ホストになるわ
「…俺、冒険者やめようと思うんだ」
「・・・はっ!?」
コイツ、いきなり何言ってやがる!ついに頭イカれたか!?
「ついに頭イカれたか」
「おい、口に出てんぞ」
おっと、口にでてたか。
俺はシン、つい今しがた冒険者をやめるとかほざいてるアホは相棒のアルフィス。
俺らは田舎から冒険者になって、そのまま2人でAランクにまでなった、まぁいわば高ランク冒険者だ。
登録当初は駆け出しのFランク、冒険者ギルドの依頼を受け、達成していけばランクが上がり、さらに報酬がいい依頼を受けられる形だ。、、、危険度もランク相当に上がってはいくが。
俺と、アルはずっと2人でやってきた。幼馴染で戦闘中の考えや動きなんかも分かってたから、2人でどんどん依頼をこなした。
せっかくAランクまできたのに、こいつはいきなり何を言い出すんだ、、。
冒険者の最高ランクはSランクだ、、まぁほんの一握りしかいないがな。
「気は確かか、アル。冒険者やめるって、、やめてどうするっていうんだ」
俺らには腕っぷししかない、、冒険者をやめるなら田舎に帰って畑でもやるしかない。
「…俺はなシン、店を持とうと思ってるんだ」
「店?」
いったいどんな店を開こうっていうんだ
「俺は、、この街でホストクラブをやる!」
…なに言ってんのか分からん。
「ほすとらくぶって、なんだ?」
聞いたこともない単語だ。
「よくぞ聞いてくれたっ!ホストクラブっていうのはな?女の子をおもてなしして楽しんでもらうお店だ!」
…だめだ、こいつが何言ってるか全然分からん。
「女の子を…おもてなし?いったい何をいってる、、」
「シン、考えてもみろ、街にある店には女の子がいて男を喜ばす店はたくさんあるだろう?」
まぁそれはそうだ、冒険者は男が多い、そして依頼次第では金の身入りがいい。
その冒険者狙いの可愛い女の子がいるお店は確かに多い。
「だが!だがしかし!逆のお店があってもいいと思わないか!?」
テンション高いなコイツ、さっきまでの辛気臭い真面目な顔はどこいった、、。
「逆ってことは、、女性をターゲットにしたお店、、、それも飲んで歌って騒げるお店ってことか?」
「その通りだっ!!!!」
びしっと指を突き付けてくるアル、、指をさすな、指を。
「その名もホストクラブ!!俺のようなイケメンが女の子をおもてなしして、楽しんでもらえる!そんな店を、俺は開く!!」
俺に突き付けていた指を天に向け、声高らかに宣言したアル。
…道の真ん中で大声で出すな、指を空に向けるな、、ほらみんな変な眼で見てくるじゃねーか。