表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掌編アラカルト  作者: 伊簑木サイ
へたれ風味な彼と食いしん坊な彼女の帰り道
1/9

彼女と賭けとお菓子

「ポ・ツ・キ・イ」

 夕暮れ時の住宅街の道を、歌うように一音ごと飛びはねて進む。彼女は最後にくるりと回って、こちらを向いた。

 一緒にひらりとふくらんでは、見えそうで見えないところまでめくれあがっていた制服のスカートの裾も、ようやく重力に従って、すんなりとした足を隠す。

「それ、短すぎない?」

 俺は思わず頭に浮かんだままを口にしていた。

「なーにー? 聞こえなーい! ま、いーや! 次! じゃーんけーん、ぽん!」

 掛け声につられて慌ててグーを出せば、またもや俺は負けた。彼女はぴょんぴょんと四歩進んで、とうとう交差点の止まれラインまでたどりついてしまった。

「やった! 勝った! ポッキー独り占めー!!」

 さっそくブレザーのポケットから、小銭を出し合って半分こにした一袋を取り出して、開けて食べ始める。

 俺も彼女に自分の分を渡すべく歩み寄った。

「おー、さんきゅー! かわいそーな君には、私からの愛!」

 彼女は一本だけ俺の口に差し入れて、満面の笑みを浮かべた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ