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嬉し悲し仮面の道化師

 今回の主人公はピエロさんです


 自分の過去作、「道化師」の別視点作品です(やっとこれが書けた・・・)


 ピエロという男をお送りします

 鏡の様な水面を水滴が打ち付けるように、私には「声」が聞こえる。


 それは唐突に私の中に落ちてきては、体中に広がる。


 その「声」の正体は、「心の悲鳴」だ。





「お嬢ちゃん、迷子かい?」


 大型のショッピングモール、ジュエリーショップのショーウィンドウにもたれる少女に声をかける。


「ママとはぐれたのかい?それともパパ?」


 普通に見ればそれは異様な光景だろう。奇妙な仮面を着けた道化師が、一人でいる少女に突然声を掛けたのだから。


 けれど周囲の大人達はそれが見えていないのか、平然とした顔で買い物を続けている。


「ママとはぐれたの。でもわたしないてないの」


 口をきゅっと結んだその子の目は、微かに潤んでいる。


「そうか、偉いねお嬢ちゃん。でも怖かったろ、僕が来たからには安心していいよ」


 歳は五歳くらいだろう、この状況で落ち着いて話が出来ているのは珍しい。ましてや、私の姿を見ても何も不思議ではないような顔さえしている。


 とても脆い子だ。


「さあ、お嬢ちゃんついておいで、僕が君のママを探してあげるよ」


 そう言って手を差し出すと、何も言わずに手を取ってくれた。





 私はここにいていい存在ではない。それでもこうしてここにいる理由は、私には果たさなければならない使命があるからだ。だから「声」が聞こえるのであって、それが私であるからこそ、私は私のやるべき事をしなければならない。






 少女に聞いた母親の特徴を頼りに周囲を捜索すると、ほんの少し歩いたところでその子の母親らしき人物を見つけた。


「あ、ママだ!ピエロさん、ママいたよ!」


「そうか、それは良かった。ならば早くママのところに行っておいで」


 私は優しくその子の手を放した。


「ピエロさんもママにあいなよ。びじんさんだよ?」


「確かに、僕も見てみたいけど、君のママは僕が見えないからね。残念だけど、ここでお別れなんだ。じゃあねお嬢ちゃん。もう、ママとはぐれちゃ駄目だよ」


 そして私はゆっくりと後ろに下がると、人混みに溶け込み姿を眩ませた。


「なんだ、また人助けか?」


 突然、小さな女の子に声を掛けられた。


「なんだ、団長か。見てたかい?」


「なんだって何だよ!!・・・見てたよ。全く、お前はあの日から変わらないんだな」


「これが僕の使命であり、ここにいる理由だからね」


「いつもそればっかりだよな・・・、お前がそうしたいならそれでいいけどさ」


「ありがとう団長」


「何だいきなり!気持ち悪いな!!」


「僕のこと見えてくれてありがとう」


「なんだお前、私が子供だって言ってるのか!!!」


「そんなつもりじゃないよ」


 私がここにいたい理由、それは貴方が見出してくれた。


 個人的には幸せになって欲しいメンバーですね。

 

 こんな感じで団員メンバー紹介していきますね

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