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男!岩田剛太郎の秘密  作者: やのへい
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第五十八話 相撲の起源は鬼ごっこ

パン&スープパーティーの後は、ちゃんこ鍋パーティー。

第五十八話 相撲の起源は鬼ごっこ


その男の名は、岩田剛太郎。

高校3年生18歳、ゴツいのは名前だけではなく、見た目もゴツい。身長185cm体重135kg、柔道部主将、屈強な体。目つきも鋭く、強面、かなりゴツい男。

見た目に反して、この男、気は優しく、あまり怒らない。

頭も良く、県下でトップクラスの進学校(一高)に通う。文武両道の男。

ただ、彼には、人に言えない秘密があったのです。


 夏目家のダイニング。いよいよ、スープ&パンパーティーが始まる。リビングから、移動してきた、剛太郎、祥子、祥子父一郎。

剛太郎「凄い、ランチですね。」

祥子「いっぱい作ったから、剛太郎君、たくさん食べてね。」

祥子母律子「コーンスープ、ポタージュスープ、トムヤムクン、わかめスープ、卵スープ、ワンタンスープの6種類よ。全部で2タンクは、あるわよ。パンは、フランスパンのバゲットとチーズパンよ。」

祥子父一郎「さあ、みんなで頂こうか。」

4人がテーブルに着く。

剛太郎「今日、蒼太君は?」

祥子「えっ、剛太郎君家じゃないの?」

剛太郎「それでか、今日子のやつ、来ないのかって誘ったら、大事な用があるからって言ってた。」

祥子「剛太郎君の家で、お菓子作るって言ってたわよ。楽しんでるんじゃない。」

剛太郎「そうだね。それにしても、お母さん、こんなにたくさんご用意頂いて、本当にありがとうございます。」

祥子母律子「全然平気よ。それに今回は、思わぬ人も手伝って頂きましたから。」

剛太郎「思わぬ人・・・。」

祥子父一郎「わしだよ。」

剛太郎「えっ、お父さんも手伝われたんですか?」

祥子「パン生地こねるの、力仕事だから、お父さんに頼んだの。」

剛太郎「お父さん、すみません、僕のせいで。」

祥子母律子「いいの、いいの。剛太郎君が食べるパンだって言ったら、わしがこねるって張り切って手伝って頂きましたから。」

祥子父一郎「台所に立ったのは、何年ぶりかな。以外と楽しかったよ。」

祥子「お母さん、じゃあ、夕飯は、お父さんに作ってもらったら?」

祥子父一郎「久しぶりに、ちゃんこ鍋作るか?」

祥子母律子「いいんですか?ちゃんこ鍋なんて、何年ぶりですかね。」

祥子父一郎「律子、あとで、買い物に行こう。わしが作る。剛太郎君も食べていってくれ。」

剛太郎「はい、ただ夕食までご馳走になるのはしのびないです。」

祥子父一郎「大丈夫だ。自宅にも連絡しときなさい。わしのちゃんこ、是非食べて貰いたい。」

祥子「お父さんのちゃんこ鍋、かすかに覚えてるかな。」

祥子母律子「そうね。祥子が3歳くらいの時に作ったのが最後じゃないですか?」

祥子父一郎「そんなになるかな。蒼太が生まれた時に作っていた以来だな。腕は落ちとらんと思うぞ。」

祥子母律子「さあさあ、先ずはランチとしましょう。剛太郎君、ちゃんこもあるかもしれないけど、たくさん食べてね。」

祥子父一郎「ちゃんこ前に、庭で相撲を10番ほど取れば、腹も空くだろう。」

剛太郎「相撲10番ですか。」

祥子「お父さん、怪我しない程度にね。」

祥子父一郎「では、頂きます。」

祥子・祥子母律子・剛太郎「頂きます。」

4人が、スープとパンに舌鼓を打つ。

剛太郎「スープ最高です。パンも堅さも味も丁度いいです。全部食べてもいいんですか?」

祥子母律子「ええ、ええ、全部食べていいのよ。お口に合って光栄よ。祥子にもこの味は伝授済みだから、将来も安心ね。」

祥子「ちょ、ちょっと、将来って。」

剛太郎「将来が、どうしたんですか?」

祥子「ううん、何でもないよ、剛太郎君。お母さん、変なこと言わないでよ。」

祥子母律子「いずれは・・・、ねえ。」

祥子「お母さん・・・、もう・・・。」

スープ&パンパーティーを楽しんだ4人であった。


食事を終えた4人。祥子と祥子母律子は、後片付け。剛太郎と祥子父一郎は、リビングで話していた。

剛太郎「お父さん、日ユ同祖論にもお詳しいんですね。」

祥子父一郎「いや、ユダヤ教とキリスト教の授業で学んだくらいだよ。」

剛太郎「では、失われた10支族はご存じですか?」

祥子父一郎「ああ、少しなら知っているよ。その中でも、日本に来たのはエフライム族ともう一種族だったかな。」

剛太郎「ガド族かイッサカル族とエフライム族ですね。」

祥子父一郎「聖書には、族長アブラハムがメソポタミアのウルの地からカナンの地を目指し出発したことでイスラエルの歴史が始まる。孫のヤコブの時代にエジプトに移住するが、子孫はやがてエジプト人の奴隷となる。奴隷の時代が400年続いた後、モーセがエジプトから連れ出し、シナイ半島を40年放浪し定住を始めた。200年程かけ一帯を制服していく。ダビデ王の時代にイスラエル王国として12部族が1つになる。次のソロモン王の時代に安定した政治基盤となったんだ。」

剛太郎「その後はどうなったんですか?」

祥子父一郎「ソロモンの死後、息子のレブラハムが王位を継承したが、民の反発にあい、ソロモンの家来のヤロバアムを王として、北王国を建国する。これによって、北王国と南王国に分裂する。その後、北王国は、アッシリアに滅ぼされる。その10支族が、世界へと渡っていったとされている。」

剛太郎「日本に渡ってきたのが、ガド族、イッサカル族、エフライム族ですね。」

祥子父一郎「うむ。日本の伊勢神宮には、ダビデの星があるんだよ。」

剛太郎「六芒星・・・ですね。」

祥子父一郎「逆に、イスラエル神殿には、菊の紋がある。」

剛太郎「十六花弁ですか・・・。」

祥子父一郎「ジャンケンもそうだよ。ジャン・ケン・ポンは、ヘブライ語で、かくす・用意せよ・来い!になるんだ。」

剛太郎「そうなんですか。」

祥子父一郎「古事記の天岩戸は知ってるかい?天照大神が天岩戸に隠れたとき、アメノウズメノミコトがその前で踊り、アメノコヤネノミコトが、「ひい、ふう、みい・・・」の祈祷文を唱えたとされている。HI・FA・MI・YO・TSIA・MA・NANE・Y・KAKHENA・TAWO

と綴ると、ヘブライ語では、誰が女神様を出すのでしょう。誘いに、いかなる言葉をかけるのでしょうとなるんだよ。」

剛太郎「お父さん、鳥肌が・・・。」

祥子父一郎「まあ、こじつけかもしれないからね。」

そこへ、祥子と祥子母律子が、リビングへ片付けを終え入ってくる。

祥子母律子「また、難しいお話ですか?」

祥子「どう、剛太郎君、自由研究は上手くいきそう?」

剛太郎「スケールが大きくなりすぎて、どこからどう書いていいか、悩むよ。」

祥子父一郎「まあ、書く文量に合わせればいいんじゃないかな。しかし、剛太郎君との話は尽きないな。わしも嬉しいよ。」

祥子母律子「さあ、買い物にいきましょうか?」

祥子父一郎「おお、そうだな。ちゃんこ鍋の買い出しだな。剛太郎君と祥子は、ゆっくりしときなさい。自由研究のまとめでもやっておきなさい。」

剛太郎「分かりました。留守番しておきます。」

祥子「行ってらっしゃーい。」

祥子父一郎と祥子母律子が、夕飯の買い出しへと出かけていった。


留守番の剛太郎と祥子は、二階の祥子の部屋に移動した。

剛太郎「お父さん、凄いね。僕の疑問にビシビシ答えて貰ったよ。」

祥子「そう、良かったね。」

剛太郎「あ、リキリン、リキリンって雨手力男アメノダヂカラオじゃなかったっけ?」

リキリン「そーだよ。さっきのひーふーみーよーのやつ、知ってるよ。」

剛太郎「そうなの?」

リキリン「うん。アメノコヤネノミコトが、何かそんなんしゃべってたもん。」

剛太郎「ヘブライ語なの?」

リキリン「よく知らない。僕は、岩戸がちょっと開いたときに強引に開けるだけの役目だったもん。」

祥子「そういえば、建御雷神ことマモリンは、建御名方と戦ったんでしょ。」

マモリン「そうだよー。」

祥子「建御名方は強かった?」

マモリン「へっ、あんなチャラ男に負けるわけないじゃん。」

剛太郎「チャラ男・・・。」

マモリン「うん。チャラ男だったよ。腕相撲したら、逃げちゃったもん。」

剛太郎「そうなんだ。あ、クマリンこと大天使ガブリエルは、なんでヤコブと相撲したの?」

クマリン「あれ、間違いなんだ。」

祥子「間違い?」

クマリン「あの時、4人で鬼ごっこしてたの。僕と、クマエル、クマウル、クマラルね。」

剛太郎「ガブリエル、ミカエル、ウリエル、ラファエルってことか。」

クマリン「そう。僕が鬼で、みんなを探してたの。みーつけたーと思って抱きついたら、ヤコブ君だったの。で、ヤコブ君がお相撲してきたの。」

クマエル「あれ、大変だったらしいね。」

クマリン「クマエル達、帰っちゃったもんね。」

クマエル「だって、全然探しに来ないんだもん。先に帰ってきたら、ラファエルもウリエルも帰って来てた。ガブリエルもぼちぼち帰ってくると思ってた。」

クマリン「あれ、大変だったんだよー。ヤコブ君、必死で相撲してくるんだもん。」

祥子「ヤコブは強かった?」

クマリン「強かったよー。一晩中、お相撲してたから。」

剛太郎「一晩中?」

クマリン「だって、離してくれないんだもん。間違えてごめんって言ったんだけど。祝福を下さい、祝福をってしつこかったもん。」

クマエル「それで、祝福ってなにーって、テレパス来てたのか。」

クマリン「ウリエルに教えて貰った。名前を付けてあげればいいのって。」

剛太郎「それで、イスラエルって名前を付けたんだね。」

クマリン「そうなの。あんまりしつこいから、関節技使って、関節外したりしたんだけど、それでも向かってくるから、大変だったよ。」

剛太郎「じゃ、相撲の起源は、クマリン達が鬼ごっこして、間違ってヤコブと戦ったのが始まりって事?」

クマリン「そゆことー。」

クマエル「そうなるね。」

剛太郎「うん。じゃあ、相撲の起源は、天使の鬼ごっこって事だね。」

祥子「先生に、本当?って言われそう。」

クマリン「本人に聞きましたって言えばいいじゃない?」

剛太郎「夢でもみたのかって言われるかな。」

祥子「確かに。」

剛太郎「ちょっと、トイレ行ってくるね。」

剛太郎が部屋を出て行く。

クマリン「祥子、僕が剛太郎のところに来た理由は知ってる?」

祥子「えっ、クマちゃんに剛太郎君がパワー注入して、クマリンが来たんだよね。」

クマエル「そうそう。」

リキリン「うんうん。」

マモリン「そうだよー。」

クマリン「クマちゃん達の叫びが、僕を呼んだの。」

祥子「クマちゃん達の叫び?」

クマリン「願いかな。剛太郎が帰ったら話すね。」

剛太郎が帰ってくる。

剛太郎「お母さん達、帰って来たみたいだよ。降りようか。」

祥子「うん。分かった。」

ちゃんこ鍋よりも、クマリンの意味深な言葉が気になる祥子であった。


第五十九話に続く


第五十九話に続く。第五十九話も書きます。

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