62/料理って美味しいのが一番だけど、見た目も重要だと思うの
「……なんか放ったらかしにされてるわ」
地下国家アースリュームでの夜。連翹は宿のベッドの上を転がりながら呟いた。
隣のベッドで荷物を置いているノーラが、その姿を見てくすくすと笑っているが構うものか。今、重要なのは男共への不満だ。
ドワーフの王様に会ってきたらしいゲイリーの話によれば、しばしここに滞在しドワーフの戦士を何人か口説き落としたいということだ。
無理強いするのではなく、あちらがこちらと合流したいと言えば誘って欲しいということらしい。
まあ、それはいい。
正直、知らない人をその気にさせる話術があるわけでもないし、そういうのはやりたい人がやればいいと思う。
けれど、
「ニールは剣が欲しいからとか言って街を駆けまわってるし、カルナはカルナで自室に篭ってなんかやってるらしいし――なによあいつら、こーんな美少女二人を放り出して」
なんというか、宿に着いた瞬間「じゃあな!」という感じで、こちらの意見も聞かずに好き勝手やり始めた男二人が気に食わない。
せっかくだから観光したかったし、それなら一度来たことがあるらしいニール辺りに道案内して欲しかったのに。むう、と頬を膨らませる。
「レンちゃん、自分で美少女とかいうのはどうかと思うんだけど……」
「いいのよ、なんでったってあたしとノーラは女であって少女であって美少女なんだからね!」
「止めて! わたしが言ってるワケじゃないのに自意識過剰な感じで恥ずかしいからそれ止めて!」
オーホホホホ! とベッドに横たわりながら悪役令嬢っぽい笑い声を上げる連翹の肩を、ノーラが掴んでガクガクと揺らす。
「というかね、ノーラはいいの? 最近よくあの古い本、カルナと一緒に読んでたりしたじゃない」
確か、古語で書かれた勇者の伝説だったか。
少し前に横からチラっと見たけれど、頭が痛くなって理解を放棄した覚えがある。そもそも古語やら古文なんて、日本語で書かれてたって理解出来ないのに、異世界の言語で理解できるはずもない。
(……そういえば、字とか全然違うのに普通に読めてるのよね、あたし。英語とか全然駄目だったのに。これもチート能力の一旦ってヤツ?)
本来なら、言葉とか文字とかも一から覚える必要があったのかもしれない。
「いいんですよ。カルナさん、のめり込んだら周りが見えなくなる人ですし」
まったく困った人ですよね、と言いたげな言葉。
しかし、柔らかく微笑むノーラの表情に呆れや落胆といった悪感情は皆無だ。カルナはそういう人だし、仕方ないと持ち前の包容力で笑って許しているのだろう。
「……ねえ、胸が大きいと包容力も大きくなるの?」
「え? ……さあ、わたしは聞いたことないですけど」
おまけに自覚もないと来た。
ノーラと一緒に居ると、時折自分がちっぽけな人間に思えることがある。
……言うまでもないだろうが、人間の器のサイズだ。それ以外にどこを比べろというのか。間違っても顔の少し下にある女性によって質量の差があるあの部分ではない。断じてない。
「ああ、もうっ、それはともかくっ! ごはん食べに行きましょごはん。どうせ男たち待ってても戻ってこないわよ」
「……ですよねぇ。ニールさんは自前の剣、カルナさんは何かにのめり込んで周り見えてないですし」
二人とも、自分の好きなこと、大切なことになると一直線ですからねとノーラは小さくため息を吐いた。
まあ、確かにそうだな、と連翹も思う。類が友を呼んだ結果があれなのか、朱に交わってどっちかが赤くなった結果なのかは彼女には分からないが、似たもの同士という結論に異論はない。
「とりあえず、どこ行こっか。ドワーフの街だし、やっぱり酒場とかに行ってみる?」
「珍しいですね、レンちゃんが酒場に誘うなんて。お酒飲む気になったんですか?」
「だって、ドワーフの街でオシャレな料理を出す店を探すなんて無理ゲーでしょ、きっと。それにドワーフといえば酒、酒といえばドワーフじゃない。一度くらいそういうの見に行きたいの」
お酒に興味があるワケではないが、しかしお酒を飲んでいるドワーフを見てみたいという乙女心的なアレなのだ。
自分でも馬鹿みたいなこと言ってるなとは思うけれど、しかしファンタジーに憧れて異世界に転移した者なら異種族のそれっぽい行動というのは見てみたいものなのだ。きっとこれは、海外旅行で名所を見に行くのと同じ感情なのだろう。
「獣人が絶滅してるって話を聞いた時はちょっとガッカリしたけど、ドワーフとエルフがいるなら問題ないわ。ふぁあああ! あたしのテンションが有頂天になった! この勢いはしばらく収まることを知らないわ!」
「あはは……レンちゃんレンちゃん、楽しみなのは分かったけど、知らないドワーフさんに指さしたりしないでくださいね」
そんな話をしながら荷物を置き、宿の外に出る。
空が見えたのなら、そろそろ夕方の茜色か夜の闇色で今がどれくらいの時間なのかを理解出来るだろう。しかし、地中に存在するアースリュームでは空が見えず、時間の感覚が狂いそうになる。
ニールが剣を探しに行く前に説明してくれたのだが、
『槌の音が聞こえ始めたら朝、一番音が激しいのが昼、聞こえなくなったら夜。ついでに酒場にたむろするドワーフが少なくなったら深夜だ』
という、凄く大雑把な説明で正直あんまりアテに出来そうにない。
ただ、それを信じるなら鉄を叩く音が疎らになっている今は、大体夕方くらいになるのだろうか。
ノーラと共に酒場を求めて歩くと、ドワーフの集団とすれ違ったり追いぬかれたりする。ずっと鍛冶をしていたからだろうか、誰も彼も冬だというのにたっぷりと汗をかいていた。
そんな中に少数の人間や、そこそこの数のエルフが混ざっているのだから驚きだ。特にエルフがタオルを頭に巻いている姿は、現代日本の工事現場の兄ちゃんの姿と凄いダブる。
「エルフも鍛冶とかするのねぇ……」
「何かおかしいですか? ドワーフたちに比べて鍛冶の才能のない人間だってやってるんですから、エルフがやっててもおかしくないんじゃないですか?」
「いやね、あたしエルフって森の中で草食ってるイメージだったから……」
「言いたいことは分かりますけど、なんか凄い罵倒っぽいのでエルフの前では言わないでくださいよレンちゃん!」
分かってるわよ、と答えるもののノーラの疑いの眼差しは止まらない。なんだろう、自分はそんなに変なことをしているのだろうか。
首を傾げながら大通りを歩いていると、そこそこ賑わっている酒場が見えた。窓から店内を覗きこんでみると、土で出来た外観ながら内部の床や壁は木材で整えられている。厨房を囲うようにカウンターが存在し、そこに料理や酒を置いてはウェイトレスが席へと持って行っている。
店内に複数置かれた円形の木製テーブルには、ドワーフの他に人間やエルフといった別種族も多数席に座っている。
うん、と一度頷く。
他種族混ざって酒飲んでいる情景が、とてもファンタジーっぽくて満足だ。なんかもう、酒飲んでるエルフやドワーフをおかずに白米どんぶり三杯くらいは食べられてしまいそうだ。
(でも、大通りにある人気店なのか、観光客向けの店なのかが問題よね……)
観光客向けの店など、高くてマズイと相場が決まっている。凄い偏見だが、連翹は知らないけどきっとそう! と無意味に自信満々に信じ込んでいる。
「でもまあ、そういうお店って現地の人は行かないって言うし……人気店ねきっと! 行くわよノーラ、とんずらでカカッと突撃よ!」
「レンちゃんレンちゃん! 前から少し思ってたけど、とんずらって逃げるって意味で速く走るって意味はないと思うの! いえ、確かに逃げる時は必死で走ると思いますけど!」
「意味なんてどうだっていいじゃない。ノーラ、貴女言語学者なの?」
「学者云々じゃなくて常識の話ですよぉ!」
「知ってる知ってる、こっちの世界でのスラングよ」
笑いながらドアを開け店内へ。
女二人の客は珍しいのか、数名の客から視線を注がれるが構うものか。
暴力的に絡んできたら冒険者ギルドの新人に絡むチンピラを張り倒すようにぶっ殺すし、逢引目的なら――まあ、顔と態度次第といったところだろうか。
ウェイトレスに促され、空いているテーブルに座ると、流れるように注文をする。
「ビールとこの店のオススメを二つ! あと――ふふっ、ミルクでも貰おうかしら」
「ねえ、レンちゃんなんでそんな楽しそうな顔でミルク頼んでるんですか? 別に牛乳とか好きじゃないですよね」
「酒場で一度言ってみたいセリフ第二位なのよ! ふふっ、言ってやった! 言ってやったわ!」
ちなみに第一位は、閉店時間に『もう少し飲ませてくれよマスター、金ならある……』と影のある表情で言ってやることだが、まだ酒は封印しているのでそれは別の機会だ。
「……しっかし、なんか子供のウェイトレス多くない?」
小柄な少女、というサイズですらない。
小柄なノーラと比べても、最低でも頭一つは背丈が小さい。そんな彼女らが酒場を駆けまわっている姿は非常に犯罪臭がする。
「レンちゃん、子供じゃないですよ。ドワーフの女性ですから、みんな小さいんですよ」
「え、なに!? 合法ロリドワーフなの!?」
確かに、よくよく観察してみると小柄な癖に全体的に肉体が成熟しているというか――胸なんかが連翹より大きい見た目ロリばかりだ。
くっ、と思わず呻いた連翹を誰が責められるだろうか。他種族であり、人間とは成長が違うと理解しつつも、あんな小さい女の子に胸で負けていると思うと心が抉られる。胸は抉られるほどないというのに。
「というかよく見たらヒゲもっさもっさな子が居るわね……」
「え? そりゃそうですよ、ドワーフなんですし」
わたしだって実物は初めて見ましたけど、常識ですよと言うノーラ。
「ああ、そういえば作品によっては男女ともにヒゲが生える世界観があったわね。ちょっと萎え――いや、パッと見で合法男の娘っぽいし、これはこれで需要があるんじゃないかしら……?」
「意味は分からないですけど、ここで下手に追求したらドワーフの皆さんに怒られる気がするので止めておきますね」
「ご注文の品でーす」
ノーラが遠い目をした辺りで、ウェイトレスのドワーフがテーブルの上にどんっ、とジョッキが二つ載せた。
そう、ノーラのビールはもちろん、連翹のミルクもまたジョッキである。
「これはちょっと予想外だったわ……あ、ちなみに料理の方は――」
「はーい、こちらになりまーす」
そう言って出された料理は、思ったよりも普通の料理だった。
焼かれた太いウィンナーに、付け合せのサラダ。別に不満はないが、ドワーフは肉を食いまくってるイメージだから、もっとごっつい肉の塊が出されるかと思ったのだ。
まあ、そんなモン出されたら食べきれないわよね――とフォークでウィンナーを突き刺そうとして、
「……うん?」
びくんっ、と。
そのウィンナーが動いたのだ。
嫌な予感がする。
とても、そうとても嫌な予感だ。
こんがりと焼かれ、見た目は凄くジューシーそうなウィンナー? は、連翹がフォークで突くと、若干ぴくぴくと動くのだ。
「ああ、新鮮な奴だからねー。大丈夫、ちゃんと火は通ってるよー」
(新鮮って何? この世界のウィンナーって生き物なの?)
脳内で呟いた言葉は、しかし連翹自身そんなはずがないと理解している。
だって、よくよく見れば――生き物っぽいのだ。
もっと言えば、地中を掘り進む細長いアレ。子供の頃はよく見た気がするけど、最近はあまり見ない、都会よりも畑とかに居そうなモノ。
答えを拒む脳が必死に遠回りな表現をしているが、しかし分かる。分かってしまう。
これは――この世界でどう呼ぶかは知らないが、ミミズだ。
親指よりずっと太い、ミミズを焼いたモノだ。
「ッ――!? ……! ……!?」
声にならない悲鳴、というモノがなんなのか、この時初めて分かった。恐怖で喉が引き攣って、叫んでいるつもりでも声らしい声が出ないのだ。
がたーん! と椅子をなぎ倒しながら後退した連翹は、そのまま店の壁まで退避する。なんか厨房で店長らしきドワーフが笑っているように見えたが、怒る気力も制裁する元気もなかった。
「はははっ! 驚いたかぁ! すまないなぁ! 念のために言っとくが、それはドワーフ名物鉱石喰らいの丸焼きだ。別によそ者に意地悪してるワケじゃないからな! ウチ一番のオススメだ! はははっ!」
そう言う店長だが、しかし腹を抱えて笑っているため謝罪しているように思えない。
というか、絶対このドワーフ楽しんでいる。旅人にこの料理出して、悲鳴上げる姿を心から楽しんでいる。
この野郎、と額に青筋が刻まれるが――ふと、気づく。
「……ノーラ?」
先程から、声が全くしない。
もしかして、驚きすぎて気絶したのだろうか。
だとしたらあの店長を許さない。穴という穴に鉱石喰らいの丸焼き突っ込んでやる。
そう考えながら先程まで自分が座っていたテーブルに視線を向けて――
「あむっ、はふっ――レンちゃんこれ凄く美味しいですよ! 噛み締めたら口の中に肉汁がじゅわあと……はむ」
――自分の分を半分くらい平らげ、今も口にあの太いミミズを咥えているノーラの姿を発見した。
「ノーラぁあああ!? ちょ、まっ、ストッ、待って待って待ってタイムぅ! なんで平気な顔で食べてるのよぉ!」
口に太いモノを咥えてる姿は若干エロい――なにせ咥えてるモノはまだ微妙にぴくぴく動いているし。
「いやだってレンちゃん! ドワーフってビール大好きな種族ですよ! そんな人たちのオススメ料理がビールに合わないはずないじゃないですか! 食べないと後悔しますよ!」
「ああもうこの子はホント酒飲みなんだから……! というかそれは良いとしてなんでもう半分も食べてるの!? 速度的に考えて驚かずにサクサク食べてたわよねノーラ!」
「だって、凄く香ばしいいい匂いがしましたし……あ、レンちゃん食べないならそっちの貰っていいですか!?」
「まだコレ食べる気なのぉ!? え、なに、本当に美味しいのこれぇ!?」
そんなに美味しいなら少し――いや、無理だ。これを口に含む勇気は連翹にはない。
マジ勇者ねノーラ……と戦慄している中、先程よりも大きな笑い声が厨房から響いてきた。
「はははっ、まさか初見でそれ食う人間の女が! しかもそんな華奢な子が食うとはな! 男の冒険者でもビビる奴多いってのに!」
「だってこれ美味しいですよ! これたぶんこの辺りのモンスターですよね。レンちゃん、もし道中でこれに遭遇したらお昼ごはんにしましょう!」
「待って……ねえ待ってお願い……無理だから、あたし無理だからそれぇ!」
冗談ではない。
ノーラの目の輝きっぷりも、本気で昼飯がそれになる未来も。この娘、機会があったら絶対実行するつもりだ――!
「気に入って貰ったようで何よりだが、これはエルフの野菜食わせてるから旨えんだ。そこらで鉱石食ってるのを食っても、鉄みてぇな味しかしねぇぞ」
産まれた時から野菜やフルーツ混ぜた餌を食わせた鉱石喰らいを、塩コショウでさっと焼く。すると噛みしめると濃厚な肉汁が溢れだす美味な肉になるのだとか。
そういえば昔テレビで、高級な豚にシークワーサーとかのフルーツを混ぜた餌を出すとかそういう話を聞いた気がする。きっとこれもそうなのだろう――と連翹は自分の目の前にある皿から視線を逸しつつ考えていた。
「そっかぁ、残念ですね……あ、レンちゃんレンちゃん、次は何頼みましょうか。わたしは料理の他にビールをもう一杯欲しいなぁ」
「そうね、何も食べてないしお腹減ってきたわ……」
今度はちゃんとメニューから選んで、見た目がエグくなさそうなのを選ぼう。そうしよう。
そう思ってメニュを開いていると、ふとこちらに近づいてくる気配を感じた。
「おっ、それじゃあこれとかオススメだぜ。すげぇビールに合ってうめぇし」
「いやいや、ここはこれじゃろ? ビールの相性は長年ここに住まうドワーフとして保証する」
「ドワーフの長年なんて、オレらエルフの幼年期くらいじゃないか。いや、アースリュームに来たらこれ食っとくべきだろ。どうたい、桃色髪の嬢さん」
人間もドワーフもエルフも――枕詞に『酒飲みの』という単語が付きそうな連中がノーラの周りにわらわらと集まってきた。
「ちょ――なに、どうしたの。ノーラに手を出すなら……」
「いや、この嬢ちゃんの食べっぷり見ていて気持ちよかったしな、せっかくだからもっとうめぇモン教えたいなと」
「飲みっぷりも中々じゃったしな。ドワーフなら息子の嫁に推薦したいくらいじゃ」
「オレはお嬢さんが鉱石喰らい咥えてる姿はけっこうエロかったから、別料理の鉱石喰らいも食わせたくて」
「おう、最後のエルフ歯を食いしばりなさい」
欲望に忠実なエルフを腹パンで黙らせつつ、この酔っぱらいたちの気持ちも分かるなと思う。
美味しそうに食事をしている姿は、やはり見ていて腹が減る。そしてそいつが食べている料理がとても美味しそうに見えるのだ。連翹も見た目で無理だったけれど、鉱石喰らいの丸焼きを食べなかったことを少しだけ後悔したくらいだ。
「痛たた……ちなみに、幼体の鉱石喰らいの踊り食いってのも美味いぞ。色んな種類のタレから自由に漬けて食べるんだ。幼体はあんまり油っこくないから、口の中スッキリさせたい時はオススメだな」
「なるほど、うーん……」
「待って、止めて、考えないでノーラ! 人に常識語っておいて、なんでそんなにチャレンジャーなのよ貴女ぁ!」
ノーラの肩を掴んで懇願する。やめて、さすがに生きたままは勘弁してください――と。
「そうですね――今は止めておきましょうか」
「ああ、助かっ――今は!?」
こうしてアースリュームでの夜が更けていく。
色々なモノを美味しそうに食べるノーラの姿に、他の客がオススメを教えてくれたり色々奢ってくれたりと、和気あいあいとした夕食となった。
時折叫び声を上げて後ずさる連翹の姿もまた、長年アースリュームに住んでいる者には初々しく見えるらしく、人間やエルフの女性に素人向けの料理を教えて貰っていたりする。
(こういうのも――まあ、中々いいわね)
基本的に連翹は一人で過ごすことが多かった。一人で居るのは寂しくはあるけれど、しかし全く知らない人に絡まれるよりはマシだろうと思っていたのだ。異世界でも、地球でも。
しかし、現状をなんだかんだで楽しいと感じているから――もしかしたら、決めつけていただけなのかなぁと思うのだ。
ああ、こういう賑やかなのも、悪くはない――
「あ、最後に幼体の鉱石喰らいの踊り食いお願いしまーす」
「待っ――ノーラぁ! あたしが考え込んでいる間にぃ!」
「大丈夫、きっと美味しいですよレンちゃん!」
「美味しい不味いの話しじゃなくて見た目が無理なのよぉ!」




