15. 5ページ 運命の栞
本のページが絶え間なくめくられる。
ペンが新たな運命を綴る。
ペンの持ち主は私に気づいていないのかただペンを進める
「ただいま」
「・・・」
「あのさ、おかえりぐらい言ってもいいんじゃない?」
「・・・君にそういう言葉はいらないだろ」
「そうだけどさ…」
私は寂しそうにその人を見つめる。余裕のないのはわかっているけどちょっとしたユーモアがあってもいいと思う。
ため息を付きながらその人の仕事を手伝う。まあ、今の私にできることといえば散らばった資料をまとめるぐらいだけど。
「どうだった【規制済み】、ってこの表現もだめなのか。じゃあ、どうだった【主人公】」
「その呼び方はいいんだ。まあ、なんとなく状況は読めたけど」
「いいよ。言葉は選ばす言ってごらん」
「オブラートに包んで言うと反吐が出るね」
「ははは!包みきれてないんだよなあ」
屈託のない愉快な笑い声が部屋に追加される。
「しょうがないだろう、私には理解できない考えなのだから」
今思い出しても反吐が出るようなあの行動の数々。見ていてとても不快だった。あれがもう一つの【規制済み】だとしても悪趣味すぎる。何より、それに突き合わせるかつての仲間たちにとてももう仕分けなくなる。
「これからだよ。今はゆっくり見させてもらおうかな―――【創造主】としてね」
何もできなというのはとてもつらい。が、仕方ないことだと割り切って観測に戻ることにした。私は再びページをめくる。
・・・君もあれを見届けてやってよ、この物語の結末を。




