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ながれ星を おいかけて

作者: 夜狩仁志

「冬の童話祭2022」参加作品です。


童話ですので、~小学2年までを対象としてます。


ので、なろう小説としては、面白くないです。


 北の、北の、もっと北の、いちばん北の、

 さむい、さむい、もっとさむい、すごくさむい ところに、


 白いキツネの親子がいました。


 雪のつもる、とってもさむい、夜のこと、

 子キツネは、お母さんキツネに、くっついて、あたたまっていました。


「お母さんと いっしょにいると あったかいね」

「こんな さむい日には ながれ星が 見れるのよ」


「ながれぼし ってなに?」

「空に 光る お星さまが あるでしょ?」


「うん」

「あれがね おちてくるのよ」


「おちてくるの?」

「そう 上から おちてくるの」


 子キツネは、頭をかくしました。


「ぶつかったら いたいよね」

「だいじょうぶよ おちる前に 3回 ねがいごとを すれば なくなるから」


「ねがいごと?」

「ながれ星を 見るとね ねがいごとが かなうのよ」


「なんでも?」

「そうよ いい子にしてれば なんでもね」


「見たいなー ながれ星」

「いい子にしてれば、見れるわよ」


 それから子キツネは、さむい夜でも、空を見てました。


「こないかなー ながれ星」


 そのときです。

 ひとつの大きな光が、ゆっくりと、うごき出しました。


「あっ! きっと あれが ながれ星だ」


 星はゆっくり、ゆっくりと、うごいていきます。


「早く ねがいごと しないと どこかに 行っちゃう」


「えーと なににしよう」


 子キツネは、にげていく、ながれ星を、おいかけました。



 おいかけた先には、

 トナカイさんがいました。


「ねえ ながれ星 みなかった?」

「ながれ星? それなら むこうに 行ったよ」


「ありがとう。トナカイさんは なにを おねがいしたの?」

「わしは 強くなりたいな」


「つよく?」

「そう いつも にげてばかり だから」


「ボクも 強くなりたいな」

「キミは 強くて りっぱな はが あるじゃないか」


 ながれ星は遠くに、にげてしまいました。



 次に、おいかけた先には、

 アザラシさんがいました。


「ねえ ながれ星 みなかった?」

「ながれ星なら、むこうに とんでいったよ」


「ありがとう。アザラシさんは なにを おねがいしたの?」

「ボクは はやく 走れるように なりたいな」


「走れるように?」

「そう 走るの にがてだから」


「ボクも はやく 走れるように なりたいな」

「キミは ここまで 走ってこれた じゃないか」


 ながれ星は、また遠くに、にげてしまいました。



 次に、おいかけた先には、

 カモメさんがいました。


「ねえ ながれ星 みなかった?」

「あっちの 遠くへいったよ」


「ありがとう。カモメさんは なにを おねがいしたの?」

「わたしは ゆっくりできる おうちが ほしいな」


「おうち?」

「いつも たびを してるからね」


「ボクも ひろい おうちが ほしいな」

「あなたには あたたかい おうちがあるでしょ」


 ながれ星は、また遠くに、にげてしまいました。



 次に、おいかけた先には、

 シロクマさんがいました。


「ねえ ながれ星 みなかった?」

「そいつなら むこうに とんでったさ」


「ありがとう。シロクマさんは なにを おねがいしたの?」

「オレは 空が とびたいな」


「ボクも 空を とびたいな」

「おまえは 高く ジャンプ できるじゃないか」


 ながれ星は、また遠くに、にげてしまいました。



 次に、おいかけた先には

 イルカさんがいました。


「ねえ ながれ星 みなかった?」

「ながれ星は そっちのほうに とんでいったよ」


「ありがとう。イルカさんは なにを おねがいしたの?」

「ボクは おいしいモノ いっぱい 食べたいな」


「ボクも おいしいモノ 食べたいな」

「キツネくんは なんでも 食べれるから いいよね」



 次に、おいかけた先は、

 子キツネの、おうちのある、ほうです。


 ながれ星は、ゆっくりと、おちていきます。


「あれ? ボクの おうちの方に 行ってる?」


「どうしよう ながれ星が おうちに おちたら」


「お母さんに あたっちゃう!」


 子キツネは、いそいで、ながれ星を、おいかけました。


 ながれ星はゆっくりと、おうちの方へと、おちていきます。


「おねがい おちないで。お母さんに あたらないで ぶつからないで……」


 ながれ星は、だんだん小さくなり、そして、おうちの中に、入っていきました。


「お母さん!」


 子キツネは、あわてて、おうちの中へ、帰ってきました。


 おうちの中は、明るくて、あたたかい、光に、つつまれていました。


 そこには、お母さんキツネが、まっていました。


「おかえりなさい どこへいってたの?」

「ただいま お母さん!」


 子キツネは、お母さんキツネに、とびつきました。


「どうしたの?」

「よかった お母さんがいて」


 お母さんキツネは、子キツネを、あたたかく、つつんでくれました。


「あのね ながれ星を 見つけたんだよ」

「そうなの? よかったわね」


「それとね いろんなひとと あったんだよ」

「いっぱい お話しできたの?」


「うん」

「ねがいごとは 言えたの?」


「ねがいごとは……わすれちゃった」

「あらあら」


「でも いいや。お母さんと いっしょに いれば」

「さあ もう おそいから ねましょう」


「うん」


 子キツネは、お母さんの、あたたかい、しっぽに、つつまれながら、思いました。


「やっぱり このままが いちばん いいな」


お母さんキツネの、しっぽからは、

おいかけてきた、ながれ星の、

やさしい、においが、しました。

数ある作品の中からお読みいただき、ありがとうございます。


また別の作品でお会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読み終わると、ほっこり心が温かくなるようなお話でした。 様々な動物と出会い、おうちがいちばん、自分っていいな、そう思えるようで、いいなと思いました。 童話らしい語り口で、繰り返しとリズ…
[良い点] 面白かったです。いろいろなお話の要素が入ってるんですね。 冬の童話祭の要項では、締切後の誤字脱字の修正や加筆は禁止されていないと思います。
[一言] 青い鳥のようなお話ですね。 幸せはもう手にしているんですね!
2022/01/15 12:46 退会済み
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