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向日葵をあなたに  作者: 宇多良 和笹
ポビーを魔女に

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12/25

12ページ目 裁きが下る少女

悲劇を見終えたあと最初にシャルと出会った森に戻ってきた。しかし森はいつもの生き生きとした姿はなく、黒く燃やされ枯れていた。煤と灰の匂いが鼻につく。あたりは少し煙たく息苦しい。

眼の前にはとても巨大な生物が一人。もとの美しい女性とはかけ離れたとても醜いシャルの姿だった。体のは胸のあたりがぽっかり空いていた。そこからひび割れ黒い何かが溢れ出している。黒い何かは彼女の体にまとわりつき彼女のローブや三角帽子を黒く染める。目玉があった場所からは黒いヘドロがたれておりとても不気味だった。

おそらくこれがシナリオ崩壊なのだろう。彼女の心の奥底に眠っていた憎しみが“裁き”への執着に変わる。

私は改変の恐ろしさと真正面から向き合う。

―――これは殺し合いじゃない。彼女を助けるための戦いだ。


「裁きを…アイツラに…裁…きを」


うわ言のように呟く。シャルだったものは私に気が付き私に憎悪の感情を向ける。直後上から何かが降ってくる。


上から降ってきたのはギロチンだった。とても大きなギロチン。人一人を立っている状態でも切れてしまうような大きなギロチンが渡しん眼の前にあった。


「まじか…」


あまりの驚きに固まっているとシャルだったのもの周りに小さな炎が現れる。それはだんだん大きくなると見覚えのあるものを形成する。シャルが使っていた炎のレイピアだった。私は急いでギロチンの後ろに隠れる。金属となにか硬いものがものすごい勢いでぶつかる。レイピアの熱がギロチン越しに伝わる。速度も量もあの時とは段違い。本気で私を殺しきにきていることが伝わってくる。


「罪人…裁きを…罪人に…裁きを」


シャルの言葉が小さく響く。今にも消えてしまいそうなそれを私はただ聞くことしかできない。

私は禁書を開き、必死に考える。このままだとレイピアの熱と勢いでギロチンの後ろでやり過ごすのも時間の問題だ。だからといって森は焼け焦げたせいで燃えたりはしないが今の攻撃長くは防げない。生き残るために頭をフル回転する。

ふと、シャルだったものの方に目を向ける。レイピアの熱を受けているのはシャルも同じ。シャルだったものの周りに球場の何かが発生していた。おそらく魔法で熱から身を守っているのだろう。再現しようにも魔法を使えば確実に隙ができてしまう。

一番確実なのは耐火性能の高い物質を生み出すことだろう。だがこれも生み出すときに隙ができてしまう。だったらこのギロチンと森の木々を行き来して回避するのが一番いい。そう思いこのギロチンが持つまではここで待機することにした。


「なんで…私の…愛する…子達が…」


悲痛な言葉は誰にも届かなかった。

熱がジリジリと私を燃やしていく。暑さのせいか汗が私の頬を伝う。心臓の音がとてもうるさい。ただ不思議と恐怖心はない。むしろ今まで以上に頭の中がスッキリしていた。冷静に行動しようとしている自分に驚いているぐらいだった。


長く続いたレイピアの攻撃が止む。シャルの方を見ると黒くドロドロとしたなにかの量が少なくなっていた。よく見ると中央の穴からなにか光ってるものが会ったような気がした。時間が少し立つとまた黒い何かが元の状態に戻っていく。またあのレイピアの猛攻が始まろうとしていた。

私は急いで銃を構える。本人に銃弾は効かない、なら狙うは―――

シャルだったものがレイピアを形成しようとする。私はそれを狙って弾丸を放つ。銃弾は大きな爆発音とともにレイピアを破壊していく。形成しようとするそばからそれを潰していく。しかし全て破壊するのは不可能だった。破壊できなかったレイピアが私のもとに飛んでくる。わたしはギリギリのところで回避する。

何発もの銃弾とレイピアが交差する。

銃弾と爆発音が森の中を響く。

上下左右どこから飛んでくるかもわからないレイピアの雨が私を少しづつ追い詰めていく。一方私はレイピアの破壊しかできない状況だった。自分の命しか守れないなんとももどかしい状況に焦りが募る。しかし焦れば焦るほど命中率が落ちてしまう。森の木々を使いながらなんとか避ける。焦りと緊張で呼吸が乱れていく。私の体力はだいぶ消すられてしまった。


突然レイピアの攻撃が止む。突然何十個もギロチンが一斉に降り注ぐ。私は急いで回避する。背中にギロチンの衝撃が伝わるすぐそこまで来ていた―――また途中で攻撃が止む。

見るとまたシャルの黒い何かが枯渇していた。私はその隙を逃さずデザートイーグルからずないパーライフルに切り替え中心に数発打ち込む。

打ち込まれた弾丸は黒い何かを弾きながら貫通する。中で何か赤く光る。赤い輝きを持つそれは指輪だった。シャルが悪魔の男性からもらったあの思い出の指輪。おそらく禁書のコアなのだろう。

私は今が好機だと思い一気に距離を縮める。数分もすればまたコアが見えなくなる。持っていたスナイパーライフルを捨てて近距離で高火力が出せるショットガンに切り替える。


あと少し、禁書のコアに触れようとしたその瞬間―――首に衝撃が走った。


視点が一気に上に上がる。

息ができない。

地につかない足。

段々と酸素がなくなていく。


「グガっ…あ…ああ」


首に巻かれた何かを取ろうとするが何もできない。

血のけがどんどんなくなっていくようなそんな感覚。

必死に考え、一つの行動へ移す。

サバイバルナイフを具現化し、おそらく首の何かがつながっているであろうところを掴みそれを切る。


「ゲホッ、ゲホッ」


ドサッと鈍い音を立てながら地面に倒れる。一気に酸素が戻っていく。ひとまず危機は回避できた。

そう安堵してしまった。


「裁きを―――今ここに」


気がつくと頭に衝撃が走る。

何故か自分の胴体が見える。

自分の胴体は力なく倒れたところで気がつく。


私は斬首されたのだと。


そこで私の意識は徐々に暗転していった

―――この物語の結末を綴りながら次の物語を用意するのだった。

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