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卯田くんとおにぎり  作者: 王石 勉
第1章:卯田くんとおにぎりと夏休み
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卯田くんとおにぎりとワゴン

「では、新学期、学校で。」

百均の自動扉を出てまゆ…にれさんに手を振って別れる。

商品の入ったビニール袋を後部座席に入れ助手席に座る。

車で待っていた親父が微妙にムカつく笑顔で答えた。

「おう、もうナンパか?成功した?」

イラッとしたが声を荒げず。

「あの子どうやら、僕の新しい学校の同級生らしい。」

「え?そうか?」

親父なんか、焦っている様だ、まあ、ムリヤリ転校させた様なモノだからな。後ろめたいのか?

「登校経路のコトとか聞けて参考になったよ。」

「そうか…飯にするか?」

「未だ早いよ。ホームセンター行こうぜ。」

微妙に車内の雰囲気が重くなる。

ああ、そういえば、楡さんと携帯番号を交換して情報交換すればよかった。

いや、しかし、知り合ったばかりの女性にいきなり携帯番号交換を申し込むのは抵抗がある、やはり初めては、つばきさんと…。

モヤモヤ考えていると、ホームセンターの無駄に広い駐車場についた。

「おーし、付いたぞ~ナニ買うんだ?」

車を降りる親父に続いて車を降りてダァーを閉める。

「えーっとねえ、」

ポケットからメモ紙を取り出し読み上げる。

キーレスで車をロックする親父。

「りょーかい。」

気の無い親父の返答、あ、覚える気ねえな。

曇り空だが蒸し暑い駐車場を歩いて。平屋の天井の高いホームセンターの中に入る。

エアコンが効いていて涼しい、やっぱり内陸は暑いわー、海サイコーだわー、山一つ越すだけでこんなに気候違うわー。

店内は明るい。ホームセンターチェーン店のオリジナル(洗脳)ソングが流れる中、カートとカゴを確保する。


メモから必要なモノを選んでカートに入れる。

親父が、山潰したネジを廻す専用ペンチの実演ビデオで止まっている。

買わないぞ?そんなモノ、だいたい親父、ネジ廻さないだろ?工作しないだろ?


田舎のホームセンターって金と気合とヒマがあれば自分で家一軒作れそうな気分になってくるよな。

まあ、大概どれか一つは欠けてるから出来ないけど。

あと、忘れがちだが意外と技術が要るんだ。

ほんと、電動工具や便利工具を見てると忘れちゃうけどね。

オリジナルソング効果かな?


さて、必要な物を確認してレジへと向かう、あ、電池安いな。買っておこうかな?懐中電灯用の予備有ったかな?夏だから台風や停電に備えなきゃ。


レジ前の棚に廃ダンボールにクレヨンで手作りポップ

”夏休み!!工作シリーズ!!”デカデカと棚の一角を占領している。

なぜかポップからはヤケクソ気味な雰囲気を感じる。

並んでる商品箱がヨレ気味なので随分と売れてない商品なのだと解る。

日焼けギミの商品の箱が棚一角を乱雑に占領して店の本気のヤケクソ気味が伝わる。

えらい、安いな、夏休み定番なのに売れてないのか?

ここらの小学生は夏休み工作しないのか?

そうか、マ…楡さんが言ってた、夏は子供が居なくなるってヤツか?

ソレを知らずに店が大量に仕入れて在庫になったのか?

棚に並ぶ木工製恐竜の骨格キットやモータ&電池で走る車キット、等をながめる。

クラスに一人は市販キットでやり過すヤツが居たなあ。

遠い記憶を思い出すと、その中にふと目に留まった商品、

安いな。しかし、使えるのか?

箱を手に取り裏書の取扱を読む。

モヤモヤとしたアイデアが浮かぶが、そんなに都合よく。いや、問題は…。材料は有る、それなら、コレも使えるのでは…。

コレも手にとって感触を確かめる。

うん!使える!!

50人が2列縦隊で1メートル間隔で25メートル全てをカバーするには…。敵が散開した場合に逃げる方向への追撃には…。

必要個数分+αの商品をカートに入れる。


「おいおい、そんな物何に使うんだ?夏休みの工作か?」

いつも、僕の言う言葉を返して、笑う親父に。不敵に笑って答える。


「ああ、夏休みの工作だ。」


(´・ω・`)サーセン、この話、夏休み中に終わらそうと…。

気が付いたら、もう、冬休み。

でも、大丈夫!!夏は又やって来る!!

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