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男!岩田剛太郎の秘密  作者: やのへい
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第十九話 夏目家にお泊まり始まる

夏目家にお泊まりが始まる、その前に剛太郎の意外な特技が・・・。

   第十九話 夏目家にお泊まり始まる


その男の名は、岩田剛太郎。

高校3年生18歳、ゴツいのは名前だけではなく、見た目もゴツい。身長185cm体重135kg、柔道部主将、屈強な体。目つきも鋭く、強面、かなりゴツい男。

見た目に反して、この男、気は優しく、あまり怒らない。

頭も良く、県下でトップクラスの進学校(一高)に通う。文武両道の男。

ただ、彼には、人に言えない秘密があったのです。


 岩田家に戻った剛太郎。剛太郎の部屋。

マモリン「やったね。剛太郎、思わぬ副賞だね。」

剛太郎「うん。ちょっと、ビックリだけど。」

マモリン「そうそう、ゴールドクマちゃんに、パワー充電してみたら?」

剛太郎「いや、今度、祥子ちゃんの家でやるよ。祥子ちゃん達の目の前でやりたい。」

マモリン「そうだね。みんなで勝ち取った、ゴールドクマちゃんだもんね。」

剛太郎「さあ、明日は、学校だ。寝よう。」

マモリン「そうだね。勉強楽しみだ。おやすみなさあい。」

大会の疲れを癒す、剛太郎とマモリンであった。


翌朝、一高の校門。祥子が登校している。後ろから、剛太郎が声を掛ける。

剛太郎「祥子ちゃん、お早う。」

祥子「剛太郎君、お早う。」

剛太郎「来月、お邪魔するね。ごめんね、逆に迷惑掛けたみたいで。」

祥子「大丈夫だよ、だって、ご両親がいないんだもん。あ、今日子ちゃんは大丈夫なの?」

剛太郎「蒼太君家にお泊まりだーって、小躍りしてた。」

祥子「ははっ、そう、大丈夫みたいね。うちも、お父さんが張り切っちゃって。ほんとに庭に土俵作りそうなんだから。」

剛太郎「それは、大変だね。」

祥子「着替えと教科書は持ってくるんでしょ。」

剛太郎「うん、下着と部屋着、外出着、制服、柔道着くらいだね。」

祥子「お、正装だね、どんなクマちゃんか、楽しみだ。」

剛太郎「そうそう、ゴールドクマちゃんなんだけど、今度、お邪魔するときに、パワー充電するから。」

祥子「まだ、してなかったの?」

剛太郎「うん。みんなで勝ち取ったゴールドクマちゃんだから、みんなの前でやろうかなと思ってね。」

祥子「うん。それがいいわね。」

剛太郎「先行ってて、部室に行ってくる。」

祥子「うん、先行ってるね。」

祥子が先に教室に到着。女友達の真奈美に声を掛けられる。

真奈美「お早う。」

祥子「真奈美、お早う。」

真奈美「ねえ、祥子、あなた、剛太郎君と付き合ってるの?」

顔が赤くなる祥子。

祥子「え、剛太郎君と?違う、違う。」

真奈美「そう?一緒に帰ったり、仲良くしゃべったりしてない?」

祥子「クラスメートだもん、普通よ、普通。」

真奈美「私もクラスメートなんだけど・・・、あやしい。」

祥子「そんなんじゃないって、危ないところを助けてもらったり、いろいろあったのよ。」

真奈美「ふーん。じゃあ、今日、みんなでちょっとカラオケ行かない?遅くならないように1時間くらいで。」

祥子「いいわよ。誰が行くの?」

真奈美「私と祥子と和美と・・・剛太郎君。」

祥子「剛太郎君も?」

真奈美「無理かな?」

そこへ剛太郎登場。

剛太郎「お早う、川口さん。」

真奈美の名字は、川口である。

真奈美「剛太郎君、今日、カラオケ行かない?1時間くらいだから。」

祥子「剛太郎君、今日、部活は?あるよね?」

剛太郎「今日は、顧問の先生が出張だから、部活はないよ。」

祥子「あらー、よりによって・・・。」

真奈美「じゃあ、カラオケ行けるね。」

祥子「剛太郎君、お家忙しいよね、そうそう、来月、ご両親、ヨーロッパだもんね。」

真奈美「祥子、そこまで、知ってるの?」

祥子「いや、たまたま、さっき聞いたのよ・・・。」

剛太郎「1時間だけだよね。いいよ。行こう。」

祥子「剛太郎君、いいの?」

真奈美「よし、決まりね。放課後校門で待ち合わせね。」

真奈美が自分の席に戻っていく。

祥子「剛太郎君、いいのに。」

剛太郎「だって、祥子ちゃんが大変そうだったから、行くって言っちゃったよ。」

祥子「まあ、ささっと行って、ささっと帰りましょ。」

剛太郎「うん。そうしよう。」


放課後の校門、祥子、剛太郎、真奈美、和美が集合。

真奈美「じゃ、いっちょ行くか。」

歩き出す4人。

祥子「剛太郎君、ごめんね。付き合わせちゃって。」

剛太郎「いいよ。でもカラオケ久しぶりだな。」

祥子「そういえば、剛太郎君、歌える?」

剛太郎「歌えるよ。でも、僕が歌うと、みんなシーンとなっちゃうんだ。下手なんだね。」

祥子「大丈夫。笑ったりしないから。二人にもそれとなく、言っとくから。」

真奈美「剛太郎君とカラオケなんて、初めてよね。だって、剛太郎君、近づくなオーラが半端ないもん。」

和美「そうだね。こんなに話してくれると思わなかったよ。」

剛太郎「祥子ちゃんのお陰だよ。前までは、女子と話すのも何しゃべっていいか分からなくで、緊張ばかりしてたからね。」

真奈美「祥子のお陰ね・・・。そうそう、剛太郎君、歌は大丈夫?誘っておいて言うのもなんだけど。」

祥子「剛太郎君、歌はあんまり得意じゃないみたい。剛太郎君の歌でみんなしーんとしちゃうんだって。みんなで、助けてあげましょ。」

和美「大丈夫、音痴の私が盛り上げるから。」


カラオケショップに到着。部屋に入り、女の子達3人は、我先に歌いだす。それをじっと聞いているだけの剛太郎。1時間の内、45分が過ぎてしまった。

祥子「あ、もう時間じゃない?剛太郎君歌ってないよね。」

真奈美「じゃ、最後に歌ってもらいましょう。」

和美「盛り上げるかからね。」

剛太郎がリモコンに打ち込む。バラードが流れてくる。

祥子「へぇ、剛太郎君、こんなの歌うんだ。」

真奈美「下手でも大丈夫よ。」

和美「大声で行こう。」

一小節目を歌う剛太郎。女子3人の心が持って行かれる。Aメロで頷く女子3人、Bメロで下を向く3人、サビで泣いている3人。涙が止まらない3人。2番と最後のサビを歌い上げる剛太郎。マイクを置く剛太郎。

剛太郎「あら、やっぱり、しーーーーんとなっちゃうね。ごめんね。」

涙で声にならない声で、剛太郎に話しかける祥子。

祥子「ゴウ・・・タロウ・・・クン、スゴイ、凄いよ・・・、なんなの・・・、その歌。」

和美と真奈美は、うずくまったまま、動けない。

剛太郎「えっ、普通に歌っただけなんだけど・・・。」

真奈美「何?・・・この心に突き刺さる、歌声。」

和美「迫力凄いし、上手いし、・・・反則。」

祥子「しーんとするのは、こっちのしーんだったみたい。」

真奈美「・・・決めた、剛太郎カラオケ倶楽部結成。」

剛太郎「カラオケ倶楽部?」

真奈美「月一回、この4人でカラオケに行く。」

和美「うん、それ、いい。」

祥子「でも、剛太郎君がいやじゃない?」

剛太郎「ううん、いつでもいいよ。また、誘ってね。」

真奈美「来月のスケジュールは、また、連絡するからね。歌って欲しい曲、選んでくるから。」

和美「あれでしょ、あれも。あれ歌われちゃったら、立てないかも。」

祥子「いいの?剛太郎君。」

剛太郎「発声練習だよ。大声出せるし。」

祥子「じゃ、次も4人で。じゃあ、帰ろっか。時間来たみたいだし。」

カラオケショップの前で分かれる4人。

真奈美「ビックリした、剛太郎君、柔道だけじゃなくて、歌も上手いんだもん。」

和美「見た目とのギャップが、ものすごいもん。」

祥子「じゃ、来月ね。」

真奈美「来月まで待てないときは、また連絡するからね。」

剛太郎「時間があるときは、いいよ。お疲れさん。」

真奈美「うん、お疲れ様、今日はいい夢見れそう。」

和美「私も。」

祥子「じゃあ、またね。」

4人それぞれ、帰って行く。


家に帰り着いた祥子がリビングで、父と母に、剛太郎のカラオケの腕前を話す。

祥子「もう、ビックリしちゃった、和美と真奈美も動けなくなるんだから。」

祥子母律子「お母さんも、剛太郎君の歌声聞きたくなっちゃった。今度、うちに泊まるとき、アカペラでもいいから、歌ってもらいましょう。」

祥子父一郎「いや、アカペラじゃもったいない。カラオケマシーンを買ってこよう。」

祥子「買ってくるの?」

祥子父一郎「いや、実は、父さんも前から欲しかったんだ。いい機会だ、今度、剛太郎君が泊まりに来るまでに、揃えておこう。」

祥子「まあ、あの声なら、購入する価値はあるかも。」

祥子母律子「そんなに、凄いの?」

祥子「多分、一小節目で、心が持って行かれる、引き込まれるって感じ。」

祥子父一郎「明日、買ってくる。」

祥子母律子「あなた、お願いね。」

何も知らない祥子弟蒼太がリビングに入ってくる。

祥子弟蒼太「何か、買うの?」

祥子弟蒼太を見て、にんまりする祥子、祥子父一郎、祥子母律子。


剛太郎両親のヨーロッパ旅行出発の日、玄関で両親を見送る、剛太郎と剛太郎妹今日子。

剛太郎母幸子「じゃあ、行ってくるわね。」

剛太郎・剛太郎妹今日子「いてらっしゃい。」

剛太郎母幸子「海外旅行なんて、新婚旅行以来ね。楽しんでくるからね。」

剛太郎父達夫「剛太郎、今日子、祥子さんの家で問題を起こさないようにな。」

剛太郎「大丈夫だよ。」

剛太郎妹今日子「大丈夫、猫かぶっとくから。」

剛太郎父達夫「今日子、そこまでしなくていいよ。普通にしときなさい、普通に。」

剛太郎妹今日子「だって、嫌われたくないもん。」

剛太郎父達夫「今日子は、元気な姿の方が喜ばれるぞ。」

剛太郎母幸子「もう、おてんばバレてるから。元気いっぱいの方が、いいんじゃない。」

剛太郎妹今日子「じゃ、そうする。」

剛太郎「10日間だよね。気をつけて行ってらっしゃい。」

剛太郎父達夫「じゃ、行ってくる、祥子さんとご両親によろしくな。じゃ、幸子行こうか。」

剛太郎母幸子「ええ。」

ゆっくり歩き出す二人。

剛太郎妹今日子「お土産待ってるからねー。」

タクシーに乗り込む両親を見送る、剛太郎と剛太郎妹今日子であった。

剛太郎「さあ、僕たちも行こうか。」

剛太郎妹今日子「行こう行こう。」

剛太郎兄妹も、夏目家を目指し、歩き出した。


てんやわんやの夏目家。カラオケマシーンを配線している祥子父一郎。

祥子「もう、剛太郎君達、来ちゃうよ。お父さん、急いで。」

祥子父一郎「もうすぐ終わるよ。」

祥子「なんで、今日、機械が来るの?もっと早くしておけばよかったじゃない。」

祥子母律子「安いのはすぐあったんだけどね、お父さんが、これじゃなきゃ駄目だって、取り寄せしてたの。」

祥子父一郎「どうせ買うなら、いいものを買わんとな。」

ピンポーン。チャイムが鳴る。

祥子母律子「はーい。」

祥子「ついに・・・、来た・・・。」

玄関に、急ぎ全員集合の夏目家、剛太郎達を迎える。

ガチャッとドアが開く。

剛太郎「失礼します。」

夏目家の玄関を開けた剛太郎。

剛太郎「今日から、10日間、よろしくお願いします。」

深々と頭を下げる。

剛太郎妹今日子「ふつつか者ですけど、お願いします。」

一緒に頭を下げる、剛太郎妹今日子。

祥子父一郎「堅苦しい挨拶は抜きだ。さあ、上がって、上がって。」

剛太郎「失礼します。」

剛太郎妹今日子「失礼しまーす。」

祥子母律子「今日子ちゃん、立派な挨拶ね。祥子も見習ったら?」

祥子「おかあさん、・・・もう。」

祥子弟蒼太「今日子ちゃん、いらっしゃい。荷物もつね、リビングでいいんでしょ。」

祥子父一郎「ああいいぞ、剛太郎くんも、上がった、上がった。」

剛太郎、いよいよ、夏目家にお泊まりである。


第二十話に続く。


第二十話に続く。第二十話も書きます。

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