表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
卯田くんとおにぎり  作者: 王石 勉
第1章:卯田くんとおにぎりと夏休み
5/21

卯田くんとおにぎりとゆめ

ぼんやりとしていると、いつの間にか草原に立っていた。

草原と言うより牧場かもしれん。

遠くで馬が草を食んでいるのが見えるし、その後ろは森がある。


天気は良いが日差しは強くない。涼しい。

「ああ、これは夢だ。」何となく夢を見ている、と判った。

流れる雲を眺めていると。

向こうから、馬に乗った騎馬武者がやってきて。目の前に止まった。嘶く馬。

「おう、新入り、ココに居ったか。もう始まっておるぞ。さあ乗れ。」

差し出された手を何の疑問も無く掴み、馬の後ろに乗る。

馬は進み、丘の上の白い陣幕に向かっている様だ。

陣幕の前で馬は止まり、馬から下りると。中が騒がしい。

幕を潜って陣の中に入る。

車座になった鎧武者達が酒盛りをしていた。

「権現様!新入りを連れて参りました!」

騎馬武者が叫ぶ。

えらく、カクカクした鎧を着た武者が軍配を上げ叫ぶ。

「よう来た!よう来た!顔をみせい!!」「ふむ、おぬし、何れかの武士もののふに違いないが。我が一門の出ではないな?、何れの御家中か?」

御家中学校出ではありませんが。えーっと、母方のお爺さんは雷蔵で、父方の方は海無し県の山中の集落の出です。

「ふむ、雷蔵の娘が良い武者に嫁いだらしい。」「おおそうか!」「それは目出たい」

酔っ払いが多くて騒がしいが。皆、大喜びである。なんで?

「先の戦で多くの武士もののふが散ってしまった。気に病んでいたが杞憂であった。」「ささ、まずは一献」「ほれ、新しい酒をどんどん持って来い。」

えーっと未成年なんですけど。

「なに?未だ元服しておらんのか?」「いや、まて、当代では碌な烏帽子親もおらぬ。」「なんと言うことだ一門の恥ぞ」「さあ飲め祝いの杯ぞ」

まあどうせ夢だと割り切って出された杯を飲み干す。

「おお!良い呑みっぷりじゃ!!」「流石若武者殿。」「コレで、御主も我が一門ぞ」「ほれみろ。我が一門の誉れじゃ。」「当代の武者もなかなかの者ぞ」

空にした杯に皆、酒を注ぎ始める。

「さあ、呑め」「戦の前の祝いじゃ」「剣は抜いたか?」「童子と剣は交えたか?」「当代の鬼は強いのか?」

えーっと、金虎の鬼柾の倅、鬼蔵とやって。手首を取りました。

「ほう!まづは一勝か!」「遅れを取っておらんな。」「さあ、もっと呑め。」

切っても足も手も動くので、気が抜けません。

「むう、たしかに」「良い所に気が付く」「ヤツ等は首を跳ねても噛み付いてくる」「良い具足を揃えろ」「山鳥の尾羽が在れば…。」「長いのを用意できれば不覚は無い」

何故、戦をするんですか?

「約定じゃ。」「戦じゃ。」「里の守りぞ。」「分捕りじゃ。」「敵の姫を分捕ったぞ。」「負ければ姫を盗られ。里を焼かれるぞ。」

「「「必ず勝て!!」」」


障子越しに朝日が差込み。茶室を明るくした。

いつの間にか寝てしまった様だが。

エアコンのタイマーが切れ暑さに目を覚ましたらしい。


朝から暑いじゃないか。今日も暑くなりそうだ。

エアコンのリモコンを操作して、冷気を出す。

未だ日の出の時間だ、今日は何しよう。

釣りに出たいが鬼が出そうだ、いや、日が出ていれば大丈夫か。


書机の上に平積みされた課題がイヤでも目に入る。

ああ。ヤルか。

黙々と課題を片付けるが。携帯ガラケーのアラームが動作する。


朝食の用意をしなければ。

引越しが終わったばかりで冷蔵庫には何も無い。

久しぶりに、朝からレンジでご飯&お茶漬けの元という。戦闘食だ。

「親父、何も無いから非常食だぞ」

朝のシャワーを浴びて。会社指定のクールビズ制服のポロシャツ&スラックス姿の親父が食卓につく。

「買い物に行ってないからなあ」

「冷蔵庫が空っぽなんだよ、帰りにスーパー寄って何か買ってきてよ。」

「おまえ、昼 (メシ)はどうするんだ?」

「カップめんか、素麺(お中元)の残りで済ますよ。」

「コンビニで何か買ってこれば?」

「あの、山道の下り登りを考えれば。断食の方がマシだよ。」

「あー車だと何でもないんだがな。」

「だから、買い物頼むわ、主に生鮮食料品と冷凍食品をな。」

「判った。」

親父が車で出勤するのを見送って。

納屋へ向かう。

さあ、バイクはどうかな?


(´・ω・`)お酒は二十歳になってから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ