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「助けてくれてありがとう」「は?びしょびしょのお前を拝見するために拾っただけですけど?」

作者: 猫の集会
掲載日:2026/06/26

 オレには、幼馴染がいる。

 

 ことみだ。

 

 ことみは、とにかくドジっ子のくせに気にくわない。

 

 そしてことみは、バカでどんくさいのでよく攻撃を受けている。

 

 なんなら今日も、まさに今攻撃を受けていた。

 

「おまえのランドセル、ピンクのキラキラとかさ、だせーの。なんなら紫も入ってんじゃん。どんなチョイスしてんだよ?服もフリフリでよ。どこかのお姫さま気取りかよ?」

 と。

 

 ことみは、よくまさつぐに絡まれる。

 

「よう、まさつぐ。またことみにちょっかいかけてんの?好きだよなー。ちんちくりんことりを」

「はあ?ば、ばっかじゃねーの?こんなちんちくりん好きなわけないだろ⁉︎」

「でもよ、いっつもことみのまわりうろついてちょっかいかけてんじゃん。好きならストレートにいけよ。男だろ?」

「ばか、ちげーよ‼︎ちげーからな‼︎」

 

 まさつぐは、逃げるよう行ってしまった。

 

「ありがとう。しゅんくん」

 ことみは、眉をひそめ涙ぐみつつ微笑んだ。

 

 …

 

 かわいいかよ⁉︎

 

 …

 

「別に助けてねーから。あと、そのくん呼び気持ち悪い」

「え、なら舜って呼んでもいいの?特別?わたしだけ特別?」

「はあ?ちげーよ。特別とかじゃねーよ。ばーか」

「クスクス、ばかって言われちゃった」

「クスクスって、いうやついるとは思わなかった。」

「えへへ」

「ばかだな、おまえ…」

 …

 

 ことみは、ばかと言われて喜ぶ変人だ。

 

 変人は、そのまま中学生になった。

 

「舜、一緒に学校行こ?」

「はあ?一人でいけよ」

「ねえねえ、昨日の先生の面白い話があってね」

 

 ことみは、全くオレの話を聞かない。

 

 そんなことみは、モテる。

 

 小学生の頃からモテていたけど、さらにパワーアップしてモテている。

 

 変人なのに…

 

 

 …

 

 

「あ、ねぇ…今日さ、クッキー焼くの。食べに来てくれる?」

「は?ダリーからいらない」

「じゃあ、持っていくね。じゃ、またねー」

 

 …

 

 ことみは、強引な生き物に進化しつつある。

 

 見た目は、儚い系女子。

 

 しかし、中身は…

 

 やっぱり…かわいい小悪魔なのかもしれない。

 

 クッキーを持ってくるっていうから、仕方なく部屋で待っていた。

 

 すると、きちんとやってくることみ。

 

 そして、クッキーをテーブルにピクニック風に広げて、さあ、たべよ?と言ってくる。

 

 …

 

 お前も一緒に食うのかよ⁉︎

 

「なあ、半分持って帰っていいから自分の家でお前は、食えよ」

「え、やだよ?一緒がいいの。ほら、座って座って」

 

 パンパンと、座布団に座れジェスチャーをすることみ。

 

 で…

 

 やっぱりだよ。

 

 こいつ、食いものめっちゃこぼすんだよな…。

 

「おい、ことり。こぼしすぎ」

「わたしは、ことりじゃありません」

 

 …

 

 こぼしたことは、まるでスルーだ。

 

 はぁ…

 

 なんだかんだで…いっつもこいつのペースにもっていかれる。

 

 

 そんなことみは、意外とスポーツ万能で活発的だ。

 

 なんにもないところで、よくつまずくくせに、なぜか部活ではキャプテンだ。

 

 はじめて部活のキャプテンの集まりに、まさかことみがいるなんて思いもしなかった。

 

 あ、オレはバスケ部キャプテンだ。

 

 ことみもなんならバスケ部です。

 

 ジャンプ力は、抜群なことみ。

 

 でも、それが事件のはじまりだった。

 

 帰り道、なにやら人だかりができていた。

 

 なんだ?と目を凝らしてみると…

 

 

 はあ⁈

 

 ことみが木に向かってジャンプしていた。

 

 そして、風船をキャッチした。

 

 そこまでは、いい。

 

 しかし…ジャンプ力があることみは、風船を握りしめたまま、川に転落したのだ。

 

 ばか‼︎

 

 なにやってんだよ⁈

 

 オレは、すぐさま川に飛び込んだ。

 

 そして、ことみを救い出した。

 

「お前…死ぬ気かよ⁉︎」

「あはは…でも、ほら風船ゲット」

「ばかすぎるだろ…ことみは、ことりなんだかんな?まだまだことりなんだよ。」

「え、じゃあ、いつか巣立っちゃうね?」

「それは…」

「うそ、ことりじゃないから巣立たないよ?ずっと舜のそばにいる」

 

 …

 

「ばかだなぁ」

「ふふ、それよりずっとわたしのこと離さないね」

「あたりまえだろ。お前泳げないんだから」

「そっか」

「まぁ、泳げても離さないけどな」

「え?」

「ほら、早く風船こどものところに持っていってやりなよ」

「うん、わかった。そしたら、拭いてあげるね。」

「いいよ」

 

 風船を届けると、ことみがすぐに戻ってきた。

 

 ハンカチは、バッグの中だから無事だと、差し出すことみ。

 

「さあ、ふきふきしましょうね」

「お前もずぶ濡れだろ。オレはいいから、自分を拭けよ。」

「わたしは、いいの」

 

 …

 

「なんで…オレの顔ばっかり拭くんだよ」

「だって、さっき泣いてたから。」

「はあ?泣いてねーよ。濡れたからだろ」

「ううん。泣いてたよね?目真っ赤だよ?」

 

 …

 

「ほんとは…死ぬんじゃないかって思った。ことみが」

「あー、さっきね。あははは…それは、わたしも思った」

「ふざけんなよ、だからばかなんだよ」

「うん、ごめん。」

「あんまり無茶すんなよ」

「うん、ごめん。」

「謝んなよ」

「うん、好き」

「はあ?おかしいだろ」

「ううん、おかしいのは、舜の涙腺」

「それ、お前のせいだから」

 

 オレは、涙がとまらなかった。

 

「責任とるよ」

「なにがだよ…」

「責任とるから、だから泣かないで?」

「意味わかんねーから、もう帰れよ。風邪ひくぞ」

「うん、そしたら、また責任とるね」

「責任感強すぎだろ…」

「あはは」

 

 

 ことみは、弱そうで強い。

 

「お前、モンスターだな」

「なにそれ?それより舜、好きだよ」

 

 …

 

「バケモンに取り憑かれたかも…」

「あはは、ならギュ〜って取り憑くよ?」

「ばか、つめてーだろ。離れろ」

「やだ!離れないよ?責任とって、一生取り憑いてあげるんだから」

「こえーな。帰って塩でもまこう。そして、ことみをまこうっと」

「それは、ムリだよ?」

「なんでだよ?」

「だって、舜わたしのこと好きでしょ?」

「は?自信過剰オオカミほら吹き女やん」

「なんとでも言えばいいよ?でも、顔赤いよ?」

「だまれよ。あー、熱出たかも。だれかが川に飛び込むから」

「じゃあ、風邪ひいたね。責任とるよ」

「またはじまった。責任感つよつよおばけ」

「ふふ、じゃ、責任とらせてもらいます」

 

 チュ♡

 

「はあ⁈なにしてんだよ⁇オレのファーストキスを…」

「ふふ♡」

「笑ってんなばか‼︎ファーストキスは、もっとロマンチックなときにするんだろーが‼︎」

「どんなとき?」

「しらねーけど、もっとなんか…あんだろーよ…」

「でも、いいんじゃない?好きならわたしは、どこでもいつでもいいけどな」

「へぇ、なるほどな。」

 

 チュ〜♡

 

「え、舜…」

「好きなら、いつでもどこでもいいんだろ?これからは、覚悟しろ?いつでもどこでもキスしてやるからな。油断するなよ?」

「うん♡あ、今油断してるよ?」

「ばか」

 

 

 と言いつつキスをした。

 

 

 チュ〜♡

 

 

 

 

 おしまい♡

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