最悪な第一印象
「はーい、誰でもいいので二人組を作ってください」
賑やかな教室で、パンッと両手を合わせながら先生が一言そう言った
きっと誰もが一度は耳にする言葉だろう。各々が席を立ち“誰と組むか”“もう〇〇ちゃんは私と組むから空いてませーん”なんて会話をする中、微動だにせず窓から外を眺める女の子が一人…
“吉沢優奈です、友達はいりません”
自己紹介の時、そう言って悪い意味で皆の注目の的となった女の子だ
当然そんな子とペアを組もうなんて人は一人もおらず、“吉沢さんと組んであげなよ”“ちょ、まじ勘弁。会話続かねぇわ”等と聞こえるように陰口を言われているが、本人はそれを気に留める様子もない。女は怖いなぁ…なんて思いながら、斯く言う俺も彼女にいい印象は持っていない。持つ人なんていないだろう。そんな事をぼーっと考えていると…
「なんだ、まだペアが決まっていないの?
ちょうど吉沢さんもいないみたいだし、じゃあ雨宮君と吉沢さんがペアということで」
にっこりと微笑みをこちらに向ける先生の言葉に、一瞬何を言っているのか理解ができず頭が真っ白になった。よく話をする友達の方へ目を向けると、“すまんな。他のやつに誘われちまって”と眉を下げながら謝る仕草をしている。
………………最悪だ。なんでよりによって吉沢と……
心の中で悪態をつきながら、決まってしまったものはしょうがないと自分に言い聞かせ
「よろしくな!女子と組むなんて照れくさいけど、まぁこれも何かの縁ってぇことで」
周りの女子がクスクス笑い、“雨宮おつかれー”なんて囃し立てられながらも、俺はいつもの無駄に高いテンションで挨拶をしながら彼女に手を差し出した。それに返ってきた答えは…
“その嘘くさい笑みを向けるのやめてくれる?気持ち悪い”
あぁ……嫌いだ、こいつ
心の底からそう思った。




