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MISSION:No.7を殺せ
「to〜toるtoッッる〜♪to〜toるtoッッる〜♪」
不安定で今にも壊れそうな旋律で目が覚めた。
ボスに普及された携帯電話の着信音だ。
ボスと連絡を取るためだけの携帯電話であり、ボス以外にこの携帯電話の電話番号を知らないため、確認せずとも電話をかけてきた相手は分かる。
重い瞼を擦りながら、携帯電話を手に取った。画面に写った時刻は朝の4時だった。
こんな時間に電話?
訝しげに思いながらも電話を取った。
「こちら、No.8。ボス、どうなさいましたか。」
顔も知らないボスの嗄れた低音ボイスが鼓膜を刺激する。
「No.8、お前に隠密ミッションを与える。」
隠密ミッション?
“8番手の俺に?“
「MISSION:No.7を殺せ。」
ボスの声量は決して大きくはなかったが、この言葉が耳にこびりついたままで、この後のボスのミッションの詳細を聞くのに邪魔で仕方なかった。