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薄暗い部屋の中、男は楽しそうにカップに紅茶を注いでいた。
「ゲームも二日目を迎えたね。各チーム個性が見え始めて中々興味深いよ。キミはどのチームがお気に入りかな? ボク? ああ、聞かなくてもわかるって? そうだよね」
男は穏やかに笑うと、手に持っていたカップの紅茶の香りを楽しむようにゆっくりと吸い込んだ。
「あれはズルくないかって? ボクを責めているのかい? だって、仕方ないじゃないか。ボクだって早く探し出したいんだ。キミだってわかるだろう? ボクとキミは同じ気持ちだと思っていたのに、残念だな。え? そういうつもりじゃない? なら良かった」
男はそう言うと手にしていた紅茶を一口飲んだ。
「ああ、早く会いたいな」
ぼつりと零れた男の独白が、静かな部屋の中に響いた。




