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卯田くんとおにぎり  作者: 王石 勉
第1章:卯田くんとおにぎりと夏休み
11/21

卯田くんとおにぎりとしっぽ

(´・ω・`)一部地域では冬眠の熊が起きて、寝ぼけて穴を出るところを槍で突く狩猟方法があります。

今日も日の出と共に起きる。なんて健全な生活だ。

ラジヲ体操でもするのが、青少年だが、残念!ラジヲ体操に参加するほど自治体に貢献していない。

さて、起きたついでに、顔も洗わず、課題に手を付ける。正直イヤになってきた。


朝食の時間なので、親父が起きる前に、おにぎり(ノリ○マ)弁当を作り荒熱を取って置く。

保冷バックと保冷材の代わりの冷凍したゼリー(市販)も用意しておく

久しぶりに米を炊いたので朝食は和食だ、まあ、味噌汁はインスタントだが。

炊きたてご飯に目玉焼き、焼きウィンナー、納豆、サラダ(中華ドレッシング)という無国籍料理っぽい。

親父がシャワーから出てきて食卓に着く。

「おおっ今日は豪華だな。」

「おう、弁当も復活だぜ!オニギリだけだからオカズは現地調達してくれ。」

「ははは、そうそう、言い忘れたが今日は職場で歓迎会が有って帰るの遅くなるから。夕食は外で食べてくる。」

「OK。飯喰っておく。」

「そういえば今年は夏休みにお爺さんの家に行けないな。」

あ~、海無し県のお爺さんね。

「まあ、仕方ないよ引越しで忙しいから。正月に行こうぜ。」

「そうだな、落ち着いたら、電話するか。」


玄関で保冷バックに入ったおにぎりを渡すと、いってらっしゃいと見送る。

親父の車が出ると。朝食の片付けをして、食器を洗う。


朝八時だが、作業服(長袖&長ズボン)にトレッキングシューズ、背嚢には地図と麦茶の入った水筒、非常食、タオル。

全身に虫除けをスプレーをして、ゴム引き軍手を忘れずに。山に登る。


航空写真と等高線の入った地図を見比べながら。山道を歩き、谷や平地を確認しながら歩く。

ものすごく暑い。汗ダクダクだ、汗を拭くタオルが重い。11時に近くなったので。散策を諦めて。家に戻る。

おう、きょ、今日はここら辺にしといたるわ!

急いで作業服を脱ぎ、冷たいシャワーを浴びて、結局、制服に着替える。

汗は引いたが、山を越えて行くことを考えると、汗だくでは恥ずかしい。こっそり冷却材を張っておく。

迎えを断らなければ良かった、と後悔したが、ソコは男でしょ。意地は張りたい。

玄関の姿見で身なりを整え、上着を手に山道を進む。木陰と潮風のため意外に気持ちが良い。保冷材が効いている。


12時チョット前に御屋敷の門に着いたので、汗を拭き、身なりを確認して、上着を羽織り、姿勢を正す。

門を潜り、玄関に到着、名乗りを上げると直に、女中さんが出てきた。


中に通されて、先日の和室に付くと。もう既に、大御婆様と三姉妹が座っていた。

ちょっと遅かったかな。座布団にすわり、挨拶をする。

「お待たせして申し訳ございません。本日は御相伴にあずかりありがとうございます。」

深々と頭を下げると、古い時計が正午を告げる鐘が鳴る。

「まあ、お時間ぴったり、流石だわ。」

それは、イイのか?悪いのか?と思ったが顔に出さず。すかした顔で正面を向く。

何となくデジャブ、前と違うのは。

つばきさんが制服(茶色のブレザー&灰色チェックのスカート)で、さくらさんの包帯が取れていたコトだった。(刀は持っていた)

女中さんが麦茶を持ってきて下がると。

大御婆様がお茶に一口、くちを付け喋り始めた。

「さて、本日、将弘まさひろさまを御呼びしたのは。少々手伝ってほしいコトがあり、ご相談に御呼びしました。」

「ほう、どのような?」

鬼以外に心当たりは無いな。

「当家は古来より、この地方を治めていた武将の末裔であり、代々我家の当主がお役目を行ってきました。」

「それは、名路鵜山なろうさんの洞窟の奥に住まう悪鬼が度々里を襲い民を苦しめる為。朝廷より使わされた、我らが権現様がこの地に櫓を建てたコトに始まります。」

「へー」

3へー出ました。

「幾つかの戦により権現様は鬼の頭目、名路鵜山なろうさんの鬼熊童子と約定を結び、100年毎の満月、洞窟がつながる時、合戦を行う。と言うものでした。」

「…。」

イヤな予感的中。

「しかし、先の大戦にて男衆が大陸や南方で散り、今や当家に男衆は無く、当代に到っては刀を抜く者はさくら一人。」

さくらさんは唇を噛締めて聴いている。つばきさんは何か怒ったような困ったような顔だ、かえでさんは始めて聞いた様子で今にもヘー釦を連打しそうな顔だ。

「そして、次の満月の夜は100年目に当たります。先のさくらを襲った鬼も、その陣触れの様な者でございます。」

麦茶を飲んで、チョット考える、

「鬼を一人二人斬るのは問題ございませんが。合戦なら、僕一人では何とも…。」

「もちろん、さくらも参加しますし、必要な物ならば何でも用意いたします。」

う~ん、湯のみを持ち、映った僕の顔を見る。

「前回の合戦では何人程の男衆で当ったんですか?」

「二十数名と聞きます。」

「その時の鬼の数は?」

「50は居なかったと聞いております。半数以上の鬼に手傷を負わせ撃退したと。」

「う~ん、」

麦茶に写る僕の顔をみる。眉毛の間に皺が寄っている。一人で数十人かよ、ラン○゛ー連れて来いよ。

「あ、あの、私は高校で弓道部に所属しており、弓ならお役に立てるはずです。」

さくらさんが発言する。いや、ソレだと、僕が前衛じゃないか、数十人の鬼に囲まれてタコ殴りだよ。

それに、君の矢はハンド君本体に軽くいなされてたじゃないか。

「つばきさんにも手伝ってほしいのですが。」

皆がビックリする。

「私は、刀も弓も使えませんよ。」

「次の満月まで未だ10日以上あります。敵の数が多いなら地の利を使うしかありません。つばきさんには、当日までの道案内をお願いしたいのです。」

大御婆様がうなずく。ソレを見てつばきさんが答える。

「わかりました、卯田さん、ご案内します。」

「では、助太刀の件、受けて頂けるのですね。」

「大御婆様、僕はもうココに住んでいるのです。身にかかる危険を防ぐのは仕方ありません。一人でどうこう出来るとは思いませんが。家を守る為にも逃げ出すわけにも行きません。」

深々とお辞儀する、大御婆様と姉妹。「おー、」と声をだしてぺちぺち拍手する、かえでさん。


「そうですか、ありがとうございます。では、遅くなりましたがお食事を」

大御婆様が手を叩いて。合図すると。女中さんがお膳を運んでくる。

良かった今日は普通だ、白徳利も無い。運ばれてきたお膳は一つで一汁五采と豪華だ。

コレでまた出陣三点セット出てきたらどうしようかと思った。


女中さんが下がると大御婆様の「いただきます。」の号令で昼食がはじまる。

まずは味噌汁から。ああ、やっぱり白味噌だ。

うん、いい塩梅の白味噌だ。具は高野豆腐とワカメ、なんだろ、小松菜だろうか?茗荷も入っているような?

自分が作った味噌汁ってあんまり美味しくないんだよね。一味足りないと言うか。何が足りないんだろ?ちゃんと計量して作っているから濃度は正しいはずなんだが。

「あの、何か料理に問題が?」

考え込む僕に心配そうに声を掛ける大御婆様。いかん、考え込んでしまった。誤魔化そう。

「いえ、料理の問題ではなく、先日の鬼の腕の件です。」

「アレは、当家で厳重に保管しております。」

「敵に先触れが出せるなら、取り返しに来るのでは?と考えていました。」

「まあ。」

ちょっと驚く大御婆様。

「鬼の腕が在るコトを知る者は少ないので、腕が見たいと言い出した者は。まあ、鬼か鬼の手の者でしょう。」

何か駄洒落っぽくなったな。手だけに。

「そうですね、保管場所には立ち入らない様に家の者に言いつけて置きます。」

うーん大丈夫だろうか?ココに在りますって言っている様な物だが。後で釘を刺しておこう。


茶碗を持ってご飯にかかる、うん美味い、お米が光っている。

僕、めんどくさいからお米砥いでも水切りしないんだよ、だから、ご飯がべっちゃりするんだ。

メインは刺身だ、白身の魚が多いような気がする。刺身だと何の魚か判断付かない。

まあ、海なし県生まれだと新鮮な刺身なんてそうめったにお目にかかれない。うん、美味い。歯ざわりが違う。

酢の物はタコときゅうり。

チョット甘めだが、タコが固くないのは良いな。噛み切れないタコだと食べて困るな。

煮物はゴボウと枝豆とひじきと人参、鶏肉のそぼろも入っている。

おお、肉だ、枝豆の緑と人参の色が映える。煮物ってどうしても一旦作ると大量に出来て、色合いが茶色になって、何となく箸が進まなくなるんだよな。

ゴマ豆腐のあんかけ。

うん、ねったりとした舌触り。市販品では無さそうだ、作ったとするなら、エライ面倒だろう。

最後は漬物、茄子と胡瓜の朝漬けだ。

うん、良い色、良い漬け具合だ、やっぱり夏は茄子と胡瓜がサイコーに食卓を占領するよな。下手に植えると沢山できるから。


後半は皆の食事の進み具合を見ながらゆっくり食べる。

さくらさんは姿勢を正し優雅に食べている。

前回中座したつばきさんは順調に食べ進んでいるが、不機嫌では無いが困っているようだ。

かえでさんはマイペースで頬を膨らませて食べている。なんだろ?げっ歯類を連想する。


食事が終わり。お膳が片付けられると。甘い物(水饅頭)と茶が出てきた。

大御婆様が声を掛けてきた。

「あの、何かご不明な点でも?」

お茶に映る僕の顔を見ると、随分と困った顔をしていたようだ。

「思いの外、敵の数が多いのでどう向かい討とうかと…。最悪、山の半分を焼いて撃退しようか?等と考えていました。」

「や、山を焼くんですか!?」

里を焼かれるよりマシなんだが。

「いや、あくまで最悪です、優先順位は人、家、モノの順番です。」

「あまり、大げさになりますと、もみ消すのが大変になります。」

「ですよね~。」

もみ消せるのか。

よし、火炎放射器と青酸ガス発生装置は消えた。硫化硫黄ガスもだめだな。うん、考え直そう。

「まあ、子供だましが通用する相手では無いと思いますので。多少無理な仕掛けや罠も必要かと…。」

「あの、必要な物ならできうる限りそろえます。が、無茶はおやめ下さい。」

そう言う大御婆様、三姉妹はドン引きしていた。

ふと、目を落とすと、お茶に映る僕の顔は凄い悪い笑顔だった。


大御婆様にはメモ用紙で『家の者に立入禁止を言えばココに在ると言う様な物です。別の場所を指定して囮に使うのも策です。』という物をコッソリ渡した。

びっくりしていたが、笑顔で帰りを送ってくれたので。用心してくれると思う。

その後、つばきさんの案内を断って、家に帰った。


家に帰ると流石、真夏の昼下がり。汗だくだ。もう一回シャワー浴びよう。

シャワーから出て午前中の衣服を洗濯機に掛けていると、黒電話が鳴る。

「もしもし、卯田です。」

『おるかー?おるなー。これから行くで~♪銭は○千円やで~。』

「あ、よろしくおねが…。」

一方的に電話が切れた。相変わらずだな。これは全国共通サービスなのか?

え?、思いの他、早く商品が届くのか、速すぎるな。まあ、速いのは良いことなんだが、いつも何か釈然としない。


玄関で待つと。数分で配送トラックが来た、ドヤ顔で「ココやで~(トントン)」するおっちゃんに代金を払って受領サインする。

用意していた、冷えた栄養ドリンクを「ごくろうさまでした」と渡すと。

汗を拭くおっちゃんは笑顔で受取り。お礼を言って、トラックで帰っていった。


届いたダンボールを開封して商品を確かめる。

よし、午後はコレをやろう。

洗濯物を干すと、又、新たなる作業着に着替えて、納屋からバイクを出し、台に乗せる。

整備マニュアルを読みながら。タンクのガソリンを抜いて、OILを交換する。

うん、タンクの中は錆びてない。抜いたオイルの色もそれ程、悪くないと思う。(新品OILを見ていないので何とも言えない)

キルスイッチONでキックを数回して圧縮が有るのを確認する。

点火プラグを抜いて煤の付き具合を見る、(これは掃除してあった)試しにクリップを付けてキックしたらスパークが出た。(シャーシアースを忘れずに)

キャブレターのドレインを開けたら燃料が出てこなかった。燃料コックは閉まっていたので既に揮発したのか、抜いて在ったのか分からない。

揮発したのなら、カーボンが溜まって中で固着しているかもしれないが。燃料入れてみないと判らない。一応、キャブガスケットは買ってある。

念のため、キャブクリーナ・スプレーを掛けて汚れを洗い流す。

駆動チェーンを外して。抜いたガソリンでチェーンのグリスを洗浄する。長期保存するのが目的だったのか、グリスがべったりだ。

オイルシールチェーンか不明なので、さっと表面のグリスだけ洗い落としてウェスで拭く。

これで、このガソリンは燃やす以外に使い道が無くなった。空きOIL缶に入れて保管、”廃ガソリン”の札を忘れずに付けておく。

どっかに有リン洗剤売ってないかな。鬼さんに喰らわせてやるんだが。

スプロケットギヤをウェスで掃除して、キレイにしたチェーンを付け、手でタイヤを回してチェーンの張りを見る。

整備手帳サービスマニュアルで見るとチェーンの張りがダラダラなんだが、こんなのでいいのか?

最後にモリブデングリススプレーを掛けて軽く手でタイヤを回してグリスをなじませる。

アクセルワイヤーとクラッチワイヤーにグリスをスプレーすると。(工具は有った)

どうしよう、フロントタイヤシャフトも抜いて掃除するべきだろうか、(時間が有るから結局やった)

うん、これも掃除してあった。それより速度計検出ピンの位置あわせにチョット、コツが要るようだ。整備手帳を見ながら。格闘する。

最後に手でフロントタイヤを回して、速度計が動くのを確認して。

ブレーキクリーナーで前後ディスクブレーキを脱脂して終わり。(ブレーキOILの交換は道具と自信が無いから見送った)

これで、ガソリン入れればエンジンが掛るハズ!

しかし、新品のガソリンは手元に無い!!


日が落ちてきたので、何となく中途半端な達成感のまま、バイクを納屋に終う。

これで、エンジンでも動作すれば感動モノなんだが。


汗を掻いたのでので又、シャワー。なんか、シャワー浴びてばかりだな。

頭を拭きながら。扇風機で身体を冷却する。

又、作業着を洗濯機に掛ける。

今日は夕飯は、冷ご飯が在るから、お茶づけだ。茶漬けの元も漬物もある。

さらさらと掻きこむ、市販の漬物って、妙な色だよな。酸味も癖もないし。

食事が終わると明日の朝食の計画を立てる。

明日は炊きたてご飯に卵焼き、焼きウィンナー、納豆、サラダ(フレンチドレッシング)だな。

インスタント味噌汁が無いから、インスタント中華わかめスープで代用だ。これで無国籍コンプリートだ!!

冷蔵庫の残りの冷や飯をラップに包んで冷凍庫に収納する。

うん、冷や飯よ…。次ぎ合う時はチャーハンかオジヤだ。また逢う時までしばしの休息を…。(忘れて無残な事例が多かったのでこの儀式を始めた。)

食器の洗い物を済ませると。

やることが無くなった。七時を過ぎたぐらいだ。親父は未だ帰ってきていない。

どうしよう。迎撃計画を立てるか?しかし未だ何も解っていない。現地の地形が解らなければ。貴重な戦費を無駄な資源で消耗してしまう。

ぼんやり居間でTVを見ながら考えていると、ふと思いつく。

黒電話へ行き電話を掛ける。まだ、起きているはずだ。

呼び出し音が切れる。

『もしもし、卯田です。』

声が若い、にいちゃんだ。

「もしもし、まさひろです。こんばんわ。」

『おー、まさちゃんか。こんばんわ。』

「えーと、おじさんみえます?」

『アーッと、オッちゃんなあ、今日、寄合いで出かけたわ。』

「そうですか。」

『なんか、あったの?』

「いえ、引越し終わったご挨拶と。チョット欲しい物が在りまして、もし在れば分けていただきたいと。」

『なに?小遣いの無心か~♪夏やでイロイロ物入りか~♪青春か~♪』

相変わらず電話ではテンション高いな、寡黙な人なのに。

「おじさん猟師だから在ればチョット分けて貰おうと思いまして。」

『オニイチャンも猟師やで~♪何でも相談したって~♪』

「えーっと山鳥の尾羽が在れば欲しいのですが…。」

『や、ま、どり…。』

イキナリ、テンションが下がった。まあ、変な注文だからな。

「長ければ長いほど良いのですが…。」

『鬼退治でもするのか?』

えらく低い声になった。それより図星だったので答えに詰まる。

「…。」

『ヨシ!!解った!ニイチャンが一番Eヤツを用意してやる。ソレまで早まるな!!』

「えーっと。ありがとうございます。まだ時間は有りますので一週間位迄にはコチラに届くと良いです。」

『そうか、次の満月か!!』

「いや、未だ未定ですが…。」

『無理はするなよ、イザとなればオッちゃんもニイチャンも駆けつけるでな。何なら、近所のモンも連れてくわ。』

「いえ、そんな大事ではございませんので。」

やばい、あのおっさん等は熊の殺戮数を槍で競ってる人ばかりだ。

いくら鬼と言えど12番ゲージのサボ・スラッグ弾や7.62mmウィンチェスターMag弾の前では人と同じだろう。

目蓋の裏に有刺鉄線の障害物に阻まれる鬼に向かって笑いながら一斉射撃するオッチャン等の姿がチラチラする。

あの人等は銃刀法とか気にしないレベルの人しかいないからな。

『解った、コチラで何かイイ物有ったら送るで。』

「あー、コチラには弓の使える人が居ます。」

『おう、解った。良い物を用意して送る。』

「すいません。よろしくお願いします。」

受話器を置いて、チョット考える。

そんなに鬼ってソコラ辺に居るものなのか?

考えていると、玄関の戸が開く音がする。

誰か来たのかと思い廊下に顔を出すと。親父が玄関に立っていた。

「おかえり。」

「ただいま。クソ!タクシーめ!!」

「どうしたの?」

「歓迎会で酒飲んで皆と別れたんだが、来たタクシーが。」

「タクシー?」

「そうだよ、会社の駐車場に車置いて送迎バスで呑みに行ったんだが。帰りのタクシーの運転手が山の入り口でイキナリ”ココからは入れませんので勘弁してください”だと!!」

「え?下から歩いてきたの?」

「そうだよ!いきなり”この山は日が落ちたら入れない山だから”っておろされた。」

「えー、で?下から歩いて来た?」

「このクソ暑いのに、酒呑んで山登りって何の罰ゲームだよ。」

「ほい、親父、麦茶。」

「おう、すまんな、ココは変な所だ。名路鵜山に住んでる。って言ったダケで皆、ドン引きだ。」

あー鬼以外に心辺りは無いな。でも、親父の実家も大概だぞ?

「へー、やっぱり変な所なんだ。」

「なんか、あったのか?」

どうしよう?なんて説明しよう?

「日が落ちたら鬼がでるってさ~。」

「鬼なんて当の昔に絶滅しただろ。」

「え?」

知らんぞそんな話。

「伝説では、戦国時代終わりに、叔父さんの実家やらなんやらとお殿様が寄ってタカって皆殺しにしたはずだ。」

「へー」

4へー出ました。

「お父さんの生まれた土地の郷土史でな、徳川幕府ができるずっと前から鬼を自称する豪族が居て、朝廷からの討伐命令で最後の。えーっとナントカ洞窟に立て籠もったのを一族郎党共皆殺しにしたはずだ。」

「へー」

5ヘーでました。やっぱりソコラ辺に鬼居るんだ。

「だから、鬼なんて居ないのに。」

「ここら辺には未だ居るのかもよ。」

「そんな物残ってないよ、残ってたら江戸時代に標本になってるよ。」

ざんねん最近ハンド君標本が製造されました。どうしよう。親父に言うべきか?

親父が麦茶を飲み干すと席を立った。

「ふう、汗掻いた、シャワー入ってくる。」

「お、おう。僕はもう寝るぜ。明日、休みだろ?午前中に買い物に行こうぜ。」

親父が、着替えを持って手を振っていた、了解ということだろう。親父が風呂の扉を開ける前に叫んだ。

「あ、明日の朝に車を取りに会社に行くから。その後な。」

「了解。」

風呂に入ったのを見届けて、茶室に戻る。

やれやれ、やっぱり鬼は居るんじゃん。

そういえば今日は結構運動した。なんかイロイロあったが。考えがまとまらない、万年床に身を任せそのまま明日に持ち越した。

(´・ω・`)弾知識。

12ゲージと言うのは1ポンド/12の重さの鉛の真球の直径を表す。

つまりゲージ数が大きくなれば分母が大きくなり銃口径が小さくなる。 (ただし410番は別、日本のみ流通)

ファイヤ・フライ戦車の17ポンド砲と言うのも17ポンド(当時のポンド重量)の重さの鉛金属の真球の直径が砲の直径と言ふ、

変態紳士の国イギリスならではのメートル&グラムを採用している国への嫌がらせ仕様である。

なお、米国製銃では、弾頭の重さはグレーン(麦一粒の重さの単位)表示で、圧力が平方インチ毎ポンドとか訳のわからん単位が飛び出すので。

銃の生産国の単位を理解していないと訳ワカメである。(なお、スコープは大体がヤード表示のミル単位)

MAGマグナム弾とは薬莢ケースの長さが長い物を指し、火薬量が増やせますよ?と言うもので強装弾ホットロードとはびみょうに違います。

火薬の発生ガスと銃身長の関係で最適な火薬量が銃によって違います。(火薬の燃焼速度も関係します)

銃を買うとその銃の適切な火薬と量が取扱説明書に書いてあります。

なので、最適な火薬量を超える装薬が強装弾ホットロードです。

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