4話~浄化の魔法と魔法の可能性~
2日ほど遅れてしまった。すみません。次もこのくらいかもしれないです。
「ふう、食った食った。あれだけあったビーフシチューがもうあと3杯分くらいか…」
「りゅーちゃん明日もってくからよろしくね?」
「わかってる。それでもあと一杯くらい残るなぁ。あ、そういえばセレンて俺がいないとき何食ってんの?」
「基本私は食事をしなくても大丈夫ですから、食べていませんよ。」
「え、それはだめだよ。ちゃんと食べなきゃー。」
それにえりなが答える。
「そうだな。大丈夫でも食べたほうがいいぞ?」
「…わかりました。龍華さんがそう言うなら。えりな様もお気遣いありがとうございます。」
「うん!ちゃんと食べてね!あと、様付けはやめてほしいなぁ。」
「いえいえ、龍華さんの幼馴染ということですから。」
「じゃありゅーちゃんのことなんで龍華さんってよんでるのー!」
漫画のようにぷくーと怒っているように見える。まぁ様付けはしないほうがいいよな。
「セレン。えりなは様付けじゃなくていいぞ。ついでに幸介も。ね?幸介?」
「え?そこで俺に振るの?え、あぁうん。そうだぞセレンさん。俺らなんて呼び捨てでもいいぞ。」
「みなさんがそうおっしゃるなら、せめてさん付けで呼びますね。」
セレンは俺らを微笑ましいものを見るような、そういう目をしていた。
「そーだ!セレンちゃんお風呂ってどうしてるの?」
「お風呂ですか…。入っていませんね。基本浄化の魔法で済ませていますから。」
ちょっと待て。今聞き捨てならない言葉を聞いたゾ。
「浄化の魔法ってなんだ?」
「浄化の魔法です。体がきれいになる魔法です。」
「いや、それはなんとなくわかる。どうやって使うんだ?」
「簡単です。体をきれいにするイメージで浄化、と唱えるか、詠唱をします。
ちなみに前者は使える人が少なく、イメージが鮮明になると効果が上がり、使用魔力も減りますが難しいです。
後者は呪文さえ唱えれば簡単にできます。しかしある程度きれいになってもとてもきれいになる、というものではありません。ただ、ふつうの人はこれで十分だとは思いますが、私はきれいなほうがいいので。」
「じゃあ詠唱を教えてほしいな。」
「はい。実践します。“ラティム神の名の下に我魔力を用いて我を浄化せよ”」
あれ?聞こえる言葉は聞いたこともないのになんで理解できてるんだ?
そうセレンが唱えた瞬間、セレンがすこし淡い青い光を放った。
「これで浄化されました。もう一つのほうをします。」
そうセレンが言い、集中しているかと思うとさっきより強く淡い光を放った。
「はい。これで大分きれいになりました。ちなみに浄化の魔法は物にも使うことができます。」
え、洗濯要らずかよひゃっほう!
「さらに応用すると部屋がきれいになります。使用魔力は増えますが。」
「まじかよ。便利だな。とりあえず俺もやってみよ。えぇと、(やべぇ、詠唱忘れた。いいや、適当に)“俺の魔力できれいになれ!『浄化』”」
「え、そんな適当で、」
というセレンの声が聞こえたとともに唱えた瞬間に俺の周りが、いや俺もだ。青く光った。それもかなり強い光だ。えりなと幸介は眩しくて目を閉じたようだ。3秒ほどだろうか、光りが消えたあとは部屋が輝くようにきれいになり、体が隅々まできれいになったように、体から穢れが落とされ、体が軽くなるようにすら感じた。いや、実際微かに石鹸の香りがした。あれ?俺、詠唱相当てきとうだったよな??そして、あの魔力がなくなったときの違和感、それがもう少し強くなったような脱力感も感じた。その時ピコンという電子音のような音が聞こえたかと思うと、女性の声で
【スキル:異世界語翻訳のレベルが2上がりました】
【浄化の魔法 lv9がスキルに登録されました】
と聞こえた。まじか?なんで?
「セレン。なんか異世界語翻訳とかいうのがレベル2上がったんだけど、、どうしてこうなったか教えて…」
ちなみにセレンは驚愕していた。
「少し考えさせてください。」
そう言って1分ほどの沈黙が続いた。
「おそらくですが、龍華さんは強いイメージで効果が強化され、それを詠唱でさらに効果を上げたのだと思いますが、そのやり方は効果が上がりますが、消費魔力が多いです。ですが龍華さんは明らかに通常より魔力を消費していて、効果がとても大きいです。それに詠唱、全然違ったかと思います。私は魔力を術式とした、
古代言語を知っているので言っていることはわかるのですが、もともとある詠唱しか発音できません。
逆に適当に発音しても、その古代言語として認識されないので魔法が発動しません。」
「つまり、俺はその古代言語とやらを発音できていると?」
「はい、もともと古代言語とは魔法を使うために古代人が開発したものです。いわば魔法言語です。それをとなえれば魔力が動き、魔法が発動します。異世界語翻訳については、異世界語翻訳は古代言語を発音するにあたって、もともとある詠唱すらもレベルが上がらないと理解できません。それに、発音も元々ある物しか認識されません。ということは龍華さんは異世界語翻訳のレベルが1にもかかわらず、私の詠唱を理解し、自分で魔法言語を理解したということです。これは、再構築の影響でしょうか?そこはラティム様に聞くとしても、あんな適当なので、、、」
そうしてまたセレンは黙ってしまった。要はあれか、古代言語を俺は発音できて魔法を適当に使えるというわけか。便利だな。ただ慣れてないだけだと思うが、あの脱力感はきついな。魔力はステータスを確認しても25しか減ってないとはいえ。多分、スキルを使うよりきついんだろう。
「そういえば、得意魔法とステータスに認識されればスキルとして認定されますよ。」
そういえばさっき登録されてたな。流してた。
「lv9で登録されてたぞ。」
「lv9ですか…。相当高いですね。部屋がもう掃除の必要なくなりましたよ…。」
「なあさっきから何わけわかんないことしゃべってんだ?お前らが変な呪文唱えた瞬間に体がきれいになったんだが、まさか、「魔法!?」ちょっ、えりなうるさい。」
幸介が訪ねる。そいえばこいつらにも影響あったか、…大丈夫かな?
「ああ。そうだ魔法だ。俺のは強すぎて周りに影響行ったみたいだ。害はないとおもうが大丈夫か?」
「いや。むしろ体きれいになってありがたいぜ。もう疲れてたしな。」
「えー私は風呂で暖まりたいー。セレンさんお風呂入らない?色々しゃべろ。」
突然のえりなの誘いにセレンはいやな顔もせず
「いいですね。裸の付き合いというものでしょうか。」
「そーだよー。」
「じゃあ風呂ためてあるから遠慮なくどうぞ~」
「じゃあ入ってくるけど、着替えがないや。りゅーちゃんさっきの魔法って服着たまんまでもできるの?」
「着たまま服ごと浄化するってことか?さっきできたし、できると思うぞ。」
「じゃあ入ってくるねー。」
「わかった。」
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「で、龍華?」
幸介が話しかけてくる。
「なんだ?」
溜息一つしてその言葉に返す。
「覗くのか?」
その表情はいつにもましてにやにy、キラキラしていた。
「俺は今日は疲れたしやめとくわ。幸介は?って聞くまでもないか。」
「もちろん!」
「逝ってこい。じゃあな。俺は寝る。」
そういうと、幸介はそそくさと風呂のほうに向かっていった。
さて、あいつらの布団敷いとくか。それにしてもやっぱ賑やかなのはいいなぁ。
そう思いながら、窓を開けて涼しい風を受けながら夜の月を見上げる。
ご指摘あれば感想でぜひよろしくお願いします。
再構築の話題がちょろっと出ていますが流れ方が。
あと魔法についてですが、設定ががばがばな可能性あります。
基本はラティムが管理してるよりもっと昔からある、別の世界で開発されたもので、
魔力がある世界ではそれをコントロールするためのものとして魔術、魔法が生まれました。
という設定です。だから神に近い、ラティムのしもべのセレンすら詳しいことを知りません。
ラティムの名の下に、という詠唱は少し重要かも
普通の人は意味の分からない言葉をただ発音すると魔法が使えるという認識ですが、その言葉を完全に理解し使う人はラティムのもう一つの世界でも歴史上に1,2人もいません。異世界語翻訳がレベル9くらいになる勇者は例外。なおいない模様。