1話 剣侍郎
成人するまではここに居ていいからね!
そう言っていたはず何だけど…中学を卒業し帰宅した
学校に行ってる間に孤児院は廃業したらしい
らしいと言うのは何も聞いて無いし、聞かされてもいないからだね
生まれた時から親 家 金 なんて無かった、孤児院の前に置かれていたのがこの俺さ!
そんな俺が住んでいたのが孤児院だった、それが突然綺麗さっぱりなくなってしまったから大変だ!
そこからは街中を走り回り、求人情報をみて住み込みの場所にアタックしていた
下手な鉄砲数撃ちゃ当たる、何て言うが下手すぎた
オマケに中卒だから余計に避けられる
それでも何とか住み込みで雇ってくれた店があった
老夫婦で回してる中華食堂だった、賄いも用意してくれてとても良くしてくれた
そんな店も数年で閉店した、歳で引退するんだって
ごめんなさいね、なんて言われたけど俺にとっては
感謝しか無かった、少し多めに最後の給与を貰い密かに貯めていた金で中古の軽ワンボックス車を買った
免許なんて持ってないし、取りにも行けない金ないし
だから軽ワンボックスを買ってそこに住むことにした
買う所も田舎で個人の流行って無い店を選んだ
手続きも早く終わり即日納車でキーを受け取りそのまま乗り出し海に向かう
目標ポイントはキャンプ場、今はオフシーズンで人が居ないし駐車場なら無料でOKだからね
途中のリサイクルショップに寄り買い物をする
生活必需品をなるべく安く揃えないと文無しになる
大型のリサイクルショップだから品揃えは多かった
最近のアウトドアブームで特設コーナーがあった
特売品と大きなPOPが貼ってある、そこで粗方の物は揃っているようだ、必要な物を揃えていこう
まず、店全体のフロアを見て回る
ここなら欲しい物は殆ど揃うな、思っていた予算より下回りそうだ!
衣装BOX4つ、クーラーBOX、3段棚、プラコップ
プラ皿、ガスコンロ、ソーラー充電器+バッテリー
作業着、ツナギ、釣り竿、まな板、包丁、ナイフ
その他色々と買った、思ったより安かったのと掘り出し物が有った、これでも予算内だから結界OKだ!
会計を済ませ車に乗り走り出す
1時間程でキャンプ場の隣りの駐車場に着いた
ここなら、海も近いし水道にトイレもあるし安全だよ
ここまで来て夕方だ、車の中のセッティングしないと
一通り終わった所ですっかり夜だ、空は星が一面に見える、海が近いから少し冷えるな、疲れたから寝るか
車の屋根からドォンって音で目が覚めた、ん?何だろ
外を見ると猿が数匹車にイタズラしている様だな
玩具のトイガンを持って窓を開けて撃つ、パァン!
これは音しか出ない玩具だよ!
猿達は山に帰って行ったから、こっちも食材GETの
時間だな、正面が海で反対側に山がある絶好の場所
釣り竿とクーラーBOXを持って防波堤に移動する
海面を覗くと、おお!いるいる魚さん達が一杯だな
これなら釣りの仕掛けはサビキで行けるな
よっと、おお型は小さいが鯵が一気に5匹掛かった
1時間やってかなりの数が釣れた、いや〜大漁大漁♪♪
天気も良いし、今日は鯵三昧のコースだな
よっと竿を出した瞬間!痛っ、静電気かよもう!
同時に大きな落雷が落ちた、大きな砂埃が舞う
砂埃が静まった防波堤には、落雷が有った跡以外は何も残っていなかった
1つのクーラーBOXがそこに転がっていた