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00:再起動
※:今回からは、文法を一新して書いていきます。
「ちっ…… まいったな…… まさかこんな……」
暗い室内で、その人物は頭を抱えていた。
こんなことは初めてだ。
あり得ないという表情で、コンピュータの画面を見つめる。
時計が時を刻む音すら、今はイライラを増幅させる要因の一つだ。
しばらくキーボードを叩いてから、観念したように椅子の背もたれに背中を預け、天井を見つめた。
だが、すぐに頭を起こすと、再びキーボードを激しく叩いた。
何かをひらめいた。
「そうだ、あいつらを――」
カタカタカタ……
最後にエンターキーを押すと、スピーカーから声がした。
『はい。お呼びですか?』
「あいつらをそちらへ転送する。――始めるぞ」