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この花は咲かないが、薬にはなる。  作者: sirosugi
ストラ14歳 ラジーバ改革編

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148 ストラ 逃亡を図る。

 ラジーバ旅行の後半戦です。

 なんかんだアクアラーズに滞在すること一か月経っていた。

 海鮮三昧かつ、目に見えて目減りする産業廃棄物のおかげでストレスフリーな日々に私は大変満足していた。

 満足していたのですが。

「くるるるる(眷属から連絡がありました。)」

 それは朝食に焼き魚定食を楽しんでいるときだった。白熊さんが私の元を訪れて厄介なニュースをもってきた。

「くるるるる(獣人の王子がそろそろ到着するようです。)」

「うげ。」

「くるるるる(あと数日ほどで到着しそうだそうです。)」

「マジかよ。

 ちなみに今食べているのはアジっぽい魚の開きだ。魚を干して保存する習慣はあったが、さばいてから干すという発想はなかったので、前世の知識でなんちゃって開きを披露したら、数日で改良がおこなわれ港の定番料理となった。切り身にすると食べるところが少なくなるからねーアジとかって。味噌があればなめろうとかも作りたい。

「じじじ(現実逃避乙)」

「あ、そうだったね、マルクス王子がきちゃうかー。」

 呆れた様子のハルちゃんに言われて私は思考を改める。


 これはメンドクサイ、もといまずいことになりそうだ

 

 私がラジーバを旅行しているのは、王国で色々やらかして面倒な立場になったからだ。最強最悪と言われた皇帝を引退に追い込み、帝国を解体させた魔女であり、万能薬すら作れる薬師。それだというのに身分は男爵で王国への忠義も高い。そして、若くて美人なのに独身。

 と、王国の独身貴族たちからすると非常に優良な物件である私は、縁談や養子縁組、脅迫や暗殺まがいの嫌がらせなど色んな問題が降りかかろうとしていた。

 それにブチ切れたのが、私の実家の寄り親である辺境伯リガード一家だ。彼らにとって私は、過去に奥様を救った恩人だ。そうでなくても娘の親友でもある私のことを実の娘のように大事にしているリガード夫妻は、娘の嫁ぎ先(予定)の王家も巻き込んで私のことを様々な分野で守っていてくれた。おかげで私に手を出すのはよほどのバカか、世間知らずのボンボンぐらいだった。

 だが、王国で疫病が流行ったことや帝国の侵略を経て、私の株がバカ上がりしてしまったことで、火中の栗を拾いたいという欲を抑えきれない輩が出てきてしまった。

 それまでは下級貴族と侮っていた貴族子息からのアプローチが増え、茶会や夜会などへの招待が増えた。学業を理由にほとんど断っているが、立場的に断れない会では、明らかに誘導されて、口説かれる。

 まあ、精霊さんという最強の護衛がいる私やメイナ様に強硬姿勢を取れる殿方などいるわけもなく、お世辞からの甘ったるい言葉を駆けられる程度だったけど。

 13歳の少女に手を出すってロリコンかよ。っておじ様やお兄様にも口説かれたときは鳥肌がたった。

 そんなこんなで、当事者である私は留学という形で国外へと逃がされ、王国では不埒者の成敗と、積極的な縁組が行われているらしい。

 うん、お見合いという名の強制婚姻って、怖いねー。自由恋愛派の子たちや、予備扱いされていた次男三男からは、積極的に縁談が進んで感謝しているらしいって風の噂で聞いたけど・・・。

 このままハッサム村へ帰って引き篭もりたい。

「うーん、どうするか。」

 状況を考えれば、王国へ帰ってもいい。すでに3ヶ月以上近くラジーバを旅行しているので、国王の約束は果たしたと言えなくもない。面倒な都会の喧騒を忘れて故郷のハッサム村へ帰ってスローライフを再開してもいい。緑化もアクアラーズの人達が張り切っているのであとは任せてもいい。しかし、今後の人生でこれほどの旅行をすることはきっとないだろう。そう思うと、もう少しだけラジーバの各地を見て回りたいとも思うわけだ。

 同時にこれ以上居座ると、今度は、私をラジーバに取り込もうとする勢力が調子に乗りかねない。そんな心配が頭の片隅にはある。マルクス王子が私に粘着しているのがその証拠だ。リットン君が婿入りするのはいいが、私は砂漠に骨を埋める気はない。

 となると、悠長にラジーバを観光というわけにはいかないわけだ。

「くるるるる(それならば、一度、我々の里へお招きしましょうか?」

 そんなことを相談していたら、答えは白熊さんがだしてくれた。

「里って、精霊の里ってこと?」

「くるるるるる(はい、我ら砂漠の精霊たちが住まう場所です。)」

 それって、好感度を上げまくったうえで、いくつかの試練を乗り越えた先で行ける、ラストダンジョンみたいな場所では?






ストラ「あとは任せた。」

街の人「聖女様からのご神託ジャー」

 確実に信徒が増えていることから目をそらすストラさん。

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― 新着の感想 ―
干物は輸出商品だから影響デカいぞ。 耕作可能地が増えれば肥料用の雑魚やら貝殻やらの需要も増えるし。
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