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卯田くんとおにぎり  作者: 王石 勉
第1章:卯田くんとおにぎりと夏休み
12/21

卯田くんとおにぎりと黒電話

(´・ω・`)試験終わったけど…来年頑張る。

『おはようございます、今日は♪』

遠くに聞こえるラジヲ体操の音で目をさます。

今日は朝からどんより雲で雨が降りそうな天気だ。天気予報では昼ぐらいから雨、夜には上がるらしい。

親父は朝ごはんを食べると。自転車で山の下のバス停まで走っていった。

来月から、自宅→自転車→バス→徒歩→学校のトライアスロンが始まるのを彷彿とさせる、出撃風景だ。

まあ、親父が乗っていった自転車は僕のMTBだがな。

たぶん帰りは車に積んでくるだろう。

さて、親父が帰ってくるまでに、今日の買い物リストの見直しをしよう、ここら辺の店の底値はWEBチラシでチェック済みだ。

冷蔵庫の在庫を確認してから顔を上げると黒電話が目に入る。


どうしよう、つばきさんに手伝ってくれって言った限りは、こちらからお誘いするのがスジなのでは?

やばい、同級生の女の子の家に電話するなんて何て敷居ハードルの高い。

前回は確認の電話だったと言う、大義名分が有ったからな、今回はお誘いだ。

こんな事なら携帯番号を交換しておけば良かった。

よし!決めた電話しよう!そして”今日は天気が悪そうなので明日のご都合はどうですか?”とさり気無くお願いしよう。

黒電話のダイヤルを廻す。呼び出し信号を聞きながら待つ、なんか、ドキドキするな。

『もしもし』

おっ先日の女中さんの様だ。よかった。

「おはようございます。卯田将弘と申します。つばきさんはご在宅でしょうか?」

『はい、少々おまちくださ…。』『あら、まさひろさん、おはようございます。さっそく逢引のお誘い?』

びっくりした心臓に悪いだろ。大御婆様が受話器をヒッタクッたようだ。合挽きってなんで?

「いえ、そうではないのですが。ご都合伺いにお電話しました。」

『あら、そんなに気を廻さなくていいのよ。そちらに合わせますから。』

「まあ、ご予定も在るでしょうから、事前にご相談をと。」

『そうですか、あ、つばきが来ましたのでお電話代わりますね。』

『もしもし、』

つばきさんの声だしかも機嫌悪そう。

「お電話して申し訳ございません。山の道案内の件なのですが本日は天候が悪そうなので、明日のご都合如何でしょうか?」

『いいですよ。』

「すずしいうちに活動したいので、明日の午前8時ぐらいで昼前までには終わらせたいと思うのですが。どうでしょう?」

『それでいいです。』

なんだろ、どんどん機嫌が悪くなっている様子だ。ドコに地雷が…。

「では明日、午前8時にお伺いしますので。動きやすい格好で、帽子と、飲み物等の熱中症対策をお忘れなく。」

『いえ、コチラから窺います』

「え?」

『コチラから窺います!!』

最早、氷の様な声だ。

「あ、では明日、お待ちしています。」

受話器を置くと、どっと疲れた。

まるで戦った後のようだ。今、この戦いが終わったが、また明日、第二、第三の戦いが待っている。

よし!明日、つばきさんと携帯電話番号を交換しよう!!

黒電話の前で決意を新たに拳をにぎりしめていると。


「なにしてんの?おまえ?」

玄関に親父が立っている。今、帰って来たようだ。車が来たのに気が付かなかった。

「え?、いや、買い物リストをな。」

「電話機のまえで?」

「あー、いや、母屋で電話が鳴ると茶室から走っても間に合わなくてね、電話線、延長できないかな?と。」

「そうなのか?うーん、電話機変えるか?子機付きのヤツに。」

「ここ、電源コンセントないよ?今の電話機の子機あんまり電波飛ばないらしいよ?」

「そうか?黒電話そのままで、電話線分配して、子機付きのヤツ買って。親機を居間に置くか?」

なるほど、居間なら、茶室が見える距離だ。

「そうだね、留守電付きの子機付きで安いのが在ればね。今の所、優先度低い話だけど。」

ふう、なんとかゴマかせた。

「よーし、じゃあ出かけるか。」

「準備万端だぜ!!始めに百均行こう。」

親父の車で、出発だ。


(´・ω・`)電話機は基本的には一回線一台が原則ですが、二台ぐらいなら並列でも問題はあまり出ません。 (回線状況ではキャッチホン&ナンバーディスプレイ機能に影響が出る場合があります。)

なお、建売住宅の場合にはダミー負荷コンデンサが付いている場合があり。 (擬似電話機の替わりになる負荷)

後々、トラブルの元になります。

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