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新婚夫婦の朝
あわただしい朝。洗濯物を片手に、テレビで降水確率をチェックする。
「どうしたの?」
彼がスーツに着替えて寝室から出てきて、後ろからふんわりと抱きしめてきた。
「外が曇りで、い、にゃんっ!?」
途中で自分の口から飛び出した甘い声に、自分でびっくりして、怒りと恥ずかしさで、かーっと顔に熱がのぼってくる。
いや、と言いたかったのに、ぞくりと体をはしり抜けた疼きに、まともにものが言えなかった。
なんとなれば、彼が突然首筋に口付け、そのまますーっと肩口まで唇で辿ったのだ。
そして、今はそこで肩を震わせて笑っている。
「いー声」
「馬鹿ーっ。邪魔すんなーっ」
新婚夫婦の朝は、甘くて、ちょっと気忙しい。