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冒険者ギルド

MP200のはずが100になってたので修正しました。

武器屋を出て冒険者ギルドへ向う、弓は弦を外し布で巻いたが、持って歩くには長く邪魔だ、だが貰った以上は仕方ない、人にぶつからない様に注意しよう。

町中を歩くと髪色が違う人がいる、赤、緑、青など様々だ、瞳の色は大体髪と同じ人が多かった。

俺の身長は、通りすがりの女性を見る限り、さほど変わらないようだ、百六十センチに少し欠けるくらいかな?

すれ違う人を見たり、建物を見ながら歩いていく、建物は木材で作られているものが多い、町の柵も丸太だったし、石よりも調達がしやすい地域なんだろうな。

そうして色々と眺めているうちに冒険者ギルドの看板が見えてきた、聞いたとおりの魔獣?に剣が二本クロスした絵が掛かっていた。

冒険者ギルドは、この町では少ない思われる石作りで作られていた、高さも三階建てで思ってたより大きい。

扉を開けて中に入ると、ホールのようになっていた。

テーブルとイスのセットが幾つかあり、奥にはカウンターの受付、手前の方には掲示版が見える。

俺が入るとホールでたむろしていた男達がこっちを向いてガンを飛ばしてくるも、直ぐにいぶかしそうな表情に変わる。

入ってきた奴に睨みを利かせようとしたが、女性だったんで躊躇ちゅうちょしたようだ、ただその後でニヤケた顔をして俺の全身を舐め回すように見るのには閉口した。

女性はあんな感じで何時も見られてるんだろうか? 嫌な感じだ。俺もそうだったのかな? そんな事ないよね?。

視線を無視して受付の方へ歩いていく、イスに座っていた男の横を通った時に尻をギュっと掴まれた。

ビックリして振り向くとそこにニヤケた赤ら顔の男が居た。

「お嬢ちゃん、俺と一緒に酒でも飲もうぜ、奢ってやるからさ」

酔っ払ってるらしい、顔が赤く目が充血している、何より酒臭い、テーブルを見ると木のジョッキに酒が入っている、アルコール臭からすると、かなり度数が高そうだ。

周りからも「ジャンクスが又絡んでやがるぜ」「おい止めて来いよ」「俺じゃ無理だろ、お前が止めて来い」「無理に決まってるだろ」「ランクが違うだろ」等々、聞こえてくる、名前はジャンクスらしい、どうやら良くある事で、誰かが止めに入ってくれるってのは期待出来ないようだ、、まったく昼間から酒飲んでんじゃねえよ、これだから酔っ払いは嫌いなんだよ。


「ごめんなさい、用事があるんで、遠慮しておきます」と断るが

「おいおい、せっかく俺様が誘ってやってるんだぞ、お前は黙って言う事を聞いてればいいんだよ」

と顔を近づけて凄んでくる、結構迫力があり普段ならひるんだりする所だが、残念だったな、俺はさっき服屋のオッサンの笑顔を見てきたばかりだ、あの笑顔に比べれば屁みたいなもんだ。

「お断りします」

全くもって面倒臭い、無視して早いところ登録したほうがいいな。

そう言って立ち去ろうとしたら、ジャンクスがおれの腕を掴んで立ち上がった。

「ずいぶんと威勢がいいじゃねえか、そうゆう女は嫌いじゃねえぜ。よし、気に入った。俺の女にしてやろう、これから宿に行ってベッドでいい思いをさせてやるよ」

と言って下卑げびな笑いをして外に連れ出そうとする。

こんな状況でも周りの奴らは遠巻きに眺めているだけだ、何か無性に腹が立ってきた。俺を引っ張っていこうとするので、腕を振り払うとビンタをするように構える。

「これ以上変な事をするなら、ぶちますよ」

その様子をみてジャンクスは大声でゲラゲラと笑った。

「お嬢ちゃんは本当に気がつええな、こりゃあ後でお仕置きが必要だな、よし殴ってみろ、遠慮はいらねえぜ」

と言って頬を突き出して来る、その顔は小馬鹿にしたようにニヤついている。

俺はちょっと考えた、殴るって怪力だし大怪我しそうだしな、下手すると死ぬ可能性だってある、問題はどの程度の手加減をすればいいんだろう?

「おいおい、今更怖気づいたのか? ほら殴ってこいよ」

俺が躊躇したと思ったのか、さらに挑発をして来た、さすがにムッとしたので、手加減を少し忘れてビンタをしようとして、頬に当たる瞬間、俺の脳裏に、木に叩きつけられて弾けたウサギの姿が、飛び込んで来た、慌てて力を最小限にして自分の感覚だと、撫でるくらいの力で手の平を頬に当てる。


まず、ジャンクスの頬が、後方へよじれる、顔もいっしょの方向へ捩れる、次に首、上半身、下半身、と連鎖的に捩れる様に錐揉きりもみ状態で数メートル後ろの壁に向って吹き飛んでいく、激しく壁に当たり、糸の切れた操り人形のように床に落ちて、そのまま動かなくなった。


自分でやった事だが状況について行くけず、叩いた手をジッと見る、あんなに勢い良く吹っ飛ぶとは予想外にも程がある、もし直前で手加減をしなかったら・・・・・そこから先は想像しないでおこう。

内心は焦りながらも、ゆっくりと人形に近づく、ジャンクスは白目を剥いて気絶していた、頬は骨折などはしてないようだ、体も大丈夫そうだ。

そこそこ力加減は出来るはずだが、どうも攻撃をする時などは、まだまだコントロールは難しいみたいだ、気を付けなきゃいけないな。


たいした事が無いようでホッとしたが、周囲を見ると、誰もが口をあんぐりと開けていたり、目を見開いてこっちを見ている、あまりの事にみんな状況を飲み込めて無いようだ、視線が痛い。

俺は、失神しているジャンクスの体を持ち上げて、さっきまで座っていたイスに座らせて、上半身をテーブルに突っ伏すようにする、そして手に酒の入ったジョッキを握らせた、これで見た目は、酔っ払って潰れた男の出来上がりだ。

そして肩に手を置き「こんな所で寝てたら風邪を引きますよ」と声を掛けて、小声で「これでよし」と呟く、そう、全てを無かったことにしよう、俺は絡まれなかったし、彼はずっと寝ていたんだと自分にいい聞かせる。


俺の小声が聞こえた誰かが「全然よくねえだろ」とボソっと言ったのをきっかけに、周りに会話が、戻ってきた。

俺は全てをスルーして受付へ向った。


「すいません、冒険者の登録をしたいんですけど、ここでいいんですか?」

おれはカウンターの向こうに座っている女性職員に声をかける。

「あっ、はい、新規登録ですね」

この人もジャンクスが吹っ飛ぶ所をみていたらしく、俺に対して、おっかなビックリする様な対応だ、怖くないんだけどな~、あれを見てたらしょうがないのかもしれないけど。

「はい、おねがいします」

「では登録料として大銀貨一枚いただきます」

俺は大銀貨を一枚出して職員に渡す。

「では此処に手を置いてください」

職員は横の台に備え付けられた水晶玉を示すので、手をそっと水晶玉の上に乗せる、すると水晶玉が少し光を放つ、ジッと見ていたら徐々に光は弱まり元に戻った。

「もう手を離してもいいですよ、これで登録は終わりました」

水晶玉から手を放すと、カードを渡される。

「ではシオリ様、これが冒険者ギルドのカードになります、身分の証明にもなりますので無くさない様にして下さい、無くした場合は再発行しますが、大銀貨五枚かかりますので注意してください」

「わかりました」

え? シオリって何で? 平静を装って俺は受け取ったカードを確認する。


名前 シオリ

ランク G

HP  100

MP  200

力   10

防御 10

俊敏 10

器用 10

運   10

スキル 弓術、槍術、体術、怪力、頑強、状態異常半減、精神耐性、夜目、覚醒、魔力上昇、鑑定、索敵

魔法 -


名前がシオリになってる、服屋で思わず言った妹の名前がそのまま名前になったらしい、最初に言った名前で決まるなら、もしジョセフィーヌとかクレオパトラ言ってたら、その名前になってたんだろうか? 怖すぎる、不用意なことは口に出来ないな、気をつけよう。


ランクはGだ。他は、ステータスとスキルか、魔法はらんしか無いな、覚えれば表示されるんだろう。

レベルは表示されてない、そういえば簡易版だと言ってたっけ、レベルの概念は無いのかもしれないな。

特殊スキルも表示されてない、これは普通の人には無いのかもしれない、異世界言語とかだしな。


「では、新規加入の方には説明があるので説明ささていただきます」

俺がカードを見終わったところで、職員が声を掛けてきた。

「お願いします」

受付の女性職員の名前はメアさん、青髪の美人だ。

説明では、ランクがあり上から、S、A、B、C、D、E、F、G、の段階となっている。

ランクの評価はS、勇者クラス

          A、超一流クラス

          B、一流クラス

          C、ベテランクラス

          D、中堅クラス

          E、下位クラス

          F、新人クラス

          G、見習いクラス

       に分類されているらしい。

ランクの上がる基準はギルドで厳密に決められたポイント制になっている。例えばEランクの冒険者が二人いて、二人ともEランクの依頼を受けて、共に成功させたとしても評価は違ってくる。

同じランクの依頼であっても難易度は全く同じという事はない、なので当然ポイントが違ってくる、依頼をこなした回数ではなく、その内容を吟味され、その評価がポイントとして加算されて、ランク毎に決められている基準に届けば、ランクが上がる仕組みらしい。

依頼に失敗すれば、その分ポイントが下がるし、成功報酬として受け取るはずだった金額の三割を違約金として支払わなければならない。

高額な金額に目が眩んで、依頼を受けて失敗したら、目も当てられないな。


依頼を受けるには、掲示板に貼ってある依頼書を、剥がしてカウンターに持って行き受注するが、ランクで受けられる上限が決まっている。

Eランクだと、一つ上のDランクの依頼までは受けられるが、Cランクの依頼は受けられない、パーティを組んでいる時は、その中で一番ランク高い冒険者の一つ上のランクまで受ける事が出来る。


カードには名前、ランク、ステータス、スキル、魔法、が表示されるが、スキルと魔法は部分的に非表示に出来る。

説明はこんな感じだった、他に聞きたい事があれば、そのつど質問に応じるとの事だ。


さっそくスキルを非表示にしてみるか、武器スキルは表示しとくか、あとは夜目かな、残りは見られて対策とか立てられると困るから非表示でいいかな、危険な世界っていってたし、騙したり、危ない人なんかも居るんだろうな。

よし、カードを確認してみよう。


名前 シオリ

ランク G

HP  100

MP  200

力   10

防御 10

俊敏 10

器用 10

運   10

スキル 弓術、槍術、体術、怪力、頑強、夜目、

魔法 -


ちゃんと非表示になってるな、さて今日は宿でも見つけて・・・あ!

思い出した事があるので、受付に戻った。

「すいません、言い忘れた事があるんです」

「なんでしょうか?」

「この町の服屋にノクトさんって人が居ますよね」

「え? ええ、存じ上げてます」

メアさんは俺がオッサンの名前を言うと、ビックリしたみたいに目が開いた、周りも急に騒がしくなったな、まあいい、話を続けよう。

「それでノクトさんが自分の名前を出せば、少しは優遇してくれるって言ったんですよ、その優遇って受けられるんでしょうか?」

「その件でしたら、上司に指示を仰がなければならないので、少しお待ち下さい」

と言ってメアさんは置くに行ってしまった。

その件って何だろう? と思いながら待っていると、後ろからの声が耳に入ってきた。

「おい、あいつがか?」「間違いじゃないのか?」「ジャンクスのを見ただろ」「たしかに」「でもよう・・・」

後ろでも”その件”について何やら話しているらしい、誰かに聞こうとしたときに、

「おまたせしました、では、こちらへどうぞ」

とメアさんが戻ってきて、案内をはじめた。

付いて行くと、そこには広い敷地があった。

「ここは?」

思わず声が出た。

「ここはギルドの訓練場です」

メアさんが返事をする。

「なんでここに?」

メアさんは怪訝けげんそうな顔したが、ハッと気づいたような表情になる。

「シオリ様はもしかして、優遇の内容を知らないのではありませんか?」

「ただ優遇されると言われただけですので、内容は全く知りません」

「やっぱりそうでしたか、優遇と言うのはですね、ギルドに入ると誰でもGランクからのスタートになりますが、Bランク以上の冒険者の紹介があれば、昇格試験を行って合格すればEランクから始められます」

「二段回アップですか、凄いですね、でも、私が嘘を言ってるかもしれませんよ、確認とかしなくて大丈夫ですか?」

「確認は他の職員が服屋に行って、確認してきたので問題ありません、本来なら紹介者と一緒に来てもらうのですが、今回の紹介はノクトさんなので特別です」

ノクトのオッサンて冒険者ギルドに随分と顔が利くんだな、紹介出来るって事はBランク以上は確定してるし、伊達に顔が怖い訳じゃないんだな、オッサンの事を少し聞いてみよう。

「ノクトさんて、レベルは」

「お待たせしました、試験官のアランです」

今オッサンの事を聞こうとしたのにタイミングが悪いな、後で聞くしかないな。

「おねがいします、試験の内容は何ですか?」

「ここで私と模擬戦をしてもらい、勝ったら合格となります、よろしいですか?」

よろしくない、と言ったら不合格なんだろうな、折角お膳立てをして貰ったんだし、やってみますか。

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