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薄暗い部屋の中は、蝋燭のぼんやりとした炎の灯だけで照らされていた。その中央、アンティークの丸テーブルの上に置かれたティーセットで手慣れた手つきで紅茶を入れながら、男は気分よさげに鼻歌を歌っていた。
「ついに始まったね。ボク達のゲームが。え? 楽しそうだなって? そりゃあね。だってずっと待っていたんだから。でも、そういうキミだって、今日は随分気分が良さそうだね。キミが楽しそうだと、ボクも嬉しいよ」
そういうと男は楽しそうな笑みを浮かべたまま、手にした紅茶を一口飲んだ。
「うん、そう。全部王位継承者だよ。沢山いたね。先代の王に感謝しなくちゃね。うん。数は多いに越したことないからね。選びがいがあるってものだよ。うん。綺麗な子が多かったね。ボクの好み? ふふ、キミが一番良くわかってるんじゃないのかな? そう。今日は本当に機嫌がいいね」
男は穏やかな口調で楽しそうに談笑していたが、ふと、その瞳に真剣さを宿した。
「うん。でも、本当に重要なのは彼らだよね。罪人候補生。だって、このゲームの勝敗は、彼らが握ってるからね。そうでしょう?」
男はそう言うと、カップの中の紅茶を一気に飲み干した。静かにカップをテーブルへ置くと、ふふふ、と楽しそうな笑い声が漏れる。
「楽しみだな。この中の誰が、“ツミビト”になるんだろう?」