俺は、、
い
俺がホスト?こいつはなにを言ってるんだ、、。
「ホストってあれだろ、、話を聞く限り、格好良くないとだめだろ、俺には無理だ」
「大丈夫だって!お前、けっこう人気あんじゃん!」
本当に何を言ってるんだ、、人気があるのはアルフィスの方だ。
燃えるような紅い髪に瞳、体格もよく顔もいい。ちょっとお調子者の所があるが、常に明るく女性からの人気もある。
「いや、、俺は、、」
逆に俺はというと、、余り他にはいない黒髪黒目、無表情と言われることもあるくらい愛想が無く、身長が高いこともあって不気味がられているんだろう、、依頼を受けにギルドの受付嬢に持っていくと、よく緊張している様子が見られる。
「…相変わらず自覚がねぇのな」
「ん、なんか言ったか?」
アルフィスが呆れたような様子で、なにか呟いている。
「なんでもねーよ、まぁ無理にとは言わないが、、お前はどうする?冒険者、続けるか?」
「…そうだな、俺にはそれしかないからなぁ、アルこそ、1人で店できるのか?」
「俺の方は大丈夫だ、冒険者を引退して安全な職につきたいってやつはそれなりにいる。まぁなんとかなんだろ」
こいつは持ち前の明るさで、誰とでもすぐに仲良くなるからなぁ。
「そうか…それじゃあ俺たち『双龍』は解散ってことだなぁ、、」
「あぁ…シン、俺の都合ですまない、、そうだ!なぁシン!お前が依頼なんかで手に入れた魔石や、食材を俺の店に直接売らないか!?場合によっちゃその方がシンは儲けが出るし、俺も安く食材なんかが手に入れば助かる!!」
「なるほど」
確かに、、アルにしてはいい案だ。
魔石(さまざまな属性が付与した石)や、食材なんかはギルドに売ろうにも安く買いたたかれることもよくあることだ。
他に卸し先ができることは悪いことじゃない。
「…頻繁には持ってこれないかもしれないぞ?」
「いいって!いいって!手に入ったときでいいんだよ!」
「わかったよアル、とりあえずお前はこれから開店準備で忙しくなるんだろう?お前の冒険者引退のことは俺からギルドに伝えておくよ」
「ありがとよ!シン!頼むぜ!見てろよ!!すぐに店開いて、大人気店にしてみせっからよ!」
俺たちは拳をぶつけ合い、笑いながら別々の道を歩むことを決意した。
こうして、俺はソロの冒険者になったわけだ、、さてと、ギルドに報告しに行くか、あぁ騒ぎになるんだろうなぁ…はぁ~。
ギルドへの報告と、そのあとの騒ぎを考えながら重くなった気がする足を動かして歩いていくのだった。