第3話:山
「ねー!レン…全然山賊とか出てこないじゃん!!レンの嘘つき!」
ある山道を歩きながらリアは、ユウに文句を言いながら歩いている
「山賊は出ない方がいいんだよ、出たらここで戦う羽目になってしまうからな」
まぁ、確かに、この山道で戦うことは危険だろうけど、私の魔法が……あ、無理か……
「ルナは、山賊が出てきてほしいよねー?そしたら楽しんだよ!!」
「え……?楽しいのかな?」
山賊が出て楽しい、なんて言う人初めて見た
あ、私が記憶がないだけか、もしかしたら、こういう変わった人もいるかも!
「雑談はどうでもいいから先に進むぞ、それかこの高いところから落として欲しいのか?」
レンは、目を静かに閉じながら威圧感ありげに言っている
ここから落とす?ザッと地上から100mぐらいかな
あ、落ちたら確実に体が丈夫な人でも死んでしまうね
「えー、嫌だよ!落とすならルナを落としてよ!」
「えぇっ!?」
私、落とされるの?嫌だよ!せめて、剣で斬られて死んだ方がまだ良いよ!
「ルナは落とさない、落とすならリアの方がなにかと面白い」
私は、面白くないんだね……
とりあえず、私たちはちゃんと山道を上がって行く
「でねー、アルジア王国は、すごく人が多いんだよ!ルナは人が多いところって行ったことある?」
今、私たちは野宿をしています
どうやら、山道が予想以上険しかったので、2日に分けて登るそうです!
それより……人が多いところって言われてもねー
「うーん、どうだろう?まず、その国に行かないとどうとか言えないね」
「たいして良いって分けではないがな」
突然、レンが話に入ってきた
「あれ?そうだっけ?アルジア王国って割と治安良かったはずだけど?」
リアが首をかしげながら言った
私は、薪を火の中にとりあえず突っ込んだ
おかげさまで、火の威力が上がったけどね
「どうやら、隣の国がアルジア王国を攻めてきたらしい」
「なんで?アルジア王国は対してケンカを売る国じゃなかったはずだけど?」
どうやら、リアとレンは重い話をしている
私には、話についていけないぐらいに難しい話だった
暇になったので、私は立ち上がり、とりあえず
「薪を拾ってくる」
と一言、言っておいた
「よし、これだけ薪を集めれば夜は過ごせるかな?」
ただいま、私は薪を集めまくって30本ぐらい集めました
私が、あの場所を離れてから約1時間立った
そろそろ、リアとレンの難しい話が終わった頃だと思う
戻ろうとしたとき……
『戻るんですか?』
と声が聞こえてきた
いや、聞こえたのではなくて、頭の中に自然に入ってきたのだ
でも、よくわからない
懐かしい声だった、どこかで聞いたことあるような声
『僕は、ずっと一緒にいますから』
あ、また聞こえてきた
誰だろう、思いだせないや
とりあえず、私はそこらへんの切り株に座った
特になにもないはずの空を見上げてみた
やっぱりなにもない
<寂しい>
空は暗く寂しい
せめて、雲ひとつなければ、きっと綺麗な星が見えるだろう
そろそろ、いい加減に戻ろう
私が切り株から立ち上がったときに、草むらがザワザワと音をたてた
風は吹いてないはず……