第4話 町についた
あれから歩みを進め、途中で休憩も挟みながら、ようやくたどり着いた町だった。
遠くから見える入り口の門を見ると、開け放たれたままだったし、おかしな点もある。
「門番がいないよ?」
こういう世界では、お決まりの門番が居ないというのはあり得ない事なので、やや警戒を強めることにする。
「ふーん、これから何かが起こる、そういうこと?」
「よく判りませんが、敵ということでしょうか?」
二人には、緊張感が伝わった様だったし、警戒しながら町に近づく。
すると、門前には2つの人の大きさの影と、それの半分くらいの大きさの影が10体は現れた。
「これが闇に囚われたモノ、なのかな」
そう考えている間にも、武器の創造をすましておいて、回りを見渡すが他にも隠れては居なさそうだ。
「気配は、全部で12」
「追加は無ければよいのですけどね」
それは、フラグと言うやつだよと、ツッコミを入れたかったが、小さい影が目前にまで迫ってくる。
隙を狙いつつも、剣激を繰り返してようやく1体目を倒した。
『ゴフリンクが登録されました』
ゴフリンクって何だよって、ツッコミもしたかったがまだ残りは多く居るし、二人を見ればあちらも戦っている。
そして、先程の言葉の通りに追加も現れた。
「雑魚は任せるよ!」
こういう場合は、あの2つの影を倒すのを優先した方がいいのだろうと、駆け向かう。
「わかった。なら私はこれで、種族魔法:風の息吹」
そう言うと、一緒に付いてきて回りの敵を大剣で薙ぎ払ってくれている。どうやら魔法の効果で風を巻き起こしてくれるみたいだ。
「これは、ついでに!」
前に居る2つの影に向けて放てば、吹き飛んで後ろの壁にぶつかる。
「多いですわね」
後ろの方で聞こえる声も、多さには辟易しているようなので、素早く決着を着ける事にしよう。
「ごめん!」
何に対してなのかわからないが、1つの影を起き上がる前に倒してしまい、残りの方を向けば、立ち上がっていてロングソードを構え直している。
こちらも何度か打ち合いを繰り返しては、隙が生まれるのを待ち、相手の剣を弾き飛ばしてから止めをさす。
後ろを振り替えれば、まだ残り数体居るのでついでに片付ける。
◇???
「門番が倒されちゃった」
「管轄は、誰ですの?」
「・・・」
「炎の担当の所の配下でして、まだ実力の程は」
「はっはっ、久々に楽しめそうな相手が来たか!」
「未熟」
「あの町は、まだ我らの部下を備える前だったしのう」
「グゥ?(疑問)」
「アイツらが、送ってきたからだからさ」
「十分に、警戒する」
「・・・(頷く)」
「そこまでの相手、なんですね?」
「あやつらか」
「御意」
「理由はわかった。早めに準備を勧めるとしようかのう」
「グィ(同意)」
「それと、アレ以外には伝えておいて」
「次は、出るように」