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この花は咲かないが、薬にはなる。  作者: sirosugi
ストラ13歳 ラジーバ改革編

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152 ストラ 狐愛を思い出す。

 新しい精霊さんの登場です。

 ワイルドなジャングルクルーズは小一時間ほど続き、ロザートさんたちがスタミナ切れでギブアップ宣言がでたあたりで終了し、私たちは最深部へとたどり着いた。。

「くるるるるる(ここより先は安全ですから。)」

「だって、お疲れー。」

 疲労回復効果のある栄養ドリンク(ハチミツ味)を2人の口に流し込みながら、私は目の前に広がる光景を観察し、そのスケールに驚いていた。

 

 緑のドーム。誰もが最初はそう思うだろう。びっしりと覆われた緑の壁は上質な和紙で作られた提灯を見ているように美し、降り注ぐ陽光は雲の合間から降りそそぐ春の日差し、下草は刈り揃えられた絨毯のような芝生と、まるで楽園のような場所だった。だが、よく見ると、それらは中央にある巨大な樹木の枝と葉によって構成されたもので、巨大な木の下にいることに気づけた。

 すごく大きい。

 この木、何の木なんか目じゃないほど大きな樹木は100メートルは離れているはずなのに太い幹の存在がはっきりとわかった。それだけバカでかい木だ。その威容はまるで

「・・・世界樹?」

 感動していると周囲の草むらから多数のケモノが飛び出して砂上船を取り囲んだ。真っ白な体毛をした犬のような見た目、だけど三角なお耳と尻尾の先と目元の毛は黒い。その黒い目元を細めてこちらを観察する顔、その顔が何とも言えず印象的。

 怒りとも悲しみとも違う、あれだ、虚無とも取れる感じなのに、愛嬌があるあの顔は。

「チベットスナギツネだ、」

 ネットで一時期流行った彼ら。名前通り、チベットやネパールなどの標高2,500m以上の高地に生息していると聞いたことはあるが、その特徴ゆえに、動物園では出会えないレアキャラだ。もちろん生で見たのは初めてだ。

「コーン(なにようか?}」

「コーン(返答次第では、同胞とて攻撃するぞ。)」

 コーンって、鳴いたよ、コーンって。そして、警戒している顔もあの虚無顔だー。

「くるるるる(遠方の同胞と、私の恩人を招きました。敵意はありません。)」

 東北の狐牧場へ行ったことがある。だから知っているけど、狐はあんまり鳴かない。鳴いても「ギャー」って犬っぽい唸り声だったと思う。コンコンと鳴くのは求愛の時だけだったか?

「コーン(いや、何やらこちらを怪しげな目でいるが。)」

「くるるるる(先ほどまで魔物に襲われていたのです、気が立っているのでしょう。)」

 ちなみに、狸や狐は、哺乳類食肉目、犬科に分類されている。その中から骨格などの違いでタヌキ属とキツネ属と分けられている。似たような生き物にアナグマがいるけど、アナグマと狸の見分けがつく人は少ないんじゃないだろうか?サイズ感とか?

「じじじ(ここが母様の生まれた場所。)」

「ふるるるる(うちは先々代が生まれたって聞いたな―。)」 

 狐はジャッカルや狼の系統に近いらしく、古典などでは、狼や野犬の妖怪だったりすることもある。まあ狼とかよりも、黄色とか赤みがかった狐の方が神秘的なイメージがあったんだろうと私は推測している。狸の丸っこいフォルムもいいけれど、狐はイケメンだ。シャープな顔に対して以外と毛深くモフモフ、何より尻尾がフカフカな感じがする。物語では小賢しい生き物扱いされることが多いけど、愛情深く、見知らぬ赤子を育てることもあるらしい。あと、黒い狐もめっちゃかわいい。もうね警戒心なく丸くなって寝ている姿がキュートなのよ。

「グルルルル(そろそろ話を進めない?)」

「ああ、うん、そうだね。」

 久しぶりの狐成分に現実逃避してしまった。私は居住まいを正しながら船から飛び降りてチベットスナギツネへと近づく、野生動物相手には危険な行為だが、相手は意思疎通可能な精霊なので、まずは平和的に交渉だ。できたら尻尾に触りたい。

「コーン(小さきものよ、この地になにようか。)」 

「ああ! だれが小さいって。」

「じじじ(落ち着いて。悪気はないはず)」

 思わず、最大レベルの魔法を放り投げようとして、ハルちゃんに突っ込まれて我に返る。

「いやーごめんごめん、魔物が近くにいたから気が立ってたみたい。」

 なんか前世とかゲームとか思い出して高ぶっていたらしい、

「コーン(な、なんだ今の魔力は)」

「こ、こーん(あれは、極地に至った者か?)」

 あれれオカシイな、なんか怯えられてる。たしかに魔力スキルに関しては、ゲームのカンストレベルまで鍛えたけど、私なんてまだまだだよ。なんならそろそろリットン君にも抜かれるし。

 とにもかくにも警戒を解かなければならない。うん目的だ。目的が侵略とか狩りではないことを伝えないと。知性の無い魔物ならともかく、言葉を理解できる精霊相手にこと構える気はない。というか、お狐様をいじめるやつがいるのか?この態度的に、いそうな感じなんだけど。

 私はそんなことしないよ。だって・・・。

「てかさあ、白熊さん、来たのはいいけど、どうしよう。」

「くるるるるる(ええっと、どうしましょうか?)」

 今更ながらノープランでここまで来ていた。あえていうなら、物見遊山の観光なんだけど。

「コーン(精霊と会話しているだと。)」

「コーンコーン(我らの言葉も理解している、ということは聖女か。)」

 いやいや、聖女はメイナ様です。私はただの田舎娘ですよ。とごまかしたいけど、お座りの姿勢で頭を下げるチベットスナギツネ達がかわいくて、それ以上は何も言えなかった。


 そんなわけで、精霊の里についてそうそう、私は狐たちに取り囲まれている。はい幸せです。

「コーン(なるほど、強者の匂いだ。)」

「コーン(同胞が懐くのも納得できる。)」

「コーン(おい、なんか食い物をくれ。)」

 モフモフに囲まれもみくちゃにされるが、これはこれで、いや話が進まない。

「で、ここにいるのは君たちだけなの?」

「こーん(はい、我ら狐族は精霊王とこの地を守護する役目を担っています。)」

「精霊王ねー。」

「こーん(ご案内しましょう。)」

 いや、めっちゃ断りたいんですけど。ダメだよね。


ストラ「キリンさんが好きです。でもきつねさんはもっと好きです。」

 チベットスナギツネを出したいがためにラジーバ編があるまであります。

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