「助けてくれてありがとう」「は?びしょびしょのお前を拝見するために拾っただけですけど?」
オレには、幼馴染がいる。
ことみだ。
ことみは、とにかくドジっ子のくせに気にくわない。
そしてことみは、バカでどんくさいのでよく攻撃を受けている。
なんなら今日も、まさに今攻撃を受けていた。
「おまえのランドセル、ピンクのキラキラとかさ、だせーの。なんなら紫も入ってんじゃん。どんなチョイスしてんだよ?服もフリフリでよ。どこかのお姫さま気取りかよ?」
と。
ことみは、よくまさつぐに絡まれる。
「よう、まさつぐ。またことみにちょっかいかけてんの?好きだよなー。ちんちくりんことりを」
「はあ?ば、ばっかじゃねーの?こんなちんちくりん好きなわけないだろ⁉︎」
「でもよ、いっつもことみのまわりうろついてちょっかいかけてんじゃん。好きならストレートにいけよ。男だろ?」
「ばか、ちげーよ‼︎ちげーからな‼︎」
まさつぐは、逃げるよう行ってしまった。
「ありがとう。舜くん」
ことみは、眉をひそめ涙ぐみつつ微笑んだ。
…
かわいいかよ⁉︎
…
「別に助けてねーから。あと、そのくん呼び気持ち悪い」
「え、なら舜って呼んでもいいの?特別?わたしだけ特別?」
「はあ?ちげーよ。特別とかじゃねーよ。ばーか」
「クスクス、ばかって言われちゃった」
「クスクスって、いうやついるとは思わなかった。」
「えへへ」
「ばかだな、おまえ…」
…
ことみは、ばかと言われて喜ぶ変人だ。
変人は、そのまま中学生になった。
「舜、一緒に学校行こ?」
「はあ?一人でいけよ」
「ねえねえ、昨日の先生の面白い話があってね」
ことみは、全くオレの話を聞かない。
そんなことみは、モテる。
小学生の頃からモテていたけど、さらにパワーアップしてモテている。
変人なのに…
…
「あ、ねぇ…今日さ、クッキー焼くの。食べに来てくれる?」
「は?ダリーからいらない」
「じゃあ、持っていくね。じゃ、またねー」
…
ことみは、強引な生き物に進化しつつある。
見た目は、儚い系女子。
しかし、中身は…
やっぱり…かわいい小悪魔なのかもしれない。
クッキーを持ってくるっていうから、仕方なく部屋で待っていた。
すると、きちんとやってくることみ。
そして、クッキーをテーブルにピクニック風に広げて、さあ、たべよ?と言ってくる。
…
お前も一緒に食うのかよ⁉︎
「なあ、半分持って帰っていいから自分の家でお前は、食えよ」
「え、やだよ?一緒がいいの。ほら、座って座って」
パンパンと、座布団に座れジェスチャーをすることみ。
で…
やっぱりだよ。
こいつ、食いものめっちゃこぼすんだよな…。
「おい、ことり。こぼしすぎ」
「わたしは、ことりじゃありません」
…
こぼしたことは、まるでスルーだ。
はぁ…
なんだかんだで…いっつもこいつのペースにもっていかれる。
そんなことみは、意外とスポーツ万能で活発的だ。
なんにもないところで、よくつまずくくせに、なぜか部活ではキャプテンだ。
はじめて部活のキャプテンの集まりに、まさかことみがいるなんて思いもしなかった。
あ、オレはバスケ部キャプテンだ。
ことみもなんならバスケ部です。
ジャンプ力は、抜群なことみ。
でも、それが事件のはじまりだった。
帰り道、なにやら人だかりができていた。
なんだ?と目を凝らしてみると…
はあ⁈
ことみが木に向かってジャンプしていた。
そして、風船をキャッチした。
そこまでは、いい。
しかし…ジャンプ力があることみは、風船を握りしめたまま、川に転落したのだ。
ばか‼︎
なにやってんだよ⁈
オレは、すぐさま川に飛び込んだ。
そして、ことみを救い出した。
「お前…死ぬ気かよ⁉︎」
「あはは…でも、ほら風船ゲット」
「ばかすぎるだろ…ことみは、ことりなんだかんな?まだまだことりなんだよ。」
「え、じゃあ、いつか巣立っちゃうね?」
「それは…」
「うそ、ことりじゃないから巣立たないよ?ずっと舜のそばにいる」
…
「ばかだなぁ」
「ふふ、それよりずっとわたしのこと離さないね」
「あたりまえだろ。お前泳げないんだから」
「そっか」
「まぁ、泳げても離さないけどな」
「え?」
「ほら、早く風船こどものところに持っていってやりなよ」
「うん、わかった。そしたら、拭いてあげるね。」
「いいよ」
風船を届けると、ことみがすぐに戻ってきた。
ハンカチは、バッグの中だから無事だと、差し出すことみ。
「さあ、ふきふきしましょうね」
「お前もずぶ濡れだろ。オレはいいから、自分を拭けよ。」
「わたしは、いいの」
…
「なんで…オレの顔ばっかり拭くんだよ」
「だって、さっき泣いてたから。」
「はあ?泣いてねーよ。濡れたからだろ」
「ううん。泣いてたよね?目真っ赤だよ?」
…
「ほんとは…死ぬんじゃないかって思った。ことみが」
「あー、さっきね。あははは…それは、わたしも思った」
「ふざけんなよ、だからばかなんだよ」
「うん、ごめん。」
「あんまり無茶すんなよ」
「うん、ごめん。」
「謝んなよ」
「うん、好き」
「はあ?おかしいだろ」
「ううん、おかしいのは、舜の涙腺」
「それ、お前のせいだから」
オレは、涙がとまらなかった。
「責任とるよ」
「なにがだよ…」
「責任とるから、だから泣かないで?」
「意味わかんねーから、もう帰れよ。風邪ひくぞ」
「うん、そしたら、また責任とるね」
「責任感強すぎだろ…」
「あはは」
ことみは、弱そうで強い。
「お前、モンスターだな」
「なにそれ?それより舜、好きだよ」
…
「バケモンに取り憑かれたかも…」
「あはは、ならギュ〜って取り憑くよ?」
「ばか、つめてーだろ。離れろ」
「やだ!離れないよ?責任とって、一生取り憑いてあげるんだから」
「こえーな。帰って塩でもまこう。そして、ことみをまこうっと」
「それは、ムリだよ?」
「なんでだよ?」
「だって、舜わたしのこと好きでしょ?」
「は?自信過剰オオカミほら吹き女やん」
「なんとでも言えばいいよ?でも、顔赤いよ?」
「だまれよ。あー、熱出たかも。だれかが川に飛び込むから」
「じゃあ、風邪ひいたね。責任とるよ」
「またはじまった。責任感つよつよおばけ」
「ふふ、じゃ、責任とらせてもらいます」
チュ♡
「はあ⁈なにしてんだよ⁇オレのファーストキスを…」
「ふふ♡」
「笑ってんなばか‼︎ファーストキスは、もっとロマンチックなときにするんだろーが‼︎」
「どんなとき?」
「しらねーけど、もっとなんか…あんだろーよ…」
「でも、いいんじゃない?好きならわたしは、どこでもいつでもいいけどな」
「へぇ、なるほどな。」
チュ〜♡
「え、舜…」
「好きなら、いつでもどこでもいいんだろ?これからは、覚悟しろ?いつでもどこでもキスしてやるからな。油断するなよ?」
「うん♡あ、今油断してるよ?」
「ばか」
と言いつつキスをした。
チュ〜♡
おしまい♡




