妹のおかげでしょうか?
今日は私の結婚式です。
ミアと間違えられたあの日から半年が過ぎました。
あの後お父様が侯爵に手紙を送り、事の真相を知った侯爵が慌ててうちに謝罪しに来ました。
侯爵はとても真面目な人でした。どうしてあんな正反対の息子が出来たのだろう。
お父様も私の次の婚約が決まっていたこともあり、すんなり解消の手続きを行い今回の事は口外
しないと取り決めて決着としました。
その1ヶ月後に私はルーク様と正式に婚約しました。
私の両親も彼の両親もとても乗り気で私たち以上に盛り上がっていたのには驚きました。
それから3ヶ月程して、ミアとアラン様は喧嘩をして、あっという間に別れてしまったのには呆れました。
まあ2人とも飽きっぽい性格の似た者同士だから、多分こうなるとは思ってましたが。
その後何かと私にアラン様が接触しようとするので、両家の話し合いで結婚を急ぐことにしました。
さすがに横やりを入れられたくないですしね。
それにしても自分勝手な理由で1度婚約を解消しておいて、またアプローチしようとするなんて、どこまで厚顔無恥なんでしょう。
そのうち天罰でもくだってほしいですわ。
ミアはアラン様との破局後、お父様の目も気にせず殿方をとっかえひっかえしております。
そろそろお父様も彼女の処遇を考えはじめています。
このままでは修道院にでも入れられるかもしれませんが、これ以上伯爵家の家名に泥をぬられないためには致し方ないでしょうね。
私はウエディングドレス姿を姿見に映して、最後の点検をしているとノックが聞こえました。
「はい」
ドアが開きルーク様が入ってきました。
私を見るなり顔を真っ赤にする。
「ルーク様?」
「す、すごく綺麗だエレナ」そう言いながら極上の笑顔を向けてくれる。
私の旦那様になる方はとても純情で一途に私を想って下さる。
そして誰にでも優しく、気遣いも出来る。
何より同じ感性で話が合うのだから一緒に居ることがとても幸せだ。
あの時図書館に行かなければ、彼と出会っていなかっただろう。
あの時ルーク様と話さなければ、彼の心に残らなかっただろう。
あの時ミアがアラン様にちょっかいをかけなかったら…
あの時アラン様が婚約解消を言い出さなかったら…
1つでも起こらなかったら、今の結果はなかったかもしれない。
そう思うと勝手なアラン様のおかげでもあるのかしら?
そしてわがままでどうしようもない妹の…
あの子のおかげで私は幸せになれるのかもしれない。
わがままなミアありがとう。