1
幼い頃から自分が嫌いだった。
女性のような自分の見た目が醜かった。
学校に行けば当然のようにいじめられる日々だった。
「肌白っwwwお前女かよwww」
「髪も長いし、本当にお前男かよwww」
そんなような事を毎日言われた。家にすらも安息の地は無い。父親からはよく「男のくせにナヨナヨするな!」「男らしく生きろ!」と言われ続けた。
中学生や高校生になって思春期が来ても、相変わらず自分の女々しい容姿と虐めは続いたままだった。
そんな自分を帰るために大学は、遠くの同級生が一人もいない大学に入学し、親元から離れて一人暮らしをすることにした。大学でも虐められないために自分は女装をする事にした。最初は不恰好なものだったが、日を増す事に上達していき、入学式の時には遜色なく女装する事ができた。
そうやって自分は女性だと偽りながら大学生活を過ごす中で、少数ながら友達を作ることができ、彼女らに何度か「可愛いね」と言われるようになった。
恐らくお世辞なのだろうが、それでも初めて褒められたことがとても嬉しかった。それから、少しずつ自分に自信が持てるようになった。
大学生活が順調に進み、20歳を迎えて数ヶ月経ったある日……
その日は肌寒く、もう少しで新年になる頃だった。
「ねぇねぇ、翡翠ちゃん!」
同じサークルで同級生の親友が声を掛けてきた。
「どうしたの?」
「もうすぐで新年だから今度さ、サークルで忘年会的なの開催するんだけど、翡翠ちゃんは参加する?」
「翡翠ちゃんって20歳だからお酒飲めるよね?」
忘年会のお誘いが来た。
確かに自分は20歳を迎えているからお酒を飲むことはできる。
しかし、自分はお酒が大の苦手だ。20歳になったばかりの時、自分のアルコール耐性を調べるためにお酒を飲んだ。その時は度数がとても低いお酒一缶だけで酔い潰れてしまった。
その日から、もうお酒は飲むまいとおもったのだが、お酒を飲む場へ勧まれてしまった。
「ん〜……どうしようかな……」
こういう時は断りたいのだが、性格が邪魔をして中々断れないのだ。
「ちなみに、桜春ちゃんは参加するの…?」
「もちろん参加するよ!楽しそうだし!」
「翡翠ちゃんも参加してくれると嬉しいな〜」
本人にはその気が無いのだろうが、自分には決して断ってはいけないような圧を感じてしまう。
「じ…じゃあ、私も参加しようかな……」
「本当に!? じゃあ参加するって幹事の人に言ってくるね!」
断れなかった……やはり、頼まれてしまうとどうしても断ることができないのだ。
しかし、1度言ってしまったことは仕方ない。今更参加をキャンセルする訳にはいかないので、行くしかないのだ。
次回に続く……
小説の執筆自体は前にも何度かやったことがあるのですが、やはり慣れないものです。
今回は同級生のとある方に触発されて自分も小説を書いて見ました。拙い箇所が多いですが、何卒宜しくお願いします。
続きに関してはある程度頭の中で構成が出来上がっているので割と直ぐに投稿できると思います。