第四十三話 どーして?の剛太郎
剛太郎の昔話。加奈子アイテム追加。
第四十三話 どーして?の剛太郎
その男の名は、岩田剛太郎。
高校3年生18歳、ゴツいのは名前だけではなく、見た目もゴツい。身長185cm体重135kg、柔道部主将、屈強な体。目つきも鋭く、強面、かなりゴツい男。
見た目に反して、この男、気は優しく、あまり怒らない。
頭も良く、県下でトップクラスの進学校(一高)に通う。文武両道の男。
ただ、彼には、人に言えない秘密があったのです。
ハンバーガーショップに着いた、剛太郎と祥子。ハンバーガーとジュースを頼み、席で食べながら談笑する二人。
剛太郎「僕ね、小学生の時、先生にいろいろ質問する子供だった。」
祥子「例えば?」
剛太郎「なぜ、空は青いんですか?」
祥子「深いね。」
剛太郎「人間は死んだら、どうなるんですか?」
祥子「小学生よね?」
剛太郎「分数は存在するんですか?」
祥子「意味が分からない・・・。」
剛太郎「お金をいっぱい発行したら、みんなお金持ちじゃないですか?」
祥子「インフレが・・・。」
剛太郎「茶色いネコと白いネコが結婚して、なんで黒いネコが生まれるの?」
祥子「メンデルの法則?」
剛太郎「どーしてそうなるんですか?って先生に質問ばかりしていた。」
祥子「かわいそうな先生。」
剛太郎「先生の答えは、いつも、中学生になったら分かるよって言われてた。」
祥子「小学生に説明は難しいもんね。」
剛太郎「その疑問を解消するために、勉強が必要って思ってた。」
祥子「哲学者か。」
剛太郎「そういえば、こないだの、講師の先生の話は面白かったね。」
祥子「校外講師の哲学の先生だったよね。わたしは退屈だったな。」
剛太郎「第一次産業、第二次産業、第三次産業の話だったよね。第一次は狩猟、第二次は栽培、第三次が工業。」
祥子「そんな話だったかな。」
剛太郎「第一次と第二次は、自然に還るが、第三次は還らないってことだった。」
祥子「石油で製品を作って、製品を石油に戻せないって言ってたね。」
剛太郎「物理的には出来るのかもしれないけど、コストとかの問題で出来ないんだろうね。」
祥子「面白かった?」
剛太郎「為になったよ。」
祥子「今はどんなことに、どーして?なの。」
剛太郎「今は、少なくなったね。逆に学校では教わらないことが、今は、どーして?かな。」
祥子「学校では教えないこと?」
剛太郎「男女の関係とか、彼女彼氏の作り方とか。」
祥子「ほーーー。」
剛太郎「男性が女性の何に惹かれるのか、女性が男性の何に惹かれるのか。」
祥子「永遠のテーマだね。」
剛太郎「考えても答えが出ないってのが、答えだって、最近分かってきた。」
祥子「恋に答えはないよ。」
剛太郎「祥子ちゃんのお陰だよ。」
祥子「わたしのお陰?何かしたかな?」
剛太郎「一緒に居たい。話したい。触れてみたい。その気持ちなんだってね。」
祥子「そうね。嫌な人とは、一緒に居たくないし、話したくないし、触れて欲しくないかな。」
剛太郎「僕もその感情が、少し芽生えてきたんだ。」
祥子「わたしに?」
剛太郎「うん。祥子ちゃんと話したい、一緒に居たいって思ってる。ただ・・・。」
祥子「ただ?」
剛太郎「祥子ちゃんには、正直に言うね。」
祥子「加奈子さんでしょ。」
剛太郎「・・・うん。分かった?」
祥子「剛太郎君、加奈子さん見るとき、ニコニコしてるもん。」
剛太郎「祥子ちゃんも気になるけど、加奈子さんも気になる。自分の中で揺れ動いてる。」
祥子「それが、自然なことじゃない?」
剛太郎「そうなの?」
祥子「加奈子さん、わたしも好きだよ。何か、女性版剛太郎君って感じだもん。」
剛太郎「そうなんだ。僕も友達って感じがする。」
祥子「まあ、決めるのは剛太郎君なんだから、わたしはどんな結果でも大丈夫だから。」
剛太郎「うん。頑張ろう。」
祥子「わたしも頑張ろう。」
剛太郎「じゃ、帰ろうか。」
祥子「そうね。帰りましょう。」
ハンバーガーショップをあとにし、それぞれ家を目指す剛太郎と祥子であった。
家に帰りついた祥子、自分の部屋に戻ってきた祥子。
祥子「剛太郎君って、やっぱり魅力あるね。」
クマリン「うん。漢だもんね。」
クマエル「祥子は大丈夫?」
祥子「うん。決めるのは剛太郎君だから。」
クマリン「でも、加奈子さんに対する剛太郎の気持ちは、祥子に対するそれとはちょっと違う気がする。」
クマエル「うん。加奈子さんは同志って感じだろ。」
祥子「女のわたしには、普通に友達って気持ちだけど。」
クマリン「祥子の方が、剛太郎は女性として見てるね。」
クマエル「確かに、それはあるな。」
祥子「じゃ、お風呂行ってきまーす。」
クマリン「お風呂で作戦会議しようー。」
クマエル「いいね、それ。」
祥子「あなたたちは、ここに居て。」
クマエル・クマリン「はーーーい。」
翌日、剛太郎と祥子の元にラインが入る。加奈子からである。
加奈子ライン「今日休み?暇があれば、集まりたい。何処へ集まる?」
祥子ライン「うちに来る?」
剛太郎ライン「じゃ、お昼過ぎに祥子ちゃん家に集合しよう。」
加奈子ライン「OK。」
祥子ライン「了解。」
お昼に、祥子家に集合した、剛太郎と加奈子。加奈子が祥子母律子に普通に挨拶して上がる。剛太郎はただいまと言い、上がる。嬉しそうな祥子母律子、ちょっと驚く加奈子であった。祥子、加奈子、剛太郎が祥子の部屋で話している。
加奈子「剛太郎、なんで、ただいまなんだ?」
剛太郎「今度来たときは、お邪魔しますじゃなくて、ただいまって言ってねって言われたから。」
祥子「ごめんね。お母さんのわがままに付き合って貰って。剛太郎君ね、こないだ10日間うちに泊まってたの。両親がヨーロッパ旅行でね。」
加奈子「そうだったのか。納得。」
剛太郎「で、今日はどうしたの?」
加奈子「アイテムを増やそうと思ってな。」
クマリン「プリンセスは、2つ持てるからな。ナイトは1つだけど。」
クマエル「うん。2つだな。」
加奈子「クマラルに、もう一人増やそうって言われて、早速行動だ。」
クマラル「ひとりぼっちは、寂しいの。」
クマリン「クマラル、寂しがり屋だもんな。」
マモリン「僕もひとりぼっち・・・。」
クマエル「あ、でも、プリンセス一人に対してナイトは一匹持つから、剛太郎も2つ持てるよ。」
マモリン「じゃあ、ぼくもお友達増えるの?」
祥子「で、グッズは何を持って来たの?」
加奈子「パワーが上がりやすいお守りと、昔使っていたクマちゃんキーホルダーだ。」
クマリン「そのキーホルダー、どれくらい使ってるの?」
加奈子「小学校3年生くらいからかな?」
クマエル「それ、期待大だね。」
祥子「クマリンも、わたしが中学の時にクレーンゲームで取ったんだよ。」
剛太郎「じゃあ、始めるか。先ずはキーホルダーからだね。」
剛太郎が、キーホルダーを手に取り、パワー注入する。
剛太郎「よし、パワー注入、ドーーーーーン。」
キーホルダーが光り輝く。
クマリン「また、懐かしい感じ。」
クマエル「あいつも、来るの?大集合だよ。」
クマラル「わーい。やっぱり来るんだ。」
祥子「誰が来るの?」
ウリエル「大天使ウリエル降臨。ゴディアックヒグマパワー5、闇属性。」
剛太郎「また、大天使だ。」
加奈子「強いのか?」
マモリン「ゴディアックヒグマ、No2のクマちゃんだよ。クマリンと一緒だね。」
クマリン「僕らが呼んでる気がする。」
クマエル「仕方ないよ、4人の内3人居るんだから。」
クマラル「知恵の大天使ウリエルだよー。」
ウリエル「やっとこれたー。嬉しー。」
クマリン「君まで来るとは。」
ウリエル「だって、3人そっち行っちゃって、ぼくひとりぼっちだったもん。早く呼んでーって、願ってた。あ、ぼくはウリエル。みんな、クマウルって呼んでね。」
加奈子「初めまして、クマウル。うちに来るか?」
クマウル「もっちろーん。」
クマラル「うんうん。また一緒に遊べるね。」
剛太郎「四大天使全員集合だな。」
祥子「凄いね。」
剛太郎「じゃ、次は、お守りだね。」
マモリン「誰が来るかなー、楽しみー。」
祥子「お守りだから、神道か仏教じゃない?」
加奈子「わたしの気持ちを込めたから、絶対強いぞ。」
剛太郎「さあ、次行ってみよう。このお守りだね。」
剛太郎がお守りにパワーを注入する。
剛太郎「パワー注入、ドーーーーーーーン。」
お守りが光る。
マモリン「ああーーーー、来た来たーーー。」
雨手力男命「雨手力男命降臨。エゾヒグマパワー5、土属性。」
加奈子「強いのか?」
マモリン「知らない?天岩戸を力でこじ開けた神様だよ。ぼくと同じ相撲の神、力の神様だよ。」
雨手力男命「マモリン、来ちゃったー。良かったー、来られて。あ、ぼくのことは、リキリンって呼んでね。力の神なんだ。」
マモリン「神社で相撲してたの、懐かしいね。」
リキリン「ねー。」
祥子「マモリンも友達呼べたんだ。良かったね。」
クマリン「さあ、これでチーム結成だね。」
クマエル「4大天使に相撲の神様二人。」
クマラル「いいねー。」
クマウル「みんな、パワー5だね。」
マモリン「みんな、属性違うよね。」
リキリン「全属性制覇だね。」
剛太郎「じゃ、リキリンはうちに来てね。」
リキリン「クマちゃんルーム、楽しみだー。」
マモリン「楽しいよ。一緒に遊ぼうね。」
加奈子「良かったな、リキリン。」
祥子「力の神様って、やっぱり、加奈子さんが呼んじゃったの。」
リキリン「マモリンに会いたいのもあったけど、加奈子と剛太郎が呼んでくれて、ラッキーって感じだよ。」
剛太郎「よろしくね。クマウル、リキリン。」
加奈子「よし、これでわたしも2アイテムたな。」
剛太郎「僕も2アイテムになったね。」
祥子「みんな、2アイテムずつよ。」
加奈子「呼び出しておいてすまないが、このあと用事があって、もう帰らないといけないんだ。みんな、すまない。」
祥子「いいわよ。じゃあ、クマラルとクマウルまたね。」
剛太郎「また、明後日の充電までだね。」
加奈子「明後日の放課後、一高の校門で待ってるからな。」
剛太郎「分かった。」
祥子「じゃ、送るね。」
加奈子「いや、大丈夫だ。剛太郎と話しててくれ。じゃあ、失礼する。クマラル、クマウル行こうか。」
クマラル・クマウル「はーーーい。」
クマリン・クマエル・マモリン・リキリン「またねー。」
加奈子が帰っていった。
祥子「じゃあ、話の続きね。ね。リキリンは神道なの?」
リキリン「うん。日本の神道だよ。マモリンと一緒。」
剛太郎「相撲の神、力の神だね。」
祥子「クマちゃんナイトカーニバルに、ピッタリじゃない。」
剛太郎「属性も、土属性。」
リキリン「クマリンたちは、キリスト教だね。しかも大天使って言ったら天使の首位だよね。」
クマリン「それほどでもー。」
クマエル「あ、ボクは、東方出張名で摩利支天っても言うよ。」
マモリン「そうだね。」
リキリン「このチーム入れて良かったー。」
剛太郎「さあ、僕もお暇しようかな。」
祥子「このあと、用事でも?」
剛太郎「いや、無いけど。」
祥子「じゃあ、夕飯食べていかない?」
剛太郎「また、お世話になるの忍びないから。」
祥子「全然。お父さんも今日早く帰ってくるから。ゴルフ行ってるの。」
剛太郎「分かった。じゃあ、家に連絡しとくね。」
祥子「お母さんに言ってくるね。」
そう言うと、嬉しそうに一階へ降りていく祥子であった。
リキリン「剛太郎、加奈子のこともよろしく頼むぞ。」
クマリン「そうか、リキリンは加奈子の気持ちの塊だから。」
クマエル「それで、剛太郎、帰ろうとしたんだな。」
マモリン「リキリン、大丈夫。みんなチームなんだから。」
リキリン「分かってるよ。同じチームだから、仲良くやっていくよ。マモリン居るしね。」
クマリン「だから、君が呼ばれたんだ。」
クマエル「僕らと同じだね。」
剛太郎「リキリンが居心地悪いかなって思ったのはあるよ。」
リキリン「ぼくは大丈夫。気にしないで。加奈子も祥子のこと好きだからね。」
階下で、祥子が剛太郎を呼ぶ。
祥子「剛太郎君、お父さん帰ってきたわよ。一緒に夕飯にしましょうって。降りてきてー。」
剛太郎「今行くねー。」
夏目家で夕飯となった剛太郎であった。
第四十四話に続く。
第四十四話に続く。第四十四話も書きます。




