第十三話 クマチャンナイトカーニバル作戦会議
世界の相撲競技が分かります。カーニバル前日の作戦会議。
第十三話 クマちゃんナイトカーニバル作戦会議
その男の名は、岩田剛太郎。
高校3年生18歳、ゴツいのは名前だけではなく、見た目もゴツい。身長185cm体重135kg、柔道部主将、屈強な体。目つきも鋭く、強面、かなりゴツい男。
見た目に反して、この男、気は優しく、あまり怒らない。
頭も良く、県下でトップクラスの進学校(一高)に通う。文武両道の男。
ただ、彼には、人に言えない秘密があったのです。
夏目家二階、祥子の部屋の剛太郎、祥子、クマエル、クマリン、マモリン。
剛太郎「夏目さん、じゃ、帰るね。」
祥子「うん、また明日ね。あ、芳香剤買っとくね。剛太郎君、明日部活って言ってなかった?」
剛太郎「そうだった。夏目さん、お願い。代金は後で渡すから。」
祥子「ううん。いいの。プレゼント。」
剛太郎「えっ。悪いよ。」
祥子「いいの。だって、贈り物方が、パワー上がるんでしょ。」
剛太郎「そうか。じゃあ、次は、僕が何か、贈り物するね。」
クマリン「おうおう、お熱いこって。」
クマエル「クマリンの努力が、実ってきてるかな。」
マモリン「このパーティー、楽しいね。」
剛太郎「じゃ、行こう、マモリン。」
みんな、一階へと移動する。剛太郎妹今日子たちも、お菓子作りが終わっていた。剛太郎妹今日子に声話かける、剛太郎。
剛太郎「今日子、そろそろお暇するぞ。」
剛太郎妹今日子「あー楽しかった、お母さん、蒼太君、ありがとう。また一緒に作ろうね。」
祥子弟蒼太「今日子ちゃん、これ。」
袋に入った、さっき作ったレアチーズケーキを渡す。
剛太郎妹今日子「えっ、渡す相手って、ワ・タ・シ?」
祥子弟蒼太「うん。今日子ちゃんに食べてもらおうと思って、作ったんだ、今日子ちゃん来てくれて、渡しに行く手間が省けた。」
祥子「何作ったの?」
祥子弟蒼太「ブルーベリーレアチーズケーキ。」
祥子「難しいの作ったのね。材料費も高いでしょ。」
祥子弟蒼太「レアチーズケーキ高いから、ヨーグルトの水分を1日布で絞りおいて、マヨネーズ混ぜて、ブルーベリージャムのせ手作った、お手軽簡単ケーキだよ。」
祥子母律子「ほんとは、家で食べていって欲しいけど、遅くなるから、帰って食べてね。」
剛太郎妹今日子「こないだ、わたしがブルーベリーのレアチーズケーキが好きって言ったから・・・。」
祥子弟蒼太に飛びつく剛太郎妹今日子。
剛太郎妹今日子「蒼太君、ありがと。だって、誰にあげるんだろって、作りながら、ずっと気になってたから。まさか、自分の作ってたなんてね、へへへっ。」
祥子弟蒼太「今日子ちゃん、ケーキが壊れちゃうよ。家族のみんなでも食べてみてね。」
小声のクマリン「この積極性を、祥子と剛太郎にも分けて欲しいな。」
小声のクマエル「確かにね。」
小声のマモリン「いいんじゃない。二人はゆっくりゆっくり、見守ろう。」
祥子「聞こえてるわよ。」
クマリン・クマエル・マモリン「口、チャーーーーク。」
剛太郎「お母さん、蒼太君、お世話になりました。すみません、明日もお邪魔しますが、よろしいでしょうか。」
祥子母律子「ええ、構いませんよ、誰かさんも、楽しみにしていますから。」
剛太郎「誰かさん・・・、あ、お父さんですか。お父さんにもよろしくお伝えください。」
祥子母律子が祥子に微笑む。
小声のクマリン「ほんと、察しの悪さ、宇宙一。」
小声のクマエル「だな。」
小声のマモリン「これ程とは。」
祥子「しょうがないよ。剛太郎君だもん。でも、それで助かってる部分もあるけどね。」
祥子母律子「今日子ちゃん、剛太郎君、気をつけて帰ってね。今度、味の感想聞かせてね。」
剛太郎妹今日子「うん。分かった。食べたら、蒼太君に感想ラインするね。」
祥子弟蒼太「今度は、チーズティー作るから、また来てね。明日は、お父さんとお出かけだから、僕居ないから。」
剛太郎妹今日子「うん。分かった。」
剛太郎「じゃ、失礼します。」
祥子・祥子母律子・祥子弟蒼太・クマリン・クマエルが見送る。
岩田家の帰り道。
剛太郎妹今日子「さ、帰って、愛のケーキ食べよ。お兄ちゃん、蒼太君のお母さんが言ってた誰かさんって、蒼太君のお父さんじゃないよ。」
剛太郎「じゃ、誰が・・・。」
剛太郎妹今日子「はあ・・・、察しの悪さウルトラ級。祥子さん!祥子さんがお兄ちゃん来るの楽しみなの。女心がわかんないんだから。まあ、そこがお兄ちゃんの良いところなんだけどね。可愛くて。」
顔が赤くなっていく剛太郎。
剛太郎「そうなのか、じゃあ、そう言ってくれれば。」
剛太郎妹今日子「それが言えないのが、女心なの。じゃ、お兄ちゃん、祥子さんに家に来てくれたら嬉しいって、本人に言える?」
剛太郎「言えない。」
剛太郎妹今日子「似たもの同士、頑張ってください。わたしも応援するから。」
剛太郎「今日子、ありがとな。さあ、母さん待ってる、急ごう。」
家路を急ぐ剛太郎と剛太郎妹今日子であった。
一方、夏目家二階、祥子の部屋。
クマエル「あ、しまった。」
祥子「どうしたの、クマエル。」
クマエル「剛太郎にパワー充電してもらっとくんだった。あと、1時間しか、もたないよ。クマリンや祥子といっぱいおしゃべりしたいのに。」
祥子「しょうがない、明日、充電してもらおう。」
クマリン「クマエル。僕、思い出した。」
クマエル「何を?」
クマリン「パワーの渡し方だよ。僕は明日、剛太郎からまたパワーもらうから。今、40時間分あるから、半分の20時間分渡すね。」
クマエル「おおっ。じゃ、早速。」
祥子「そんなこと、出来るんだ。」
クマリン「うん。天使と大天使は、パワーを分け与えることが出来るんだ。ちょっとずつ思い出してきた。祥子、僕の口元を、クマエルの耳に当ててみて。」
祥子が、胸のネックレストップのクマエルの耳にクマリンの口を持って行く。
クマリン「じゃ、始めるよ。」
クマエル「うん。お願い。」
クマリン「耳ハムハム、耳ハムハム、パワー注入、ど―――ん。」
祥子「な、なにそれーーー。」
クマエル「ウホホホーーー。」
クマリン「OK、祥子、もういいよ。」
クマエル「クマリン、ありがとう。」
祥子「耳ハムハムって・・・、ちょっとびっくり。」
クマリン「そう?僕らには、握手みたいなもんだよ。」
クマエル「そうそう、握手と一緒だね。」
祥子「そうなの、じゃあ、ご飯食べて、お風呂入ってくるね。」
クマエル・クマリン「待ってまーす。」
今度は、岩田家。夕飯を済ませた剛太郎。部屋で、マモリンと話す。
剛太郎「マモリンは、本当の名前ってあるの?」
マモリン「あると思う。ねえ、剛太郎、ぼくにパワー充電してみて。もしかしたら、今なら、思い出すかもしれないから。」
剛太郎「分かった、やってみる。」
マモリンを手に取り、パワー充電する剛太郎。
マモリン「来てる来てる、おおっ、おおーーー。」
剛太郎「どうだ。」
マモリン「分かった。ぼくの本当の名は、建御雷神。剣の神、雷神、相撲の神といったところ、武神だよ。」
剛太郎「おおっ、相撲の神って、すごいじゃん。マモリンもすごいやつだったんだ。」
マモリン「そうみたい。ぼくも前の記憶はないよ。普通、契約の時は、記憶はなくなるからね。クマエルみたいに前の記憶があるのは、稀だよ。」
剛太郎「じゃ、明日、みんなに報告だ。」
クマエル「剛太郎、お願いがあるんだけど、ぼくも学校に一緒に行っていいかな。クマエルはアクセサリーだから無理だけど、僕はお守りだから大丈夫なんじゃないかな。クマリンはキーホルダーだから、ワンポイントで許されるんだろうけどね。ぼく、いろいろ学校で勉強したいんだ。」
剛太郎「分かった。マモリン、明日から連れて行くね。」
マモリン「わーい。頑張って勉強するぞー。」
剛太郎「マモリンは、勉強家なんだね。クマリンは、退屈そうだけどね。」
翌日。学校が終わり、夏目家で、昨日の作戦会議の続き。
祥子「剛太郎君、はい、芳香剤。」
剛太郎「ありがとう、大事に使うね。」
クマリン「剛太郎の部屋も、これでいい香り。」
マモリン「そうだね。あ、ぼくも、自分の本当の名前思い出したよ。」
祥子「何て名前?」
剛太郎「建御雷神って言うらしい。」
クマエル「なんと、相撲の神か?じゃ、ボクより強いんじゃない?」
祥子「クマエル、知ってるの?」
クマエル「うん。しかも雷属性。ボクとクマリンとマモリン。これは、優勝狙えるぞ。」
クマリン「うん。剛太郎の自力もあるからね。」
剛太郎「カーニバルは、世界中からくるんだろ?」
クマエル「そうだよ。世界には相撲はたくさんあるからね。全部は知らないけどね。」
祥子「へえ。そうなんだ。」
マモリン「相撲の話なら、ぼく得意だよ。いっぱいあるから、ざっといくね。日本相撲、韓国シルム、モンゴルブフ、中国シュアイジャオ、ブータン相撲、ベトナムヴァット、フィリピンブノ、カンボジアチャンバブ、ネパール相撲、チベットケネ、ミャンマーナバン、インドクシュティ、ジョージアチダオバ、イランコシュティ、キルギスクロシュ、ウズベキスタンクラッシュ、トルコルギュレシ、セネガル相撲、エジプトヌビア相撲、ガンビア相撲、カメルードゥアラ相撲、トーゴエヴァラ相撲、スーダンテューバタ、メキシコルチャタラウマラ、キューバルチャデルトレーテ、キリバスカウンラバタ、フランスリュットパリジェンヌ、ロシアサンボ、ギリシャパンクラチオン、スペインルチャカナリヤ、ブルガリア相撲、ハンガリー相撲、セルビアナロードノルヴァンニエ、オーストリアランゲルン、オランダボルステル、スイスシュビンゲン、イギリスランカシャーレスリング、アイルランドカラーエルボーレスリング、ふう、これくらいはあるよ。」
クマリン「あと、柔道もあるもんね。剛太郎は柔道選手だから。」
クマエル「カーニバルは、打撃、関節技無しだから、投げが強い競技は要注意だよ。」
マモリン「日本柔道、韓国シルム、モンゴルブフ、中国シュアイジャオ、インドクシュティ、イランコシュティ、キルギスクロシュ、ウズベキスタンクラッシュ、トルコルギュレンあたりが、多分投げが主だよ。」
祥子「でも、その人の体格なんかも、あるからね。」
クマエル「そう、自力もあるからね。剛太郎、最初のバトルロイヤルは、クマパワーないからね。ここで負けないようにしないと。ここは、ナイト頼みになるから。」
クマリン「まあ、剛太郎は柔道選手だから、投げるの得意でしょ。」
マモリン「ロシアのサンボは、技の入り方が変則的だから、要注意だよ。」
剛太郎「任せとけ。払い腰で投げ飛ばすから。」
クマエル「あと、準々決勝からは、クマパワー使うからね、クマパワーには属性があるの知ってる?」
祥子「属性?」
クマエル「そう、火、水、雷、土の4属性と、光、闇の2属性があるの。」
マモリン「僕は雷だね。」
クマエル「そう。雷神だもんね。」
クマリン「僕は?」
クマエル「クマリンは、火属性。燃える愛の神だからね。」
クマリン「僕は火なのね。」
クマエル「あと、僕は光属性。」
剛太郎「属性はどう影響するんだ?」
クマエル「火は水に弱い、土に強い。水は雷に弱い、火に強い。雷は土に弱い、水に強い。土は火に弱い、雷に強いって事。あと、光は闇への攻撃は強いけど、防御は弱い。闇は光への攻撃は強いけど、防御は弱くなる。お互い与えるダメージは大きいけど、食らうダメージも大きいって事。」
祥子「こんがらがってきた。」
剛太郎「4属性と2属性の場合は、変化なしか。」
クマエル「そう、たとえば、光と火では、特に得意不得意はないんだ。」
クマリン「僕は、水にあたったら駄目って事ね。」
マモリン「ぼくは、土が駄目って事か。」
クマエル「相手の見た目で、予想出来る、出来ないがあるから。僕は白いから光っぽいでしょ。クマリンは赤っぽいから火ってバレそうだけど、逆に、マモリンは赤茶色なのに雷だから属性を特定されにくいし、水をもってこられれば、有利だよ。」
祥子「クマリンは単純、マモリンは知性派ってとこね。」
クマリン「それ、どゆことー。」
剛太郎「明日の土曜日は、いよいよ、出発だ。カーニバルは、朝9時開会式みたいだから、8時半に、クマリンとクマエルもって家に来て、父さんも準備してるから。」
祥子「分かったわ。初日で負けないでよ。免税店行けなくなるからね。」
クマリン「参加国は分からないけど、64名でのバトルロイヤルが9時半から始まる。8人残り次第終了。3回勝てばいいってこと。知ってると思うけど、同じ国の人とは、バトルロイヤルでは、戦えないからね。組もうとしても組めないから。」
剛太郎「知ってるよ。健太郎さんから聞いてるから。」
祥子「健太郎さん、ユリさんに会えるわね。勝ち残ったら、ユリさんと、免税店行こう。」
クマリン「旅行じゃないんだから。戦いにいくんだよ。」
マモリン「それくらい、リラックスしてた方がいいよ。」
祥子「さっすが、理論派マモリン。」
剛太郎「さあ、帰るかマモリン。」
マモリン「うん。帰ろう。じゃ、祥子、クマエル、クマリン、また明日ね。」
祥子「8時半ね、送れないように行くね。」
玄関へ出るみんな。
剛太郎「じゃ、明日。」
マモリン「バイバーイ。」
祥子・クマエル・クマリン「バイバーイ。」
一夜明け、カーニバル当日を迎えた。
第十四話に続く。
第十四話に続く。第十四話も書きます。