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卯田くんとおにぎり  作者: 王石 勉
第1章:卯田くんとおにぎりと夏休み
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卯田くんとおにぎりとセッテイング

無言の昼食が終わりビニールシートを片付け。

道を戻った。

広い広場に出ると。

見たことが有る黒い高そうなセダンが止まっていた。

車から降りて頭を下げる品の良さそうな初老の男性とドライバーのガッチリした男性。

何時ものコンビだ。

ああ、ココまで車で来れるんだな。

”ココで解散しましょう”と申し入れる。

姉妹は了解してもらえた。

別れ際にさくらさんが思い出したように答える。

「あの、お借りした服をお返しします。」

そのまま、スカートの腰を巻き上げズボンを下ろそうとする。

止める間も無かった。

目線をそらし。手のひらを上げて止める。

「申し訳ございませんがソレは洗濯してからの返却でおねがいします。」

「はい?」

ぽかんとするさくらさん。

不機嫌臨界突破したかえでさん。最早キレ気味だ。

妙齢のお嬢さんの汗が染み込んだジャージズボンなんて返されてもこまる。

って言うか。

そのジャージもう着辛いだろ?

何の罰ゲームだよ。

不思議そうな顔をしているさくらさん、無い言っても無駄なような気がした。

そらした視線の先のかえでさんにお願いする。

「かえでさん。何時でも良いのでしっかり洗ってから返してください。ホントもう、何時でも何年先でも良いです。」

「あ、はい、任せてください。」

車に乗り込む姉妹に手を振って見送る。

もちろん家まで送って行く旨誘われたが断った。

広い高級セダンとわいえ後部座席シートで女性と腰を並べるなんて。

正直耐えられない。

林道の森に消えるセダンを見送ると。

一路、自宅を目指した。


昼も過ぎて日も高い。

凄く暑いです。

麦茶も無くなり。

もう汗だく。

我家の門を潜る。

ポストを確認するが。

郵便物は無い。

玄関で荷物を降ろし。

冷たいシャワーを浴びる。

タオルで頭を拭きながら。

汗を吸ったシャツやズボンを洗濯する。

親父の洗濯物も一緒だ。

全自動洗濯機にぶち込み洗剤を入れてスタートボタンをおす。

頭を拭いていたタオルも投入。

よし、コレで洗濯物は無くなった。

洗濯が終わるまでの間に。

麦茶を作る。

ヤカンに水を張り沸騰させるその間に。

冷蔵容器と水筒を洗う。

洗い終わったらポットのお湯を入れてすすぐ。

乾燥させれば完了だ。

ヤカンが沸騰したので火を弱め麦茶パックを入れる。

数分置いて火を止め荒熱を取る。と言うか冷めるまで放置だ。

コレで4L、冷蔵容器二つ分できる。だが暑い盛りだと一日で無くなる。

後は洗濯機が完了したら干して。

何をしよう?

未だ日が高いというか未だガッツリ午後がある。

よし!バイクを弄ろう。

幸い、ガソリンは有る。

洗濯モノを干して。

作業服に着替える。

バイクを納屋から出した。

混合計量タンクの目盛りに燃料OILを入れる。

なんかスゴイ禍々しい緑色だ。

まるでエイリアンの血だな。

ソコに分量のガゾリンを入れる。

良く振るが、なんか混ざりが悪いな。

赤いガソリンと緑のOILが混ざり別の何かになる。

とりあえず2L分作った。

タンクに流し込む。

タンクフューエルコックをONにする、RESってなんだろう?

後でググろう。

キルスイッチOFF。キーON。チョークON。

ボディを良く揺する。

さあ、キックだ!!

バイクに跨り。

ギアがニュートラルになっているコトを確認する。

体重をかけ右足の膝に全体重を掛ける。

さあ行け!!

ボス、ボス。

空気の抜ける音がする。

なんだ?エンジン掛らないのか?

もう一回。

ダメだ。

エンジン掛らない。

間違いは無いはずだ。

ジェットが詰まっているのなら大変だ。

一旦降りてキャブ回りを見る。

うん、分からない。

試しにアクセルを引いてキックする。

ボス、ボス、ボス、ボス、ポス、ポス

おっ、何か音が変わったぞ?

アクセルを戻してキックする。

エンジンが始動した。

未だ不安定だ。

感動だ。牧場の少女が親友の足で立ったのを牧童の幼馴染と見ていような気分だ。

見て!!エンジンが掛った!!

やったね、ユキちゃん。コレでバス停まで歩かなくて済むよ!

しかし、直止まった。

何だろ?燃料が落ちるのが悪いのか?

コレでエンジンは悪くないコトが分かった。

しかし、僕はキャブセッティングと言う泥沼へとのめり込んで行くのであった。


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