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男!岩田剛太郎の秘密  作者: やのへい
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第三話 祥子、岩田家を訪問

祥子が岩田家を訪問。剛太郎の部屋へ行く。

   第三話 祥子、岩田家を訪問


その男の名は、岩田剛太郎。

高校3年生18歳、ゴツいのは名前だけではなく、見た目もゴツい。身長185cm体重135kg、柔道部主将、屈強な体。目つきも鋭く、強面、かなりゴツい男。

見た目に反して、この男、気は優しく、あまり怒らない。

頭も良く、県下でトップクラスの進学校(一高)に通う。文武両道の男。

ただ、彼には、人に言えない秘密があったのです。


 翌朝6時半、いつもよりちょっと早めに起きた剛太郎、パジャマ(勿論、クマちゃんパジャマ、剛太郎曰く寝るときの正装)から学校の制服に着替え、一階に降りてくる剛太郎。

洗面所で支度を整え、ダイニングへ。

母幸子「お早う、朝ご飯できてるわよ。」

剛太郎「母さん、お早う。」

食卓の椅子に座る剛太郎。

父達夫と妹今日子も起きてくる。

父達夫「お早う。」

妹今日子「ふぁー、おはよー。」

父達夫、妹今日子も、食卓へ。

四人で食卓を囲む。

剛太郎「みんな、昨日はありがとう。何とか今日、乗り切るよ。」

母幸子「夕方、何時くらいに来るの?」

剛太郎「昨日は、部活1時間だけ自主練習したけどけど、今週一週間は試験準備期間だから、部活はないんだ。6時限目までだから、5時くらいには帰ってくるかな。」

母幸子「そう、あたしは、4時には仕事から帰ってきてるから、大丈夫ね。おやつ的なもの用意しとくね。」

妹今日子「5時か、部活早めに切り上げてこよ。」

父達夫「5時か、役所は5時半終わりだから、6時過ぎかな。速攻帰らんと間に合わんな。」

剛太郎「みんな、わざわざ間に合わせなくてもいいんだよ。」

妹今日子「昨日あんだけ手伝わせておいて、そりゃないよ。やっぱ、どんな人かめっちゃ気になるし。」

父達夫「まあまあ、みんな早めに帰ってこよう。剛太郎の為にも。何かあったら、フォロー入れんとな。」

母幸子「さあさあ、早く食べないと、みんな遅れますよ。」

クマちゃんトースト(クマの焼き色が付くトースターで焼いたトースト)を食べ、クマちゃんグラスの牛乳を飲み干す、剛太郎。

母幸子に見送られ、出発する三人。

父達夫・妹今日子・剛太郎それぞれ「行ってきます。」

役所、中学校、高校へそれぞれ向かう。

母幸子「行ってらっしゃい。」


一方の祥子、家を出発する際に母と弟に声を掛ける。

祥子の母律子は専業主婦だが自宅で料理教室等をしている、弟蒼太は中学生。

母律子は女優さん級超美人の44歳、弟蒼太は、剛太郎の妹今日子が噂していたあの超イケメンである。

祥子「今日、友達のとこに寄ってくるから、少し遅くなるね。」

祥子母律子「そう、夕飯までには帰ってくるんでしょ。」

祥子「うん。7時過ぎには、帰ってくると思う。」

祥子母律子「南ちゃんのところ?」

南ちゃんとは、近所の祥子の友達、高校は違うが小・中学校からの幼なじみである。

祥子「違うよ、高校のクラスメートのところ。」

祥子母律子「へえ、新しいクラスで仲良い友達出来たのね。」

祥子「うん。男だけど。」

祥子母律子「えっ、男の子なの?」

ちょっとびっくりの祥子母律子。

祥子「そう、背は180超えてて、体重も100キロ越えかな。でかくて、ゴツいやつだよ。」

またまたびっくりの祥子母律子。

祥子母律子「大丈夫なの、変な男じゃないわよね。」

祥子「一高だよ。そんな変なやつ居るわけないじゃん。柔道部なの。それに彼のお母さんや妹さんも居るみたいだし。」

祥子母律子「そうよね。相手のご家族に失礼のないようにね。」

黙って聞いていた祥子弟蒼太が口を挟む。

祥子弟蒼太「彼氏なの?」

親指を立てる祥子弟蒼太。

速攻否定の祥子。

祥子「違う違う、ただのクラスメート。」

祥子弟蒼太「ただのクラスメートなのに、家行くの?」

ちょっとしどろもどろの祥子。

祥子「うーん。いろいろあってね、詳しいことは帰って話すから。」

祥子母律子「でも、そんな子が彼氏だったら、安全よね。変なやつが近づいてきたら、ぶん投げてもらいなさい。」

昨日の出来事を思い出す祥子。

祥子「もう、既にぶん投げてもらったんだけど・・・。」

小声で話す祥子。

祥子母律子「えっ。」

祥子「何でもない、何でもない。じゃ、行ってきます。」

祥子母律子「行ってらっしゃい。蒼太も遅れないようにね。」

祥子弟蒼太「行ってきまーす。」


一高の校門。

デカい重戦車の後ろ姿にすぐ気づく祥子、走って近寄り、剛太郎の背中を叩く。

祥子「オース。」

ゆっくり振り向くモジモジ剛太郎。

モジモジ剛太郎「あ、夏目さん。お早うございます。」

祥子「え、柔道部の挨拶って押忍じゃないの?」

歩きながら話す二人。

モジモジ剛太郎「いや、押忍は空手部か応援団ですよ。」

祥子「そうなんだ。」

丸刈りの二年生「剛太郎先輩、お早うございます。」

柔道部の後輩丸山が挨拶してきた。

モジモジが直る剛太郎。

剛太郎「おう。」

そのギャップに吹き出す祥子。

祥子「私にも、おうでいいじゃん。」

モジモジ復活。

モジモジ剛太郎「いや、あんまり女子と話すことないですから。」

祥子「一応、わたしのこと、女の子って思ってくれてるんだ。」

まんざらでもない表情の祥子。

はっとする祥子。

祥子「あ、敬語は使わないって、昨日約束したじゃん。」

モジモジ剛太郎「緊張すると、やっぱり・・・・」

祥子「後輩の男って思えば良いんだよ。練習あるのみ。」

モジモジ剛太郎「はい。」

祥子「それから、あんまモジモジしないの。」

モジモジ剛太郎「お、おう。」

その表情と言葉にギャップを感じ、また吹き出す祥子。

祥子「もー、ほんと、面白いんだから。」

教室へと入っていく二人。


キーン コーン カーン コーン。下校の時間。

チャイムが鳴り、急いで剛太郎が教室を出る。教室を出る剛太郎に気づく祥子。

祥子「またねー。さよならー。」

クラスの女友達に声を掛ける祥子。

女友達数人「バイバーイ。」

急いで剛太郎を追いかける祥子。

祥子「ちょっと、待って、待ってよ、剛太郎君。」

聞く耳持たず、階段を駆け降りる剛太郎。

二人のかけっこが校門まで続く。

校門で急に立ち止まる剛太郎。回れ右する。

走って追いかけていた祥子。急に止まれず、剛太郎にぶつかる。

祥子「きゃっ。」

はじき飛ばされそうになる祥子を右腕でグイと抱える剛太郎。

剛太郎「夏目さん、大丈夫?」

腕にもたれる祥子、剛太郎を見て、ちょっとキュンとなる。

キョトンとする剛太郎。

祥子「もー。なんで走って逃げるのよ。」

モジモジ発動剛太郎。

モジモジ剛太郎「一緒に帰るのが恥ずかしくて、先に、校門で待ってようと思って・・・。」

祥子「恥ずかしいって・・・。とりあえず、腕放そうか。今の状態の方が、もっと恥ずかしいと思うんだけど。」

はっとする剛太郎。みるみる顔が真っ赤。

剛太郎「すまない。」

祥子を放す剛太郎。

祥子「じゃ、行きましょー、剛太郎君宅へしゅっぱーつ。」

嬉しそうな祥子。

一緒に歩くのが超恥ずかしい剛太郎。

祥子「ドタキャンされるかと思ったよ。」

剛太郎「それはない。男が一度口にしたことは、必ず守らなければいけない。」

祥子「武士だね。」

剛太郎「そう父さんから教わった。」

歩きながら話す二人。

祥子「今日、家族は居るの?」

剛太郎「母さんと妹が居ると思う。父さんは、6時くらいの帰宅と思う。」

祥子「ふーん。剛太郎君の部屋は一人部屋?」

剛太郎「ああ、何もないよ。机と教科書があるくらいの殺風景な部屋だよ。」

祥子「えっ、クマちゃんは?」

ドキッとする剛太郎。

剛太郎「クマちゃんは、この頃集め出したから、そんなにないよ。こないだのコップとキーホルダー、あとカードケース、ルームプレートくらいかな。」

祥子「えー、そうなのー。クマちゃんいっぱいの部屋想像してたのに、まあ良いけど。」

剛太郎「ははは・・・。」

祥子「そういえば、二人の時はモジモジしないよね。ちょっとは慣れたのかな。」

剛太郎「周りの目がないからかな。誰かほかにいると、恥ずかしくて緊張する。」

祥子「そうなんだ。」


あれこれ話しているうちに、岩田家まであと100mほど。

部活を早めに切り上げてきた妹今日子が、屏の陰から二人を発見。

妹今日子「めっちゃ美人じゃん、リアルで美女と野獣だよ。」

家に急ぎ入り、母幸子に声を掛ける。

妹今日子「お母さん、お母さん、夏目さん、めっちゃくちゃ美人だよ。」

母幸子「いよいよね。」

緊張する、妹今日子と母幸子。

ピンポーン、インターホンが鳴る。

母幸子「はーい。」

玄関へ出迎えに出て、息をのむ母幸子と妹今日子。

ガチャっと玄関が開く。

剛太郎「ただいま。」

剛太郎の後ろから、顔を出し挨拶する祥子。

祥子「こんにちは。」

母幸子「こんにちは。ささ、どうぞ、上がってください。」

妹今日子「こんにちはー。」

靴を脱ぎ、ドカドカ家に上がる剛太郎。

祥子も靴を脱ぎ、靴を揃え直す。となりの剛太郎の30cmのデカい靴も揃え直す。

祥子「お邪魔します。」

緊張気味の祥子。

剛太郎が声を掛ける。

剛太郎「僕の部屋は二階だから、二階に上がろうか。」

母幸子「そうね。剛太郎の部屋を見にいらっしゃったんですもんね。リビング散らかってるし、剛太郎の部屋の方が良いわよね。」

母ナイスアシストと右拳を握る剛太郎。

妹今日子「お兄ちゃんが女の人連れてくるなんて、初めてだもんね。邪魔しちゃ悪いし。」

妹よ、良い意味でナイスアシストと左拳も握り、ガッツポーズ状態の剛太郎。

祥子「じゃ、剛太郎君の部屋に上がらせてもらいます。失礼します。」

剛太郎の部屋へと階段を上る、剛太郎と祥子。

GOUTAROUのクマちゃんルームプレートの前に立つ祥子。

祥子「これが、クマちゃんルームプレートね。」

剛太郎「うん。」

ドアノブに手を掛ける剛太郎。

剛太郎「では、どうぞ。」


第四話に続く。


いよいよ、剛太郎の部屋に入る祥子、第四話に続きます。第四話も書きます。

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