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余り皮が毛を巻き込んで痛いあの現象を嫌って皮を剥くのを厭うていたから包茎が治らないのではないかと思ってバリカンでちん毛を刈ったら大変快適である。読者諸兄もぜひ試してみて欲しい

 筋肉ダルマで見るからにオカマのカマホリー氏が、クエストを受注できないGランク重度仮性包茎の俺にかわって、【ゴブリン討伐】のクエストを受注してくれたので、二人で街の近くの森へ向かう。なんでもゴブリンが大繁殖して近隣の農家に被害が出ているので、間引きを行って欲しいらしい。

 ゴブリンってのは下級のモンスターで、見た目は二足歩行の蛙って感じ。馬鹿だし弱いし臭いし汚い。こっちもとにかく汚れるし、化物とはいえ二足の人型をぶっ殺すのはだいたいの人は忌避感があるのでやりたがる奴が少なく、難易度の割には意外に実入りがいいのだそうだ。


「ドリャーーーーーッ」


 カマホリー氏が身の丈ほどもある大斧をぶん回すと、ゴブリンが数匹まとめてミンチになる。めちゃグロい。


「あらやだ、アタシったら【どりゃー】なんてはしたない」


 出会った当初こそケツアナに一抹の不安を覚えたが、カマホリー氏はものすごくいい人だった。

 道すがら、ギルドの仕組みや気をつけるべき事、冒険者としての立ち回りやおいしい仕事まで、つぶさに説明してくれた。

 こんな筋肉ダルマに森に連れ込まれたらケツアナガバガバになってしまう、とかビビっていた自分を張り倒したい。いや、やっぱり今でもちょっと怖い……めちゃくちゃ強いし……なんで武器一振りでゴブリンがバラバラのミンチになるの……


「一匹そっちに行ったわ!なんとかしてちょうだい!!」

「了解ッス!!うおおおお!!ファイヤー!!」


 裂帛の気合とともに両腕を突き出し、火炎魔術を行使。うおおおおおおおお燃えろおおおおおおおおおお!!!


 ぴゅっ。


 棺桶に片足突っ込んだ老人の射精みたいな、小さな小さな火の粉が飛び出して、ゴブリンのおでこにペチッと命中の後、ジュッと軽い音をたてて消滅した。


「…………」


 俺もカマホリー氏も、ゴブリンすらも無言で静止した。咳払いの後、カマホリー氏が斧を振り下ろしてゴブリンをひき肉に変えた。

 これでとりあえず、遭遇した一団は片付いた。


「ホークちゃん……あなた、あまり冒険者に向いていないかも」

「ッッッッス!!!ちょーーーっと待ってくださいよ!!次!!次はいいとこ見せませんで!!」


 情けないが【アレ】を使うしかないようだ。



「ファイヤーーーーッ!!!!」


 再び遭遇したゴブリンの一団に、俺は火炎魔術をぶっ放していた。

 先ほどとは異なり、両腕からはのたうつ大蛇のような火炎が吹き出して、ゴブリン共を焼き払う。先頭集団は黒焦げに炭化してぶっ倒れた。


「へへん、どうスか!!」

「確かになかなかね……でも」


 敵討ちとばかりに、炭化したゴブリンを乗り越えて次の集団が来る。


「クソッ!!リロードォ!!」


 むきっ。


「それ、何とかならないのかしら?」


 魔術とは、神様のふりをして世界を騙す。

 神様のちんぽが露茎なら、俺は仮性包茎の皮を剥けばいい。

 俺は重度の仮性包茎のため、剥いても数秒で皮は元に戻ってしまう。だがその刹那に、魔術を行使すれば、露茎と遜色ない魔術が使えるのだ!!※大きさが変わるわけではないので、あくまでGランク相当

 皮をむくためにパンツに突っ込んだ左手を引っこ抜き、両腕をつきだして叫ぶ!!


「ファイヤーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」


 ゴオーーーーーーー……ぴゅっ。


 ゴブリンを焼き払っている途中で皮が戻ってしまい、また老人射精のような火の粉がでて打ち止めになる。好機とばかりに殺到してくるゴブリンズ。


「クソーーーーッッッッッッ!!カマホリーさんたすけて!!皮にお毛毛が絡まってうまく剥けないのっ」

「はあ……」


 そんな調子で、俺達はゴブリンをぶっ殺して回った。

 


「ここがゴブリンたちのハウスね」

「いかにもッスね……」


 森の奥深く、目の前にジメジメした洞窟が現れた。

 中からはギーギーというゴブリンの鳴き声が複数聞こえる。もうあからさまにゴブリンの巣だ。


「どうします?なんかけっこーな数いそうッスけど」

「まあ、数が多くても所詮ゴブリンよ。やっちゃいましょ」


 肩に斧を担いで突撃の構えをするカマホリー氏。


「あ、ちょっと待ってもらっていいすか?まだ隠し球あるンすよ」

「ええ……」


 げんなりそのものといったような表情を浮かべるカマホリー氏を尻目に、目を閉じて精神集中。深呼吸の後、脳裏に浮かべるのは――――


【さっきのギルドの受付嬢を素っ裸にひん剥く。イヤ!やめてください!ええい、聞かん聞かん!!受付嬢の☓☓☓を☓☓に☓☓☓☓☓☓☓し、ビクビクと☓☓☓る☓☓☓☓を☓☓☓、☓☓☓を☓☓☓☓、☓☓☓に☓☓☓☓……】


 ムクムクムクッ!!!


「!?」


 カマホリー氏が目を剥いて、俺の股間を注視する。


「嘘、6.2センチなんじゃ……」


 ギルドの測定は所詮平常時のちんぽサイズ。確かに包茎短小右曲がりだが、俺は腐っても貴種だ。俺が唯一誇れる【膨張率】を見よ。勃起した俺のちんぽは優に15センチを超える。膨張率250%だ!!

 ついでに皮もむいておく。


「まあ、勃起して15センチ位なら、割りとありふれてるけどね……」


 自嘲とともに両腕を突き出し。


「ファイヤーーーーーーーーーーーーッ」


 爆炎!!

 ちんぽ15センチオーバー。それは(非勃起時であれば)ギルドでAランク認定を受ける数字。

 俺の隠し球。それは「勃起することで世界に俺を巨根と誤認させ、神様パワーをビンビンに引き出す」というものだ。勃起しながら魔術を使う馬鹿なんて聞いたことがない。俺以外には……

 まあ、相当な精神統一が必要だ。クソ庶民の読者諸兄も、やれると思うならやってみるがいい。オカズなしで任意に勃起させることが、いかに難しいか。全く意識してない時には勝手に勃起して困らせてくるくせにな……


 15センチパワーにより、洞窟内の隅々まで火の手が回っているようだ。洞窟の入り口から、黒焦げになったゴブリンがよろよろと出てきてぶっ倒れる、の流れが何度も繰り返されている。


「12匹……13匹……変ね、多すぎる」


 カマホリー氏が親指の爪を噛みながら何か思案している。乙女な仕草やめーや。

 それはさておき、俺は放火を続ける。もっと燃えるがいいや!!はいだらー!!


「グゴゴゴゴゴ」


 放火を続けていると、唸り声とともに炎の中にでっかい黒い影。


「!!いけない!!ホブゴブリンよ!!ホークちゃんさがっ」


 黒い影が躍りかかってきた。

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