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HAPPY END  作者: あっ1:11
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てるてる坊主

オリオン王がナイト国王に即位してから2年。オリオン王は平和をスローガンに掲げて外交を行ってきた。その甲斐あって、2年間で隣国と友好関係を築きあげ、紛争で絶えなかったナイト国に平穏が訪れた。


しかし、その代償として隣国に有利な貿易条約を結んだり、紛争地を譲渡したりするなどナイト国の国力というものは低下した。


国民の大半はそれでも平和が訪れるなら、と納得していたが、それが気に食わなかった連中も当然存在する。


そんな連中によって形成された組織が、テロ組織「レイン」である。


レインは、長年紛争で戦ってきた元軍人によって幹部が形成されていると言われている。国のために戦ったにも関わらず、新しい国王が勝手に土地を譲り渡して終わらせてしまったことを不満に思ったのだ。


レインの目的はオリオン政権を終わらせ、ナイト国の威厳を取り戻すことである。そのため、度々テロ行為を行い、オリオン王に攻撃を仕掛けている。この間もナイト国の右大臣邸に爆弾を仕掛けた。爆弾は不発に終わったが、レインの存在はナイト国を脅かし続けている。


 国は2つのレイン対策組織が存在する。「てるてる坊主」と「アンブレラ」である。


「てるてる坊主」はレインという存在自体を消そうとする組織、「アンブレラ」はレインの行動を随時防ぐことを目的とした組織である。


レインの幹部は元軍人リストから確認することができる。そのため、顔がバレているのである程度幹部の行動をマークすることが出来ている。そしてテロ行為を未然に防ぐのだ。


以前まではこの2つの組織で、レインのテロ行為を防ぎ、その度に幹部を数名逮捕することに成功していた。しかし、レインが幹部の他に実行係を作るようになってからは容易に防ぐことが出来なくなった。


実行係はオリオン王に不満を持っている一般人の中から選ばれ、信用度に応じてナンバーで呼ばれる。

オリオン王批判サイトの中に隠されたリンクをクリックした人や、オリオン王批判政党の選挙演説を聞きにきた人を実行係として勧誘した。

実行係は幹部の作戦を実行する。一般人まではマーク出来ず、テロ行為が成功してしまうということだ。

この間右大臣邸に爆弾を仕掛けたのも実行係の仕業だと判明している。


そこで俺たち「てるてる坊主」が思い付いた作戦は実行係に紛れることだ。

実行係に勧誘されるために一年間オリオン王の批判活動を続けた結果、ようやく俺はNo.8として実行係になることに成功した。


このまま実行係として潜伏し続けてあわよくば幹部に関する情報を引き出すくらいには信用度をあげたい。


だからこそ、ある程度ボスのミッションはこなすつもりであった。このミッションが下る前までは。


「No.7を殺せ。」


ボスの嗄れた声がリフレインする。


あくまで平和のために活動しているんだ。いくらテロ組織の実行係とはいえ、殺すのはいかがなものだろうか。


俺はようやく電話に出た「てるてる坊主」のリーダーに相談するつもりだ。


「こちら香川。リーダー話があります。」

「おい香川、何時だと思ってんだ!」


そういや、まだ朝早かったな。

ボスからのミッションですっかり目が覚めてしまっていて忘れていた。


「で、話ってのは?」


リーダーは朝早くの電話で緊急事態だと察しているのだろう。電話越しでも誰かに聞かれまいと小声であった。

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