ヴィヴィ王女の絶望
ヴィヴィが目を覚ました時、四度絶望した。
「ここは……え?」
まず見つけたのは、身包みをはがれた勇者、シンゾーの屍。
王家から渡された国宝の大剣、国宝の防具、余分目に持たされた金銭。
全てが剥ぎ取られ、裸で洞窟の奥に捨てられていた。
国の希望、これから成長していくはずだった勇者はもう居ない。
「・・・・・・ひ」
驚いて息を吸い込んだ時に自分の身体に気付く。
服が全て剥ぎ取られていた。裸にされていた事から考えても、最悪な事が起こったかもしれない恐怖で頭が割れそうに痛む。
「・・・・・・あ」
そして自分に付けられている首輪に気付く。
「これは魔王を封じるための首輪だ。これを付ければ、魔王を隷属させる事ができる。付けた者の命令に逆らえなくなるのだ」
魔王ですら封じる国宝。自分はあの盗賊に隷属させられた事に気付く。
それに加えて魔王を封じる手段が失われた事に気付き、ヴィヴィは口を開け
「ああああああああ!!!!」
叫ぶ事しかできなかった。涙すらこぼれない。考えがまとまらない中
「お、起きたか」
ヴィヴィを絶望の底に落とした原因が現れた。
「勇者を殺して、私を辱めて、隷属させて、魔王を封じる手段をつぶして、ああああああ!!こ、殺す!!絶対殺す!!」
「ははは、元気がいいな!待っておいて正解だった。安心しろ、服は脱がせたが、身体を触ったくらいでまだ何もしていないぞ」
何もしていない、というアピールで両手をあげる盗賊
「な・・・・・・」
その盗賊の一言で、最悪の気分が少し軽くなる。
だが、勇者は消え、魔王を封印する術も失われ、隷属させられ・・・・・・。
正常な状態のヴィヴィなら、襲う側にも理由があるはず、と考え
「なぜ襲ったのですか?」
くらいは言えたかもしれない。
「消えろ!爆発しろ!!絶対殺す!!殺してやる!!」
興奮におかれた状況で、考えがまとまらず、ヴィヴィはただ怨嗟、呪詛の言葉を吐くだけだった。
ヴィヴィが叫び疲れた頃、盗賊の男はさてと、と腰を上げた。
「さて、やるぞ」
盗賊の男はそう言って、ヴィヴィは固まる。
「や、やる?」
「男が女をさらってきてやる事なんて一つしかないだろうが。最近はヤギも食っちまったしな」
「は、はあ!?」
「おまえの反応が楽しめないまま終わらせるのもつまらないと思って我慢してたんだ。感謝しろよ?
ヤギは小さかったから、なかなか良かったんだが、やっぱり人間がいいな」
「は、はああああ!?」
ラング王国、第一王女、ヴィヴィ=ラング。
ヴィヴィは容姿端麗であり、頭脳明晰であり、国一番の魔力持ちであり。
国一番の魔術師であり、運動能力も高く、単純な筋力も高い。
RPGで言うと、LV最大、ステータス全カンスト状態。ラング王国の至宝。
美の女神の化身だと言っても疑う者はいないだろうほどに、整いすぎている顔に向けて、
盗賊は乱暴に吐き捨てるように言った。
「ほら、はやくそこに寝て足を開け。最初は俺が動いてやるが、次はお前が動くんだぞ」
「……」
隷属の首輪により、逆らえないヴィヴィは、恥辱と悔しさから、泣き叫びながら、盗賊の支持に従う。
この世界で美貌とは価値なのだ。
隷属の首輪により、逆らえないヴィヴィは屈辱に涙を流しながら
盗賊にまずその価値を穢された。
ヴィヴィ「……くっ、殺す!!」
盗賊「なかなかだったぜ」




