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卯田くんとおにぎり  作者: 王石 勉
第1章:卯田くんとおにぎりと夏休み
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卯田くんとおにぎりと通販

(´・ω・`)やだ!夏が終わっちゃう。

今日も日の出と共に起きだして、やること無いので、朝から課題を片付けている。

苦行だ。

やること無いので夜は早く寝てしまうので、もちろん早く起きてしまう。

健康的すぎる。

少しは夜更かししないと若者的健全な不健康が保てない。

しかし、何で夜更かしするか…。課題やるくらいしか思いつかないな。

まあ、これから日の出時間がどんどん遅くなるので夜もやらなきゃ、片付かないけどね。

携帯アラームが鳴ったので、ストレッチをして肩をほぐす。

親父がシャワーを浴びている間に、朝飯を用意する。

トーストに目玉焼き&ウインナーにレタスと牛乳という洋風だ、しかし、盛り付けが男盛りなので何となく貧相だ。

「おはようさん」

髪を拭きながら食卓に親父が座る

「おはよう親父、実はな、ドレッシングが無くてな。」

「あれ?買って…ないな。」

「おう、マヨネーズも無い。作ってから気が付いた。塩でレタスを食え」

「おいおい、うさぎじゃないんだから。」

「なら、パンに乗せてオープンサンドで食べるか。」

「それなら何とか食べれるな。」

逃げる目玉焼き&レタスと格闘しながら食べきる。みっともないコトこの上ない。

「食べづらい。」

「うん。親父。実は、塩、砂糖、胡椒&七味は有るが、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、しょうゆ、酢とみりん、味噌も無い。」

「なんもないな。」

「引越しする前に賞味期限が切れてたから全部捨てただろ?」

「そうだったな、帰りに買ってくる。」

「米も買ってなかった、だから今日は弁当も無い。何故かノリ○マだけはある。」

「そうか、悪かった。」

玄関を出る親父を見送ると朝食の後を片付け。茶室に戻る。

目の前にはマウンテンと言う名の課題が…。

いや、実際は課題が山盛りマウンテンなんだ。鬼とかな。何で僕は戦う気満々なんだ?ケンカとか嫌いなのに。だって、痛そうじゃないか。

とりあえず、目の前の書机の課題に逃げる。


遠くの漁港から12時のサイレンが聞こえてきた、いい加減、肩が痛くなって来たので、今日は課題を終わりにする。


書机からそのまま後ろに倒れて、仰向けになる、天井に染みは無い。不釣合いなLED照明器具があるだけだ。

昼飯何にしようかな?、素麺の残りが有るはずだ。げっ、めんつゆの元、無いじゃないか。鰹節は有ったが醤油が無い。

冷凍チャーハンで済ますか。あと、インスタント味噌汁。


やかんをガステーブルに掛け、麦茶を作りながら昼飯を済ます。

今日も暑いなあ、一雨来ないかな?

家に引き篭もって居ても仕方ないが、鬼が出るのでは家から出たくない。

まあ、大御婆様の口ぶりでは出る日が決まっているのと、日が出ている間は出てこない様だが。

昼食を食べ終わり食器を洗い。作った麦茶を容器に入れて荒熱を取る。

冷めたら冷蔵庫に入れよう。どうしよう?母屋は節電の為、昼間はエアコンを入れない。


急いで茶室に退避する。

パソコンを起動して。

昨日リストアップした、バイクの消耗部品をぐぐる。

げっ、結構高いな。タイヤは少しヒビが入ってるだけだから、交換は後にしよう。

ウェアも高い、ヘルメットは有ったが賞味期限切れだから新品買わなきゃ。なんか家にあるのは切れっぱなしだな。

まあ、とりあえずエンジン掛らないと無駄になるから。

OILとプラグを優先で。燃料OILも買わなければ。

プロテクターとブーツは有るのを洗って使おう、ゴムの部分がダメになってるけど、魔法のダクトテープで何とかしよう。

ヘルメットは安いフルフェイスを買ってやり過そう。

当初の購入予定品から随分数が減る。

なんとか、手持ちのお金で収まりそうだ。クリックしてカートを決済する。

うん、着払いで配達は明後日か。バイク整備は明後日以降だな。


チョット考える。

”鬼殺し”で検索する、将棋、お酒、とうがらし?なんで?ああ、そういう商品があるんだ。

うーん、鬼と戦うとしてもコチラは一人、複数で来られるとボコられて終わりだなあ。

どうやって鬼をひるませるか?

海水が目に入って痛がっていたから、皮膚や粘膜の強さは人間並みかチョット強いぐらいではないのか?

熊撃退スプレーとか効くんじゃないかな?結構高いな、軍用スプレーは日本では購入できないのか。

おおっ、対刃手袋とかスリーブとかあるじゃん。

オラ、なんか、ワクワクしてきたぞ~♪

火炎瓶とか、火炎放射器は山の中では使えないな。


国土地理院HPの1/25000地図を使って周辺の山の地図を印刷する。

イロイロ構想を練る。頭の中に地図を入れようとするが。思い直す。

「そういえば、叔父さん、国の地図は以外にいい加減で、地図に無い沢や尾根が有るって言ってたな。」

父の兄に当たる叔父さん、海なし県の父の実家で猟師やってる人の話を思い出す。

実際、地図を見ながら。現地確認するしかないか…。

どうしよう、つばきさんに道案内頼むか?

どうやって誘えば良いんだ?『あっそびましょ~♪』って誘えば良いのか?

鬼が出る山なんて歩きたくないだろう。

茶室の窓から青空を見る。正に夏真っ盛りで蝉の声と潮の音が聞こえる。

夏休みなのに何、僕、ヒキコモっているんだ?

今年の夏は、ビーチで泳いで釣り三昧だって息巻いていたんだろ?

何が鬼が怖いだ。気合を入れろ!!

よし!!明日から山の探検だ!!


三時を過ぎたあたりで母屋の黒電話が鳴る。

回廊を走って電話に向かうが、目の前で呼び鈴が消える。

おう、間に合わんかったwww。

茶室に電話線引いとけば良かった。

台所の麦茶容器を冷蔵庫に入れて。茶室に戻ろうとすると、再び黒電話が鳴る。

電話に出ると。

さくらさんだった。

用件は、明日の昼食はコチラでどうですか?というお誘いだった。

もちろん、申し訳ございませんが、ご遠慮申付け候。と速攻で断ると。

あわてた様に、大御婆様がお話したいことがあり明日のお昼にお越し下さい。御昼食は用意しております。

始めからそう言えよ!と言う言葉を飲み込んで、『では、明日正午ごろ、此方からお伺いします。迎えは不要です。』

で電話の受話器を置く。


さあ、どうしよう?学ランで山を歩くのは恥ずかしい。

まあ、明日、親父を送ってから山をギリギリまで冒険してそのまま大御婆様の家へ向かえば良いか。

着てゆく服が無い、作業服用に使っている東独軍戦車兵服があるから、何とかなるだろう…。マックロ黒介だがな。いや、真夏に黒色は暑いか。


仕方が無いので、ダンボールを開封して整理する、冬服、春&秋物を母屋の衣装ケースに分ける。

何故か探していた食器や、目覚まし時計が衣装の詰まったダンボールから出てきたのがご愛嬌である。


片付けが進むと日が傾いてゆき。海風が母屋の開け放たれた網戸をすり抜け。頬をなでる。

いや、もう、汗だくだよ。そうだよ、暑いから涼しくなってから片付けようと言っていたんじゃないか。

タオルを首に巻き、流れる汗を拭きながら、未だ冷えていない麦茶を飲む。

その後、以外に片付けに手間取ってしまい、外が暗くなる。日が落ちるのが早くなったと感じる。

まあ、実際これからどんどん暗くなるのが早くなるから早めに行動しよう。


シャワーを浴びて、頭を拭きながら母屋の居間でテレビを見ていると親父の車の音がした。

「おかえり。」

「ただいま、弁当買ってきたぞ。」

「やった~♪」

米、調味料を片付けると冷えた麦茶を出して、インスタント味噌汁と弁当で夕食にする。

「ここら辺の店な、赤味噌売ってないぞ。」

「え?マジ?」

「お店の人に、赤味噌有るか?って聞いたら、合わせが出てきた。」

「ここらって白味噌文化圏なの?」

「そうらしい、国道バイパスまで出てショッピングモールまで行けば有るんじゃないかな?」

「まじかよ。」

まじか~。昼の通販でポチッておけば良かった。

「そういえば、親父、海なし県の叔父さんって猟師だよね。肉とか皮とか手に入るかな?」

「おお、そうだぞ、鹿とかイノシシとかキジとか、取ってるぞ、今は猟期じゃないから、残っていれば分けてもらえるんじゃないか?」

「ヘー、猟期が有るのか」

2、へー出ました。

「たしか、冬だぞ。何に使うんだ?夏休みの工作か?」

「いや、高校の課題に夏休みの工作は無いよ。まあ、工作なんだけどね。手に入らないならホームセンターでも行ってくる。」

「今度の休みでも一緒に行くか?」

「そうだね、足りない物リストも作っておくよ。まあ、百均の方が揃いそうだけど。」

「百均は国道バイパスまで出ないと無いな。」

「それは遠いな。」

夕食が終わり後片付けと、明日の朝食の算段が終わると。茶室に戻る。

エアコンを付け、流石に今日は課題をやりたくない。

万年床と化しつつある布団に寝転び。プリントアウトした地図を眺めたまま。睡魔に身を任せる。

(´・ω・`)やだ!戦記なのに戦争始まらない!千鬼ですらない!!

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