われるような事はしてないぞ。
それよりもあゆむは成すべき事をしたんだから胸を張っていいんだぞ」
「うん・・・・・・。
あのさ・・・・・・、いきなりで突拍子もない事聞くけどさ・・・・・・なんでこの学校に来たの?!」
お父さんの真意が知りたい。
ただその一心だった。
さっきまでは忘れていたんだけれども。
その後しばらく沈黙が続く。
そして・・・・・・
「・・・・・・退屈しのぎだよ」
そう言い残して車に乗り込んだ。
・・・・・・退屈しのぎ・・・・・・?
そんな理由って・・・・・・。
車は跡形もなくボクが反応する前になくなっていた。
ボクはしばらくその場で立ち尽くしていた。
ご閲覧戴きありがとうございました。
今回のストーリーは非常に悩みました。
今回のを見て、ご理解戴ける読者様もいらっしゃるかと思いますが・・・・・・。
でもこの調子でいけばストーリが一段落し、そしてやっとラブコメを執筆できると信じて現在、奮闘しております。まぁ・・・・・・読者様には必要のない現状報告でかもですが・・・・・・。
評価・感想・投票ランキングの方、よければ宜しくお願い致します。
加えて、明日はクリスマス。
皆様にそれぞれ良き事がありますよう、お祈り申し上げます!!
それではまた次のストーリーを読んで戴ければ幸いです。