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第四話「文化」

カクヨムでも投稿しています!

「アニメ、ゲーム?なんですかそれは」

 高坂は驚いた。

「えーっと、まずアニメは動くイラストでストーリーがついてて声がついてる物ですね。そしてゲームは自分で操作できるアニメ……みたいな感じです」

 すると栗栖は、こう言いながら朝食を皿に並べていった。

「なるほど?面白そうですね」

 朝食の写真を撮っていた高坂は、アニメの話を聞いて思い出した。

「そういや、春葉にアニメショップとか無かったな」

 高坂と栗栖は、朝食を食べ始めた。

「あんまり日本の朝食と変わらないな」

 鮭のような魚と、炊いた米に味噌汁のようなスープ。

 ザ・純和風の朝食という感じの朝食だ。

「あっそうだ、僕この後色々予定があるので急がないと」

 高坂は朝食を食べた後、チェックアウトし予定の合流場所に向かった。


「それで、民宿の人が魔法を使って料理をしていたと」

 宮下は高坂にそう聞く。

「はい。何か問題が?」

 宮下は高坂にこう返す。

「いや、百多々の高官は魔法を使えるのが一部の人間だけだと言っていたからな」

 一部の人間。

 高坂は、この百多々に多くの人種が集まっているように感じていた。

 低い身長で若干緑に近い肌の色をした人を春葉の近くで見たり、栗栖は自分より高い身長で不健康なまでに白い肌をしていた。

「肌の色で分けるのはダメだとは思いますが、百多々って色んな肌の色の人を見ますよね。緑とか」

 すると宮下はこう返した。

「緑?」

 高坂はこう言った。

「えっ、見てないんですか?春葉に明らか子供のような身長で緑に近い肌の色をした人が居たんですよ」

 宮下はメモをしながらこう言った。

「そんな人は見てないな。後で高官に聞いてみるか」


 車は空軍基地に到着する。

「ここは久音空軍基地、国際空港の隣にあるが一般人は立ち入り禁止だ。まあ、君は特別だがな」

 空軍基地に入ると、特徴的な形の戦闘機が大量に並んでいた。

「これがSD-2戦闘機です。我が国は転移前大国に挟まれていたので、軍事的にも強化しておく必要があったんです」

 宮下はこう聞く。

「この戦闘機はどこ製でしょうか?転移前の世界での大国などから輸入したものでしょうか?」

 高官はこう言う。

「いえ、すべて国産です。我が国はこの10年で全軍備を国産化しています」

 宮下は驚きながら、高官に指示され飛行場の方へと向かう。

「さっき並んでたSD-2の中でも強化モデルがSD-2Tiです。恐らく入国前に見たと思いますが、アレです」

 宮下はこう聞く。

「形が飛行時と違うようですが、変形するんでしょうか?」

「はい。攻撃時にはもう一段階変形します」

 合体ロボットみたいだな、と高坂は思う。

「今日はエースパイロットがSD-2Tiの訓練飛行を行うので、是非見てもらって頂ければ」

 すると銀色の飛行服を着た、黒髪の少女がそこにいた。

「アリスさん……?」

 宮下は高坂にこう聞く。

「アリスって誰だ?」

 高官はこう言う。

「知ってましたか。彼女がエースパイロットの大波アリスさんです」

 高坂は驚く。

「えっそうなんですか!?昨日僕が泊まった民宿が実家らしくて、遭遇したんですが……」

 高官はこう言う。

「彼女は十七歳、空軍学校在籍中ですが、圧倒的な成績を叩き出し現在こうして空軍のエースパイロットとしても活動しているのです」

 高坂は驚きながら、彼女の乗る戦闘機が離陸するのを見る。


 その戦闘機は、一瞬目を閉じた隙にはるか上空へと飛んでいく。

「はっや」

 すると、高坂らの元に一人の男性がやってくる。

「三宅高官ー!小久江です!」

「おお、防衛大臣か」

 彼は小久江栄太郎。百多々自治政府の防衛大臣である。

「彼らが日本の方ですか。ようこそ百多々へ」

 予定としてはこの後大統領府にて会談が行われる。

「この後の会談ですが、高坂さんにも参加してもらいたい」

 小久江がそう言うと、高坂は驚く。

「えっ!?僕ただのプログラマーなんですけど」

 すると宮下がこう答えた。

「承知致しました。高坂も連れていきますので」


 数十分後、大統領府。

「それでは、百多々と日本の第一回会談を始めさせていただきます。」

「よろしくお願いいたします。」

 会談の最初の議題は、文化についてだった。

「日本と百多々はかなり文化が近いと高官に聞いたが、それはどれくらいだ?」

 百々原がそう聞くと、宮下はこう答えた。

「同じ国、といっても過言ではないレベルです。食文化や建築など、ほとんどの文化が日本と同様となっています」

 高坂は付け加える形でこう答えた。

「ただ、サブカルチャーに当たるものは日本の方が多くあると思いました」

 宮下は高坂を目でけん制する。

 百々原はこう答える。

「なるほど?まあ、我が国は大国に囲まれており軍事や科学に力を入れていたからでしょう。ただ、サブカルチャーに関しては日本の文化を是非取り入れたいですね」

 宮下はこう言った。

「私は専門外なので、それは文部科学省と相談してみます」

 その後も、会談は続いた。


「そういえば、この国に来てから今まで見たことのない人種の方を見かけたと高坂が述べているのですが」

 高坂はこう言った。

「緑や不健康なまでの白といった肌の色の方を見たのですが、それは人種によるものでしょうか。私たちは差別する気はありません。ですが、一応聞いておきたいのです」

 百々原はこう答えた。

「それはオークやエルフだと思います。先ほど行かれたと思いますが、久音基地のエースパイロットもエルフと人間のハーフです」

 高坂はこう言った。

「エルフが実在するんですか!?」

 宮下はこう言って高坂を止める。

「静粛に。ここは異世界から転移してきた国です。そのような人種もいるのでしょう」

 そのあとも、会議は続いていく。

 その途中、宮下の元に突然電話がかかってきた。

「んっ。椎野総理の準備ができました。映像をつなぎます」


 そこから、公式の首脳会談という形で会談が行われる事となった。


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