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男!岩田剛太郎の秘密  作者: やのへい
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第五十五話 ファミレスで食事会

カラオケ後に、ファミレスで食事。剛太郎のスープ好きに皆驚く。

第五十五話 ファミレスで食事会


その男の名は、岩田剛太郎。

高校3年生18歳、ゴツいのは名前だけではなく、見た目もゴツい。身長185cm体重135kg、柔道部主将、屈強な体。目つきも鋭く、強面、かなりゴツい男。

見た目に反して、この男、気は優しく、あまり怒らない。

頭も良く、県下でトップクラスの進学校(一高)に通う。文武両道の男。

ただ、彼には、人に言えない秘密があったのです。


 いつもの、一高下校風景。剛太郎、祥子、真奈美、和美の剛太郎カラオケ倶楽部のメンバーが、カラオケを終え、一緒に歩いていた。

真奈美「あー、歌ったら、お腹すいたね。」

和美「カラオケのせい?」

祥子「じゃあ、ファミレスでも行く?剛太郎君も行くでしょ。」

剛太郎「うん、いいよ。今日、家、みんな出かけててね。ご飯ないって言われたから、丁度いいや。」

そう話しながら、カラオケ店近くのファミレスに向かう4人であった。


 ファミレス内へ入る4人。ウエイトレスに案内され、席に着く。

真奈美「ヨッシャー、パフェいくぞー。」

和美「私もー。」

祥子「じゃあ、私もパフェにしようかな。剛太郎君は決まった?」

剛太郎「うん。」

祥子が注文のため、呼びボタンを押す。注文を取りに、ウエイトレスが来る。

ウエイトレス「ご注文は、お決まりですか?」

真奈美「チョコレートパフェ、一つ。」

和美「抹茶パフェ、一つ。」

祥子「ストロベリーパフェ、一つ、お願いします。」

剛太郎「ダブルチーズハンバーグセットのご飯大盛りにスープバー、あと単品で、サイコロステーキをお願いします。」

ウエイトレス「かしこまりました。」

ウエイトレスが去って行く。

真奈美「さすが、柔道部ね。食べる量も半端ない。」

和美「それだけ、練習してるんでしょ。」

祥子「食べるのも練習だよ。柔道部は、喰いトレで焼き肉あるんでしょ。」

真奈美「それ、部費なの?」

和美「いいなー。」

剛太郎「年に3回くらいあるよ。確かに、お金を払ったことはないね。よくは知らないけど、部費として計上してるんじゃないかな。」

真奈美「焼き肉がトレーニング・・・、羨ましい。」

剛太郎「でも、1人ノルマ3kgだよ。」

和美「さ、3キロ?」

祥子「で、最後に大盛りカレーで締めだもんね。」

剛太郎「最後のカレーが地獄なんだ。」

真奈美「いくらかかるんだ・・・。」

剛太郎「食べ放題の店だから、大丈夫だよ。それに、学割あるしね。」

和美「割り増しじゃないの?」

祥子「お肉無くなっちゃうもんね。」

剛太郎「なんで、お店から前もって、日にちを連絡してくださいって言われてるらしい。僕らが行く日は、スタッフと肉の量を増やしてるみたい。」

真奈美「柔道部員が豪快に食べていたら、それ見てるだけでお腹いっぱいになりそう。」

そこへ、ウエイトレスがスープカップを持ってくる。

ウエイトレス「こちらがスープバーのカップになります。スープバーは、あちらになります。」

案内されるやいなや、ダッシュでスープを注ぎに行く、剛太郎。スープを注いで、戻ってくる剛太郎。席に着き、スープを一気飲みする剛太郎。また、注ぎに行く。で、また、席について一気飲み。で、また注ぎに行く。料理が来る前に、既に、5往復。呆れる、女子3人。

祥子「剛太郎君、スープ好きなの?」

真奈美「まあ、お代わり自由だしね。」

和美「何杯飲むの?」

剛太郎「スープは大好きなんだ。何杯かは、数えたことないや。」

そう言って、更に、お代わりに行く剛太郎。席に帰って来て、呼びボタンを押す。ウエイトレスがやってくる。

ウエイトレス「何か、ご用でしょうか?」

剛太郎「はい、スープバーのスープが空になったので、補充をお願いします。」

ウエイトレス「えっ、そうですか。さっきまで半分は入っていたのですが。確認して参ります。」

真奈美「半分、飲んじゃったの?」

和美「剛太郎君専用タンクが要るね。」

祥子「スープカップ、大きいのないのかな?」

剛太郎「それは、ないんじゃないかな。」

真奈美「いっそ、タンクごと置いて貰ったら?」

剛太郎「そんなに飲めるかな?」

真奈美・和美・祥子「飲める!」

その後も、スープを飲むため、10往復した剛太郎。タンクは1/3に減っていた。その後、料理が到着、4人それぞれ食事を終えた。そこへ、隣のカップルとウエイトレスが揉めている声が聞こえてきた。


隣のテーブル。

チャラ男「なんで、犬が店内に居るんだよ。」

チャラ女「私、犬アレルギーなの。何とかしてよ。」

ウエイトレス「そう言われましても・・・。」

チャラ男「店長呼んでよ。」

ウエイトレスが、店長を呼びに行く。


 剛太郎達のテーブル。

祥子「揉めてるね。」

真奈美「犬って、隣に座ってる人の犬なんじゃ。」

和美「でも、あの犬、盲導犬でしょ。」

剛太郎「この店は、盲導犬OKじゃなかったかな。入り口に書いてあったよ。」


 チャラ男のテーブルに店長らしき男性がやってくる。

店長「お客様、どうされました?」

チャラ男「どうされましたかじゃねえよ。犬だよ、犬。飲食店に犬はいいのかよ。」

チャラ女「私、犬アレルギーなの。どうにかしてよ。」

店長「犬アレルギーですか、それは大変ですね。」

チャラ男「そうだよ、だ・か・ら、早く、あの犬、なんとかしろよ。」

店長「犬?犬と言われますと?」

チャラ男「あの犬だよ。見えねえのか。」

店長「犬・・・ですか?」

チャラ男「犬だよ、あんた、あれ、猫に見えるのか?」

店長「ああ、あれですか。」

チャラ男「そうだよ。あの犬だよ。やっと分かったか。」

店長「お客様には、あれが、犬に見えるんですね。」

チャラ男「おいおい、どう見ても、犬だろう。違うか?」

店長「お客様、あれは、あのお客様の目ですよ。」

チャラ男・チャラ女「・・・目・・・。」

店長「お客様、当店は、目のご不自由なお客様のために、盲導犬の同伴はOKとなっております。そのお客様に対して、退出を求めることは、店長として出来ません。ご了承ください。」

チャラ男「ご了承って・・・、俺たちも客だぞ。」

店長「はい、お二人もお客様ですよ。ただ、当店のルールにご了承を得られなければ、どうぞ、ご退席ください。料金は、頂きませんので、そのまま、お帰りください。」

チャラ男「お帰りくださいって・・・、ふざけるな。」

店長「ご用は以上でしょうか。では、失礼いたします。」

チャラ男「おい、待てよ。」

店長「お店の外に出て、もう一度、一からご説明差し上げましょうか?」

チャラ女「もういいよ。出よう。」

チャラ男「これですむと思うなよ。店の本部へ電話するからな。覚えとけよ。」

そう、捨て台詞を吐き、店を出て行くカップルであった。

店長が盲導犬を連れた男性客に声をかける。

店長「お客様、失礼しました。気分を害されたのでしたら、私がお詫びいたします。申し訳ございませんでした。」

盲導犬の客「いえいえ、大丈夫ですよ。慣れてますから。」

店長「お詫びとしまして、食後のコーヒーをお持ちしましょうか?」

盲導犬の客「気を遣われなくても、大丈夫ですよ。」

店長「いえ、せめてもの私と店としての気持ちです。」

盲導犬の客「では、頂きます。あ、本部へは私からも電話しますよ。ファミレスで、こんな応対をされたのは、初めてだって。嬉しくて、涙が出そうでしたって、連絡しときます。」

店長「ありがとうございます。」

店長は、奥へ下がっていった。


 剛太郎のテーブル。

剛太郎「店長さん、凄いね。」

後ろを向いていた剛太郎が、振り向く。女子3人が、頷いて涙ぐんでいた。

剛太郎「あの店長さんもおとこだね。みんな、行こうか。」

うんうん、頷きながら、会計を済ませ、店を出る4人であった。


店を出た4人。

真奈美「あのお店、素敵ね。」

和美「また行こうね。」

祥子「うん。また、カラオケの後に来よう。」

剛太郎「お腹いっぱいになったし、心もいっぱいになったし、帰ろう。」

真奈美「だって、剛太郎君のお腹には、あのお店のスープの1タンク入ってるからね。」

和美「1タンク・・・、新しい単位だね。」

祥子「スープ、1タンク1丁。」

剛太郎「そんなに飲んでないと思うけど・・・。」

真奈美・和美・祥子「飲んでます!」


その後、真奈美と和美と別れ、それぞれの家を目指す、剛太郎と祥子。

祥子「剛太郎君、今度、スープ作ってあげるね。」

剛太郎「いいの?お願いします。」

祥子「何スープが好きなの?」

剛太郎「コーンスープ、ポタージュスープが好きかな。あと、辛いのも好きかな、トムヤムなんとか。」

祥子「トムヤムクンね。1タンクは無理だけど、お鍋いっぱいなら作れるから。」

剛太郎「鍋一杯は、飲めると思う。」

クマリン「祥子、1タンク作ろう。」

リキリン「スープと一緒に、パンも焼こう。」

マモリン「今度の休みに、作ろう。」

剛太郎「パン焼き器は、ないでしょう。」

祥子「パン焼き器あるよ。お母さん、料理教室の先生だもん。」

剛太郎「そうだった。」

クマリン「じゃあ、決まりね。今度の休みは、パン&スープパーティーだね。」

リキリン「剛太郎は、何パンが好きなんだ?」

剛太郎「フランスパンのバゲットが好きだよ。1本丸々食べる。」

マモリン「他には?」

剛太郎「クリームパン、チーズパンかな。シンプルなパンが好きだよ。」

祥子「分かった。お母さんに、レシピ貰っとくね。」

剛太郎「楽しみだ。」

そう言うと、剛太郎は、さっきファミレスで貰ったドリンクバーチケットをまじまじと見ていた。

祥子「どうしたの?チケットに何か書いてあるの?」

クマリン「祈っても、スープバーチケットには、変わらないぞ。」

剛太郎「そうじゃないんだ。本部のHPアドレスが載っていないか見ていたんだ。あ、書いてあった。」

祥子「HPアドレス?」

剛太郎「うん。今日の出来事を、目撃者として、本部にメールしようと思ってね。」

リキリン「そういうことか。」

マモリン「そうだね。あのチャラ男、絶対、本部に電話してるよ。」

剛太郎「店長さんやスタッフさんが、何とかするだろうけど、第三者の目撃者からの証言があった方が良いと思うんだよ。」

祥子「うん。私もメールしよう。真奈美と和美にも連絡しとくね。」

剛太郎「さあ、今週の休みが楽しみだ。いっぱい練習してお腹すかせとこう。」

クマリン「祥子、1タンクでも足りないかも?」

リキリン「2タンクプリーズ。」

マモリン「2タンクは、さすがに、ないでしょ。」

祥子「剛太郎君、今、まだ、飲める?」

剛太郎「少しなら・・・。」

クマリン・リキリン・マモリン「飲めるんかーい!」

祥子「よし、2タンクね。」

今週の休みのパン&スープパーティーを心待ちにして帰路につく、剛太郎と祥子であった。


第五十六話に続く


第五十六話に続く。第五十六話も書きます。仕事が忙しくなってきたので、ペースダウンしています。すみません。

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