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side story:田所 春香②

ーーーーーー数年後ーーーーーー


あれから数年がたった今、私は医者になった。大学一回生の頃は建築学部だったが医学部に変更し医者を目指した。医療関係には元々興味はなかったが、鈴花が刺された時何も出来なかった自分に腹が立ち考えが変わった。鈴花を救えなかった分、他の人の命を救おうと人一倍努力した。そしてやっと医者になれた。やっと人を救える人になれたのだ。


(鈴花…やったよ…なれたよ…医者に。)


「ふぅ〜疲れたぁ〜…。ご飯は…もういっか…。」


今日はまた手術があり夜まで働いていた。正直ヘトヘトだ。何もしたくない。


(寝る前に少しだけゲームしよ…。)


大学生の頃鈴花におすすめしてもらったゲーム。今、私は「あなた時々私。」という乙女ゲームにハマっていた。紹介してもらった時は乙女ゲームに少し抵抗がありやっていなかったが暇なときにふと思い出しやってみたところどハマりした。


「きゃは〜!今日もイケメンやわぁ!ノア様ぁ!!」


私の推しはノア・クレメンスというキャラクター。幼いときに義姉から虐待を受け少し棘があるがそこがちょうどいいのである。だから私はその義姉に少し感謝している…。だが推しを虐待した人物であるためとても嫌いである。


(レジーナ・クレメンス…もし貴様に実際に会える日があるのならばその時は色々物申したい!)


「僕は普通じゃないって…ノア様…貴方はそれでいいの!そのままでいいの!くっ!」


独り言を言いながら毎日このゲームをやっている。このゲームには色々な要素が盛り込まれているから飽きないしストーリーもすごく凝っていて何回やっても感動する。そうこうしているうちに夜中になってしまうのでいつも焦って寝ている。


(鈴花がいたら語れたのになぁ…。)


鈴花が亡くなった後にハマったのでもう少し早くに手を付けておけばと後悔をしている。


(次に鈴花に会うときまでに全コンプしておかないと…!)


ーーーーーー翌日ーーーーーー


「田所さんおはよぉ〜。」

「原さん、おはよ。」


職場の同僚と横断歩道で偶然会い挨拶を交わす。


「珍しいなぁ〜原さんが歩いて来るの。いつも車で来んのに。」

「点検に出したんよ…。なのでしばらくの間愛車とは離れ離れ…。(泣)」

「あ〜ね。」

「ま…正直歩いて行ったほうが早いねんなぁ〜歩いて10分のところを車で20分かけてるから。」

「じゃあ何で車で来んねん…。(笑)」

「ん〜愛車の自慢?」

「やば…。(笑)」

「そんな引かないでよ…ほら行こ!」

「はいはい。(笑)」


信号が青になり横断歩道を渡ろうとした時猛スピードでこちらへ向かってくるトラックが目に入った。


「原さんっ!!危ない!!」


とっさに体が動いた。思いっきり原さんを押した。だがトラックが早すぎて私は逃げ切ることが出来なかった。


「田所さんっ!!」


(痛い…痛い…。鈴花…。鈴花もこんな感じだったのかな?ありがとう…鈴花…今からそっちに行くね…。あぁ…でも最後にノア様のお顔を拝見したかった…。)

次回は6/17・19・21です!お楽しみに!

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