第四十話 アニマルパワーとは?
加奈子もプリンセス?三大天使集結。
第四十話 アニマルパワーとは?
その男の名は、岩田剛太郎。
高校3年生18歳、ゴツいのは名前だけではなく、見た目もゴツい。身長185cm体重135kg、柔道部主将、屈強な体。目つきも鋭く、強面、かなりゴツい男。
見た目に反して、この男、気は優しく、あまり怒らない。
頭も良く、県下でトップクラスの進学校(一高)に通う。文武両道の男。
ただ、彼には、人に言えない秘密があったのです。
祥子、加奈子の元にたどり着いた剛太郎。
剛太郎「じゃあ、いこうか。」
祥子「優勝、おめでとう。」
加奈子「凄かったな、剛太郎なら優勝出来ると思ってたぞ。」
剛太郎「うん、ありがとう。じゃ、いこう。」
祥子「試合より、モールに行く方が張り切ってない?」
加奈子「モールは、逃げんぞ。」
剛太郎「こないだ、買い残したのがあるから・・・。」
祥子「何を?」
剛太郎「バックがあったんだ。」
加奈子「どんなバックだ?」
剛太郎「ボディバックと同じデザインのリュックが・・・。」
祥子「分かった、それ買いに行こう。」
加奈子「じゃ、それは、祥子ちゃんに買ってもらってくれ。わたしの分は、その場で選ぼう。」
剛太郎「わーい。やったー。」
祥子「さあ、行きましょう。」
モールへと歩き出す3人であった。
モールに到着し、一目散にクマちゃんを目指す剛太郎。
剛太郎「先行ってるね。」
祥子「分かった、分かった。」
加奈子「あとから行くから、選んでおいてくれ。」
そう言うと、ダッシュで目的地を目指す剛太郎であった。
祥子「ほんと、クマちゃん大好きなんだか。」
加奈子「まあ、そこが良いんだけどな。」
二人微笑みながら、剛太郎の後を追った。
祥子と加奈子が、ガールズハウスの入り口に到着。剛太郎は、既にお気に入りクマちゃんを捜索中。あと、5歳くらいおの女の子が、一人レジに並んでいた。
女の子「これください。」
レジの女性「はい、380円ですよ。」
女の子が、お金を渡す。
女の子「はい。」
レジの女性「えーと、100円、200円、250円、280円。うん?100円足りないね。」
女の子「えー。さっき、お母さんから、貰ったんだよ。」
レジの女性「あと、100円、お母さんに貰ってきてね。」
遠くで、母らしき人の声。
母らしき女性「早く行くわよ。ピッタリあげたでしょ、早く買ってらっしゃい。」
泣きそうな女の子。
女の子「う、うん・・、お母さんに、貰ってくる・・・。」
そう言って、女の子が走り出そうとしたとき、商品のラックにつまづき、お金を落としてしまう。
女の子「ああーー。」
遠くでその様子を見ていた、母らしき女性が、女の子に、声を掛ける。
母らしき女性「早く行くわよ。そこのベンチで待てるからね。」
涙を浮かべ、お金を拾っている女の子。そこへ、剛太郎が一緒にお金を拾う。
剛太郎「あ、お金落としちゃったね。100円、200円、・・・・・はい、これで全部。」
女の子「お兄ちゃんありがとう。あ、でも100円足りないから買えないんだ、お母さんに100円貰ってこないと・・・。」
剛太郎「そうかな。今、数えてごらん。お金数えられる?」
女の子「うん。数えられるよ。100円、200円、300円、350円、380円。あ、380円あるよ。」
剛太郎「そう、さっきは、数え間違えたんじゃないかな。早く買っておいで。」
女の子「うん。」
そう言うと、女の子はレジにお金を払いに行った。
レジの女性「はい、100円、200円、300円、380円。丁度ね。ありがとうね。」
女の子「わーい。クマちゃんキーホルダーだ。」
女の子「お兄ちゃん、ありがとう。」
剛太郎「うん。そのクマちゃん、大事にするんだよ。」
女の子は嬉しそうに、母の元へ走って行った。
その一部始終を見ていた祥子と加奈子。
祥子「剛太郎君・・・。」
加奈子が、店の入り口で、100円玉を拾う。
加奈子「この100円・・・、さっきの女の子だな。」
剛太郎の元に来た、祥子と加奈子。
加奈子「100円、入り口に落ちてたぞ。」
加奈子が剛太郎に、100円を渡す。
剛太郎「落としたんだね。」
祥子「じゃ、やっぱり、さっきのお金は剛太郎君が・・・。」
剛太郎「100円足りなかったら、クマちゃん買えないもんね。あの子、買えて良かったね。」
加奈子「同じ、クマちゃんマニアだもんな。」
祥子「同志だね。」
祥子と加奈子が、剛太郎のいじらしさに感動していた。
加奈子「さあ、剛太郎のプレゼント選ぶか。昨日は湯飲みだったから、何にしようかな。」
そう言って、加奈子は、クマちゃんグッズの物色を始めた。
反対側で、男女の声がする。
女「ぬいぐるみのリュックは、マズいっしょ。」
男「そう?可愛いと思うんだけど。」
女「わたしが使うんなら分かるけど、あんたみたいなごっついのが似合うわけないじゃん。」
気になった剛太郎が様子を見に行く。
剛太郎「あ、水田君?」
水田「あ、岩田君?」
さっきの声の主は、さっき個人戦で決勝を戦っていた水田選手であった。
女「あ、岩田剛太郎君?岩田君も、ネコちゃんマニアなの?」
水田「いや、優子、彼はクマちゃんマニアだよ。」
祥子「そう、剛太郎君は筋金入りの、クマちゃんマニアなの。」
加奈子「コップ割れたら、気絶するんだぞ。」
優子「真も同じ・・・だよ。」
水田「確かに、こないだ、ネコちゃんマグカップ割って、気失ったな。」
剛太郎「皆、自己紹介といこう。僕は、一高柔道部主将の岩田剛太郎。」
祥子「剛太郎君のクラスメートの、夏目祥子です。」
加奈子「剛太郎の彼女候補No2。秀英高少林寺拳法部の如月加奈子だ。」
水田「中央校柔道部主将の水田真です。」
優子「真と同じクラスで彼女の小島優子です。」
剛太郎「水田君も、ここ行きつけなの?」
水田「いや、ここは初めてだよ。ここ良いね。グッズがいっぱいで、パラダイスだね。」
優子「まあ、パラダイスでしょうね。」
剛太郎「何を揉めてたの?」
優子「聞いてよ、大の男が、このネコちゃんリュックだよ。もう、ビックリ。」
祥子「可愛いけど・・・。」
加奈子「信念があって、良いと思うぞ。」
水田「でしょ、でしょ。優子には分からないかな。このネコちゃん、眉毛があるんだぞ。」
祥子「出た、眉毛!」
剛太郎「りりしいね。」
加奈子「剛太郎も変態だから、同意を得ようとしても無理だぞ。」
優子「男なら、もっと、カッコいいの選べばいいのに。なんで可愛いのにいくかな。」
祥子「でも、ギャップがあって、いいんじゃない?」
加奈子「わたしは、自分が気にいれば、何でも良いと思うぞ。」
優子「まあ、ある程度ギャップがあってもいいと思うけど、このネコちゃんリュックだよ。」
祥子「あのー、今日、わたしは、この、クマちゃんリュックを剛太郎君にプレゼントなんですけど・・・。」
優子「あ、クマちゃんリュック・・・。真よりさらにゴツいのに、クマちゃんリュック・・・。」
加奈子「諦めろ。男の趣味には従うものだ、どうにも出来ん。」
剛太郎「クマちゃんリュック、かっこよくない?」
祥子「かっこよくは・・・ないかな。」
水田「カッコいい。」
剛太郎「水田君、分かる?」
水田「分かる。」
剛太郎「この色、良いよね。」
水田「うん、落ち着いた色合いが良いよね。」
優子「うーん。分からん。」
加奈子「受け入れるしかない。でも、わたしはそこまで変とは思わないけどな。可愛いものは可愛いでいいんじゃないか?」
祥子「うん。みんな、可愛いの好きだもんね。」
優子「はいはい、分かりました。ネコちゃんリュックにします。」
水田「わーい、ありがとう。」
祥子「優子さんもプレゼント選びなの?」
優子「そう、ここに、可愛いのあるからって、連れてこられたの。」
祥子「わたした達も、同じよ。ここで、剛太郎君にプレゼントなの。」
水田「パワーの事は、みんな知ってるの?」
加奈子「パワー?」
剛太郎「いや、加奈子さんは、知らないんだ。」
加奈子「パワーって何だ?」
祥子「言っていいのかな?」
剛太郎「うん。いいよ。加奈子さんなら、口堅そうだし。」
加奈子「何だ?そのパワーって。」
水田「僕たち可愛いもの好きマニアには、パワーがあるみたいなんだ。アニマルパワーって言ううんだけどね。」
優子「私たちは、ネコちゃんパワーなの。」
祥子「剛太郎君は、クマちゃんパワーね。」
加奈子「クマちゃん?ネコちゃん?」
剛太郎「やってみようか?」
祥子「ここで?」
水田「まあ、パワーを見せるだけだから、大丈夫じゃないか?」
剛太郎「祥子ちゃんお願い。」
祥子「じゃあ、クマエルいくよ。」
クマエル「おう。」
加奈子「ペンダントがしゃべった?」
祥子「クマエルお願い。」
祥子がクマエルに祈る。
クマエル「大天使ミカエル降臨。ホッキョクグマパワー5。」
剛太郎に光が入る。
剛太郎が、水田を片手で持ち上げる。
剛太郎「水田君、ごめんね。」
水田「大丈夫だよ、しかしパワー5は、凄いね。」
加奈子「ほう、祥子と剛太郎には、こんな繋がりがあったのか。凄いな。」
優子「でも、加奈子さんも出来るんじゃない?」
水田「うん。プリンセスは一人とは限らないからね。」
祥子「そうなの?」
剛太郎「そうなのか?」
水田「うん。優子は二人目のプリンセスなんだ。前のプリンセスは、元カノなんだけど。」
優子「元カノは、わたしの妹だったの。妹に振られて、慰めてたら、ほっとけなくなっちゃったって感じかな。」
加奈子「そっちも複雑そうだな。」
水田「まあ、いろいろあったよ。今は、落ち着いたけど。」
加奈子「わたしもやってみたいんだが。」
水田「じゃあ、やってみる?そうだな、アクセサリー系を選んで、剛太郎君に渡して、それを剛太郎君から加奈子さんへ渡したらいけるんじゃない?」
祥子「クマリンパターンね。」
クマリン「僕たちもしゃべっていい?」
加奈子「キーホルダーがしゃべった・・・。」
マモリン「しゃべれるよ。でも、しゃべると剛太郎や祥子が変人扱いされるから、普段は我慢してるの。」
ライアン「そうだよ。」
ピューちゃん「僕らもね。」
水田のライオンキーホルダーのライアンと、ピューマのぬいぐるみのピューちゃんもしゃべる。
加奈子「なんか、楽しそうだな。」
剛太郎「じゃあ、加奈子さん、何か選んで買ってきて。お守りかアクセサリーが良いよ。パワーが強いから。」
水田「そうなのか?」
優子「じゃあ、わたしたちもあとで、選びましょ。」
加奈子「じゃあ、このペンダントトップでいいか?お守りみたいになってるぞ。」
剛太郎「お守り型アクセサリー、期待大だね。」
祥子「加奈子さん、買ってこよう。」
加奈子と祥子がレジに買いにいく。
マモリン「加奈子も素質あるかもね。そんな感じがする。」
水田「うん。いやな気はしない。安心する、包み込まれるような感じだね。」
加奈子と祥子が戻ってきた。
祥子「お待たせ。」
加奈子「で、どうするんだ?」
水田「贈り物として、剛太郎君にそれを渡す。で、剛太郎君がパワー注入、そして再び、加奈子さんへ渡す。」
剛太郎「やってみるか。」
加奈子からネックレスを受け取り、購入したトップを付け、パワー注入。
剛太郎「パワー注入。ドーーーーーーン。」
お守り型ペンダントが光を放つ。
クマリン「なんか、懐かしい感じ。」
クマエル「え、うそ、まさか・・・。」
マモリン「誰が来るの?」
ペンダント「大天使ラファエル降臨、カムチャッカヒグマパワー5。水属性。」
水田「だ、大天使?しかもカムチャッカヒグマって、超強いんじゃない?」
剛太郎「ベスト3のクマちゃんだな。」
祥子「しかも水属性ね。」
マモリン「ラファエル?って聞いたことなかったっけ?」
クマエル「で、ラファエル君、もう当分、契約しないんじゃなかったけ?」
クマリン「クマエルを天界に連れ戻したのは、何処のどなたでしたっけ?」
マモリン「あ、クマエルが天界に戻る原因の大天使だったよね。」
ラファエル「ごめーん。来ちゃった。」
クマエル「来ちゃったじゃないよ。」
クマリン「もー、君は問題児なんだから。」
ラファエル「でも、クマリンとクマエルが楽しそうにしてるから、いいなーって思っててね、呼ばれたからラッキーって感じで、来ちゃった。」
クマエル「まあ、呼ばれたなら、しょうがないな。」
クマリン「まあ、それだけ、加奈子さんが剛太郎を思う気持ちが強いって事だね。最強のヒーラー呼んじゃうんだもん。」
水田「だよね。大天使ラファエルっていったら、最強のヒーラーだよね。」
ラファエル「あ、ぼくのことは、そうだな、クマラルって呼んでね。」
クマリン「まあ、昔、頭のラとお尻のルで、ラルって呼んでたの、今思い出した。」
祥子「よろしくね。クマラル。」
加奈子「よく分からんが、うちに来てくれるのか?」
クマラル「もちろん。加奈子のもちものだからね。」
剛太郎「知り合いみたいだな。」
水田「もしかして、クマリンはカブリエル?クマエルはミカエル?」
クマリン「そーだよー。」
クマエル「よく分かったな。」
優子「ちょっと、三大天使ってこと?」
クマラル「またみんなで、遊べるね。」
水田「剛太郎君、反則だー。」
優子「ずるいー。」
クマリン「まあ、その人の思いの強さで、僕たちは呼ばれる意識体だから。」
クマエル「加奈子ちゃんも、プリンセスだね。」
剛太郎「プリンセスは、二人いてもいいの?」
クマリン「珍しいけどね。ほら、一夫多妻とかあるじゃない。それと一緒。」
マモリン「いいなー。仲間が増えて。」
クマエル「そのうち、加奈子ちゃんのお守りで、マモリンの仲間も来るんじゃない?」
マモリン「うん。この思いの強さならあり得るね。」
ライアン「大天使殿3人とは。」
ピューちゃん「ビックリだね。」
クマリン「ライアンとピューちゃんも天使だね。」
ライアン「僕らは平天使だよ。」
ピューちゃん「そうそう。」
クマエル「でも、居心地いいでしょ。」
ライアン・ピューちゃん「うん。」
マモリン「それが一番。」
クマラル「加奈子さんに詳しいこと、教えとくね。充電は2日に1回とか。」
加奈子「2日に1回?」
祥子「そう、2日に1回は剛太郎君に触れないといけないの。」
加奈子「分かった。」
クマラル「一緒にお風呂にとかね。」
加奈子「風呂は一緒に入るのか?」
クマリン「あ、ずるい。加奈子さん、それはないからね。」
クマエル「ずるいぞ、クマラル。」
クマラル「あ、あとで言えば良かった。」
祥子「わたしからも、いろいろ教えるからね。」
加奈子「すまんな。」
剛太郎「じゃあ、今日はこれで帰りますか。」
祥子「クマちゃんリュックで、大満足でしょ。」
加奈子「すまんな、剛太郎。プレゼントあげるつもりが、貰ってしまって。」
剛太郎「いいんだ、クマラルに会えたから十分だよ。」
水田「僕らは、もう少し、グッズ選んで帰るよ。お守りとアクセだったよね。県大会じゃ負けないからね。」
剛太郎「望むところ。」
優子「キャパ10まで上げないと、勝てないよ。」
祥子「じゃ、加奈子さん、剛太郎君、帰りましょうか。」
加奈子「ああ、家でじっくり教えてくれ、クマラル。」
クマラル「お風呂でね。」
クマリン・クマエル「お風呂はダメー。」
それぞれの家に、それぞれのアイテムを持ち帰る、ナイトとプリンセスであった。
第四十一話に続く。
第四十一話に続く。第四十一話も書きます。