【番外編】ある意味怖かった、悪い子狩り
ここから、番外編です。
菫の悪い子狩りが終わり、次の日の悪い子狩りの時の出来ごと。
「次の写真は?」
騎士は、ひなに聞いた。どうやら、自分で見るのはめんどくさいようだ。
「ちょっと待ってね……!!」
「どうした!」
「…………」
ひなは、しゃべる気が失い、黙って騎士に見せた。
「!」
写真にうつっていたのは、どこからどう見ても、オカマだった。
名前は、小池亮太。年は多分、中学生。なぜ多分かと言うと、そこに書いてあったのは、「年齢は、ヒ・ミ・ツ」と書いてあるからだ。中学生と言うのは、ひなの予想。
「なんだ? こいつ。男のくせして、口紅してるぞ?」
―騎士君、オカマ知らないんだ……
ある意味怖いとひなは思った。
「なぁ、ひな。なんなんだ? この亮太ってやつ」
出来れば聞かないで、と思ったが、騎士にはその気持ちは通じなかった。
「教えてほしいの?」
「あぁ! 教えてくれ!」
―きっと、後悔するよ……
しぶしぶ、説明を始めた。
「な、なんだと!? 男なのに、心が女? 意味分かんねぇ」
騎士の事を説得するのには、結構な時間がかかった。
―私も、そう思うよ。でも、こう言う人はいるんだよ……
「どうするんだよ? こいつのこと、蹴りに行くのか……」
しばらくの沈黙。
「とりあえず……行こうか」
とても低い声で騎士は言った。
―やっぱり、言わない方がよかったかな……
もう遅かった。
「あそこにいる……」
まっ黒なワンピースを着ている、亮太を発見。出来れば、見つけなかった。
「行くぞ……」
―テンション下がり過ぎだよ。
そう言おうとしたが騎士の事だから、すぐ立ち直ると思ったのであえて言わなかった。
「おい! そこの……」
「あら? どなた?」
―しゃべりかただけでも、直して下さい。
「説明はもういい。行くぞぉぉぉぉ!」
騎士は目を堅くつぶりながら、亮太を蹴った。
「うわ!」
ようやく男の声が出た。
「痛いわねぇ……」
出てきた「悪い心」もオカマだった。
「ひな! もう俺、嫌だよ! どうすればいい?」
「私に聞かないで!!」
亮太の悪い心と1回も目を合わせないひなは、うつむきながら言った。
「なにがよ! あたしの仕事、じゃましないでよ!」
菫の「悪い心」にも言われたが、言い方が違うだけで、全く違うように聞こえる。
「ひな……俺、こいつの事、ぶっ飛ばすぞ? ひなの心の中に入れたくない」
「私も嫌だ! だから、お願いね! そう言えば騎士君、「悪い心」にもちゃんと性別があるんだね」
「もちろん。男、女……あ、こう言うのは例外で」
「何が例外よ!」
亮太の「悪い心」が走って来た。
騎士は、自分でも分からない怒りが込み上げてきた。
「…………こんなやつがこの世界にいるんだな。俺は……ゆるさねぇ。男として、生まれたんなら、男として生きろよ!」
「!?」
「どっか行けぇぇぇぇ!!」
見事な蹴りのホームラン。
「いやぁぁぁぁぁ……」
そんな声を残して「悪い心」は星になった。
「……さ、さぁ、次行こうか」
「そ……そうだね」
グダグダな悪い子狩りだった。
どうでしたか?きっと……。やめておきましょう。
感想、意見等を待っています。
あともう一つの番外編を書こうと思っていますが、こういう感じのノリなので、そこは許して下さいm(_ _)m
本編に入れなくてよかった、と我ながら思います(笑)