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この花は咲かないが、薬にはなる。  作者: sirosugi
ストラ13歳 ラジーバ改革編

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158 薬師 優しく諭している時間がないので容赦しない。

 淑女らしさ、女子らしさはどこへ行った?

 マルクスを介抱しつつも砂上船を走らせること数日、行きの何倍もの速さで私は王都へと舞い戻った。本来ならば、アクアラーズのアレコレにてんてこ舞いになっているであろうマルクスを回収してから王都に向かう予定だったけど、途中で拾えたおかげでショートカットできたことも大きい。

「は、早い。さすが精霊。」

「まあね、私もびっくりだよ。」 

 はい、嘘です。便利なクマ吉便のおかげで小さいときは辺境伯家とハッサム村を何度も往復していたので、想定の範囲内です。

「・・・俺はとんだ勘違いをしていたな。砂漠ならば、君の力になれると思っていたが、傲慢もいいところだ。」

「ははは、そんなことないですよ。」

 ショボーン耳を垂らさないで欲しい。罪悪感がやばいのよ。数週間程度離れただけなのに、なんかワンコ度が上がってませんか?

「マルクスには感謝してるわ。思惑があったとしても、ラジーバへの招待はありがたかったし、道中の案内も丁寧だったし、私たちが旅行に集中できるように気を使ってくれたじゃない。」

 自分でどうにかできると、自分でするというのは違う。王都へ至るまでの道中、マルクスは私に気を配ってくれた。過保護すぎるのはあれだったが、放置されるのは放置されるで寂しい。

 あれ、寂しい?

 別にそんなことないし。前世は仕事ばかりでそれでどころじゃなかったし、ストラ・ハッサムとして生きてきた今の人生も精霊さんや魔法の力で趣味と研究に慢心してたから寂しいなんて考えたこともない。

 ハッサム村の人達はみんな家族みたいに雑に扱ってくれる。メイナ様や辺境伯家の人の人たちものすごく私を構ってくれるし、なんだかんだ甘やかしてくれている。それでいて、私のすることを見守り自由にさせてくれる。

 思えば、家族以外でここまで私にかまってくるのはマルクスが初めてかもしれない。出会って間もないころは狂犬のごとく何度も噛みついてきたのも今思えば懐かしい。妹のソフィア様は、リットン君ありきとはいえ、最初から仲良しだったし。

 うん、あれだ。吠えまくる厄介なワンコが、懐いてくれて、嬉しいんだろう。

「追ってきてくれたこと、ちょっと嬉しかったですし。」

 気づくとそんなことを言っていた。

「ま、任せてくれ、頼りにならないかもしれないが、いつだって君の傍に俺はいる。」

 ああ、イケメンって弱気な状態だと魅力が3割増しになるからずるいわー。

「そうですか、じゃあ、謁見の間、大人しくしててくださいね。マルクスに話してもらうときは、こちらから、ふります。」

「心得た。任せてくれ。」

 言ったな。その言葉を後で後悔しないように。

 そんなことを思いながら、私たちは早足で王城を進む。側近さんにサンちゃんを連れて、緊急の案件と事前に伝えてもらっているので、今回はサクサクだ。


「おお、ハッサム嬢、よくぞ戻られた。アクアラーズの件は王城にまで話が届いている。それとまたとりみんぐをしてもらいたい。」

 前の謁見の時と同じ長い廊下。本来は膝をついて獣王の言葉を待つのが礼儀なのだが、今回は入るなり、上機嫌なマクベス王が話しかけられた。

 ストラ嬢の言動の一切に不敬は問わない。以前の約束を口実にちょっと馴れ馴れしいというか雑な扱いいをするマクベス王だが、側近たちも気にした様子がない。だがこれは好都合。


「おりゃあああ。」


 謁見と同時に駆けだして、獣王の顔面に膝蹴りを叩き込んだ。

「「「ちょっと待てい。」」」

 声を出せたは居合わせた王族3人で、反応できたのは獣王マクベス様だけでした。

「問答無用。」

 私の膝と顔面を手のひらで抑えこむマクベス王、不意打ちでありながら、私の身までかばってやんわりと受け止めるのは紳士的でかつ熟練者のそれだ。絶妙な力加減で捕まった私は、それ以上の追撃が出来ない。蹴りの威力が集約した一点と首を抑えられ、私は動くこともできない。

「ふむ、鋭く良い一撃だ。メイナスを倒したというのもうなづける。」

 得意げに私の膝蹴りを評しているのは、その手並みなら納得でもある。だが、即座に反撃をしないのは甘い、甘すぎる。

「あがががががががが。」

 私を持ったまま、急に痙攣するマクベス王。異常に気付いてすぐに私を手放したのは良い判断だが、触れた時点で勝負は決まっている。

「えげつない、あれは避けるしかないんだよな。」

「おい、マルクス、あれはなんだ。あの女、父上に何をした。」

「メイナス兄上、ストラです。あの女呼ばわりはやめてください。」

「いやいや、そんなこと言ってる場合か?」

 驚く息子たちと状況の理解できない側近たちの前で、獣王は膝をついて、蹲る。

 何をしたか?簡単だ。魔法で電気を帯電させた状態で膝蹴りをしてスタンガンのように感電させただけだ。この世界に置いて電気と言えば雷ぐらいであり、電気療法とかスタンガンのような武器は存在しないし、電撃魔法なんてものはレアだ。電圧とか電子などの知識から、スタンガンを再現した私の切り札。知っていたのは、実験台になったハッサム村のやんちゃどもとマルクスぐらいだろう。

「あがががが。」

「大丈夫です、痺れはすぐに収まります。それでも、私の勝ちってことでいいですよね?」

 ちなみに漫画やアニメだと、スタンガンで気絶させるなんて描写があるけど、あれは嘘です。スタンガンは電気ショックによって筋肉を痺れさせて一時的に動きを止めるだけです。場所や出力次第ではそのまま筋肉や細胞が止まってしまうことがるので、いたずらに使うようなことはやめましょう。めっちゃ痛いです。

「あがが、そうだな。こうなっては私の負けだ。」

 痛みと痺れにピクピクしながらも、楽しそうに笑っているマクベス王は、立派でしたわ。


 さて、急な蛮行であるが、これにはちゃんと理由がある。けして八つ当たりではない。

「ラジーバの掟の一つ、長の決定に不満があるものは、決闘でその是非を問うことができるだったわよね。それは出自や種族を問わないだったはずよ。」

 蹲る獣王を見下ろしながら、私は周囲に確認をとる。

「そ、それは。」

「というか、なぜ急に?」

 こんなノウキンかつホコリの被った掟がまだ存在する国家だ。何を馬鹿な事をとも思うけど、今回は色んなアレコレを少しでも省くために先に獣王をノックアウトさせてもらった?

「なぜに疑問形?それに、これが決闘か?」

「常在戦場、王たるものは常に備えよでは?」

 不意打ちじゃないか? か弱い少女相手にそんな言い訳を獣王ができるとでも?止められなかった側近連中も含めて王の力であり、助太刀も上等である。それを踏まえて蹴散らす覚悟があった。

 むしろ、あっさり決まりすぎて逆に驚いているよ。何やってんの?

「面目ないことこの上ない、此度の決闘は我らの敗北だ。ストラ嬢、何でも要求されよ。」

 結果としてマクベス王の男らしい一言で、文句を言えない空気となった。一番何か言いたそうなメイナス王子は、マルクスに睨まれてなんか大人しくなっている。

 まあ、これは必要なことだ。精霊王と砂漠に関わる話、それは時間との勝負だ。

「私の要求はただ一つ、今から私が話すことをすべて信じろ。以上。」

 理路整然な説明?伝統とか国家の威信?信じがたい?そんなものに対応している時間はラジーバにも私にもない。



ストラ「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。なんて言ってる場合じゃないのよ。」

マルクス「キュン。」

獣王「息子の将来が心配になる・・・。」

 精霊王の件や、マルクス王子との関係もあり、実は過去一余裕がなく暴走気味な

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